不妊治療における医師とのコミュニケーションの難しさ

私の通っているクリニックは所謂担当医制ではなく、その日の当番医が診察をする方式です。
市内でもわりと大手のクリニックになるため、私が覚えている限りでも院長先生の他、男性医師2名と女性医師3名程がいました。

2年も通っていると、段々と先生の様子もわかってきます。
何となくですが、女性の先生の方が(内診の時も含めて)遠慮がない感じで、男性の先生の方がちょっと慎重な印象。
また、とても個人的なものですが、苦手な先生と信頼できる先生も出てくるわけです。

一番信頼できた先生

週に1度しか来ないわりと若い(と言っても30代後半か40代前半ぐらい)男性の先生がいたのですが、私はこの先生を一番信頼していました。

2回目の流産をしたとき、その時は胎嚢確認の時から子宮外妊娠を疑われるぐらい発育がよくなく、ほどなくして稽留流産を言い渡されました。
手術日は病院の都合でかなり後ろの日程しか取れず、結局自然排出となりました。

その際に、私はネット情報を鵜呑みにしすぎており、自然排出ってもっと陣痛のような(って陣痛味わったことないけどw)腹痛と、大量の出血、そして塊もたくさん出てくる壮絶な戦い(?)だったと思ってたんですよね。。。
もちろんそういう方もいらっしゃると思うのですが、私の場合本当の初期で成長が止まってしまったため、出血も腹痛もそこまでひどくなければ、塊もぽとんっと1回落ちたきりで、それで終わりでした。

私はネットで症状がひどい方の情報しか見ていなかったため、塊がぽとんっと出てきたときに、これが流産の序章か、これから本番がくるはず、と思いこみ、その塊をそのままトイレに流してしまいました・・・。
結局それしか出なかったわけで、そこに胎嚢が含まれていたため、結局染色体検査に出すことができませんでした。

色々な後悔が入り混じった状態で、翌日病院での診察を受けると、その若い男性医師が担当でした。
「今回は辛かったね」と言ってくれたので、思わずぽろっと塊をトイレに流してしまったことを後悔しているようなことを口に出し、流産も2回目だし流産の原因特定のためにも染色体検査もした方がよかったですよね…と言うと「他の先生はそういうだろうけど、僕はそうは思わないよ。これだけ初期の段階で発育が悪かったということはほぼほぼ染色体異常であることは間違いないし、だからこそ必ずしも検査が必要だとは思わない」とはっきりと断言しました。

後々私の不妊の原因は染色体異常が多いことが一つの要因だと推測されるわけで、染色体検査はもちろんやった方がよかったのですが、ただもうこの時はメンタルがわりとボロボロにやられていたので、その時に追い打ちをかけるようなことを言われていたら、しばらく立ち直れなかったかもしれません。

たぶん、この先生はそんな私の気持ちに寄り添うようなことを言ってくれたんだなぁと思います。
実際に、気持ちがとても楽になりました。
あの時私が本当に必要だったのは、染色体の検査ではなく、次の治療に向かうだけの気力です。

それ以外にも不妊治療においては判断を求められる時がありますが、その時も適切なアドバイスをたくさんしてくれました。
例えば2段階移植をするかとか、SEET法を導入するかどうか、など。
どういうことを聞いても、この先生ははっきりと自分の意見を言いながらも、それが全然押しつけがましくない、という絶妙なバランスで発言をするのです。
何というか、隣で一緒に走って、時にはリードしてくれてる感があるとでも言うか・・・。

治療に関しては患者が素人ですから、どうしても医師に意見を聞いておきたいことがありますが、中々聞きたいことをすべて聞けるかというと、どうもそれがとても難しいのです。
なぜコミュニケーションエラーがここまで生じるのかが不思議なのですが、聞きたいことを聞けて腑に落ちるという状態になるのが、医師と患者の間ではとても難しいことのように思えます。

ひょっとすると、それはお互いが諦めている部分もあるかもしれません。
「どうせ説明してもわからないだろう」
「どうせこれ以上説明してくれないのだろう」
不妊治療の場合、そのあとに看護師との面談がありますから、結局そこで聞けばいいや・・・と思ってしまうのも事実です。
(ただ結局看護師さんも忙しそうで、聞けない時があるというw)

この若い男性医師は、しっかりと専門家としての立場で意見をしながらも、患者一人ひとりを一個人として尊重してくれているような感じがありました。

一回目の採卵で取れた凍結胚を全て使い果たした時の妊娠判定日(陰性を言い渡された)も、たまたまこの医師でした。
その時も、このまま治療を続けて妊娠の可能性があるのか、現在の治療を続けることに対する不安があることを率直に伝えました。
その時も、「着床前診断ができるようになったし、僕はもう少しがんばってみてもいいと思うよ」とはっきり言ってくれました。
その一言で、はっきりと次の治療への気持ちに踏ん切りがつきました。
(着床前診断というパワーワードもあったけど)

苦手だった先生

逆に苦手だったのは、もう一人の男性のおじいちゃん先生です。
この先生は、とにかく威圧的というか、上からものを言う方でした・・・。
先生の説明がわからなくて質問すると、ちょっと呆れた感じで「アナタね、これは・・・」という調子で説明してくる。

しかも話の一部がちょっとわからなくて聞いただけなのに、話全部を理解してなかったかのように扱われるのも癪で、質問がしずらくなりました。
また、この先生はなぜか私の質問の意図が通じず、コミュニケーションエラーが生じることが多かったのです。
何となくですが、私個人の質問を聞いているのではなく、長年の経験から「患者はこういうことを聞いているんだろう」と勝手に解釈されて答えが返ってきてるよな感じさえしていました。

他の女性の先生とのやり取りでもここまでのコミュニケーションエラーを感じたことはありません。
ただこのおじいちゃん先生とは単に個人的に合わなかったということだけかもしれません。

コミュニケーションって難しい

こんなことをつらつら書きながらも、私自身がコミュニケーションが得意な方ではないので、とても人様のことをあれこれ言えたものではないのですw
ただ、治療における医師の発言って患者にとってはすごく大きなものだなと思って。

医者と患者の間で、患者側からコミュニケーションを改善しようと思うのは、多分とても難しいことなんじゃないかと思っています。
じゃあどうすればいいか、私は基本的に信頼できる医師にできるだけ診察してもらうようにする、という割り切った考え方です。

不妊治療は厳密に生理日から〇日後と指定される日もありますが、わりと〇日~〇日の間に受診してね、と言われることも多いかと思います。
その際はがんばって仕事の都合をつけて、できるだけ自分が信頼できると思う先生に診てもらう、これが一番近道です。

私の場合、一番信頼していたのは男性の若い先生ですが、さすがに週一勤務だと中々うまく当たらないので、とにかくおじいちゃん先生をできるだけ避けるように予約を取っていましたw
これだけで、だいぶ病院のストレスが違う。
何度も通わないといけない場所ですからね、ストレスは少ない方が絶対によいと思います。

(蛇足)病院の受付ってちょっと怖い・・・

これは不妊治療のクリニックに限ったことではないのですが、病院の受付のお姉さま方って気の強い方が多いな・・・と思うことが多々あります。
気のせいかな・・・。
私はあまり気の強い方ではないので、予約を取るときにごり押しなぞできず、受付のお姉さま方に負けてしまいますw
でもたまに、あ、だから気の強い人の方がちゃんと病院が回っていいのかな、と思ったりもします。。。
やっぱ気のせいかな・・・。

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