見出し画像

ふりかえりカンファレンス2022をふりかえる

2度目のふりかえりカンファレンス

丸一日、ふりかえりのことだけを考え、知り、見て、つくって、そしてふりかえるカンファレンス。2021年に初めて開催されたこのカンファレンスは、その第1回で予告されたとおり、ほぼ1年後に第2回が開催された。

初めてのカンファレンス・スタッフを経験

第1回では登壇の機会をいただいた。そして第2回は、スタッフとして本カンファレンスに関わった。第1回が楽しかったのと、どのカンファレンスでもいつも参加するか登壇するばかりでいつか恩返しをしたいという気持ちがあったこともあり、今回はスタッフに立候補した。

なので今回、私が「ふりかえりカンファレンスのふりかえり」といっているものの範囲はカンファレンスそのものも指すが、当日以前と当日以降のスタッフとしての動きも射程に含んでいる。

スタッフとして

顔合わせは11月。スタッフとして裏側からカンファレンスを支える、という初めての経験にワクワクドキドキいきいきしていた。

個々人のベストエフォートを尊重した参加スタイル

 3人の子持ちの朝は早い。子供たちがそもそも早起き、ということもあるが、学校や幼稚園って朝が早いのだ。できることなら6時、遅くても6時半には起きていないといけない。なので、なるべく夜は0時前に寝るようにしている。一方、ふりかえりカンファレンスのスタッフ業は水曜21〜23時が基本。これはちょっと、自分の生活サイクル的には厳しい時間帯だった。
 この点について相談すると「前半だけの参加でも全然いい」との答えが返ってきた。そして、実際半年間そのスタイルを続けたわけだが、嫌な顔をされるどころか「積極的に途中で抜ける人がいると、他に都合がある人も休みやすい」とポジティブな声までかけてくれる。子育て世代としてはとてもありがたかった。

とはいえ同期する時間は大事

 私以外のメンバーは、逆に21時からだと参加が難しく22時頃から参加、という方が少なからずいた。人が集まってきて盛り上がってきたタイミングで抜ける、というのが続くと、誰に責められているわけでもないのにそこはかとない申し訳なさが去来していた、というのは正直なところ。ここは、今すぐに解決策はないけども「タイムゾーンがあわない集団でうまく同期をとる方法」が編み出せるといいな、とおもっている。

みるみるMiroが上達

 今回スタッフとして参加し得られた副産物が、「Miroに熟達した」ということだ。初回の時点でMiroは活用していたが、今回は「あるといいもの」から「欠かすことのできない」ものへと変貌していた。ショートカットやテンプレートなどのTips、拡張することを意識したフレームの作り方などのノウハウが回を追うごとに身についていく。これは想定外の嬉しい副産物だった。

参加者として

ほぼ普通に参加者として参加

 当日はスタッフとして「みどり」レーンに張り付いていた。参加者のみなさんは、気づきや疑問をMiroに書き出していく。その書き込むエリアが狭くなりそうだったら事前に拡張する、といったなめらかにカンファレンスを楽しむためのサポーティングや、CoC(行動規範)に違反した書き込みがないか目を光らせる、といったことをしていた。(幸い、参加者のみなさんがCoCを理解したうえで参加されており、CoC警察の出番はなかった)

 ただ、スタッフとはいいつつも、普通にカンファレンス自体を楽しんでいた。参加者の皆さんがとても協力的で、また規範に沿って行動いただいているのでイレギュラーが発生しない。安心して最低限の作業をしながら、純粋にそれぞれの講演を楽しんでいた。

そして、事件はTHE MAKING of インプロふりかえりの時に起こる。

セッションへの乱入

 RSGT2022でも話題沸騰だった「インプロふりかえり」のMaking。このMakingでは、なんと参加者を巻き込んで実際に「インプロふりかえり」をやってみる、というエキサイティングな試みがなされていた。
 へぇ、面白そうだな。自分もふせん書いてみるか、と今まさに悩んでいることを書き出すと・・・

 なんと、私が書いたふせんがとりあげられ、私が実際にインプロふりかえりを経験することになった。これには困ってしまった。いや、インプロふりかえりにはかなり興味があったのでとても嬉しかったのだが、「お前スタッフなのに何やってるんだ」という心の声が聞こえてくる。私がマイクとカメラをオンにすると、登壇者の一人であるRyoさんが戸惑っていることが伝わってくる。ごん、おまえだったのか・・・ 

奥深いぞインプロふりかえり

 そんな感じで申し訳なさと当惑がありつつも、ここで変に躊躇って身動きしないのが一番迷惑だ。こうなったら真剣にインプロふりかえりと向き合ってみようじゃないか、と飛び込んでみた。
 はじめてのインプロ。はじめてのOne Word。難しい。おもしろい。そして、何度もAgainしながら、だんだんと相手のことが見えてくる・・・インプロふりかえり、おもしろい。これはまたぜひやってみたいし、インプロについて学んでみたい、という気持ちが湧いてきた。

インプロふりかえり後日談

 カンファレンス終了後にDiscord上で登壇者のお二人とお話させていただく機会があった。インプロの意義、半端に広めると「面白さ」だけが伝播してしまうから難しいということ、など実践者だからこその話をきけて、とても勉強になった。また、Ryoさんからは率直なフィードバックもいただけて、本当にありがたかった。どこかでご一緒したいし、恩返ししなきゃな、と思っている。

2週間経って

 カンファレンスが終了してから、気がつけば2週間も経過していた。カンファレンス当日に巻き起こるある種の熱狂が過ぎ去り、ある程度冷静になったこのタイミングで、あらためてふりかえってみたい。

「どうふりかえるか」から「ふりかえりでどう変わったか」へ

 今回印象的だったのが、カンファレンスのフォーカスが「どうふりかえるか(手法の紹介)」よりも「ふりかえりでどう変わったか」に質的変化を遂げていたことだ。少なくとも私はそう感じた。 
 どうやってふりかえりを始めたらいいか。どうやってふりかえりを続けたらいいか。そのふりかえりを続けると、どう変化していくのか。ふりかえりを実践する現場が広がっていく中でそのようにふりかえりとの向き合い方が変遷してきているのだろう。

オンラインカンファレンスネイティブな人々

 講演はZoomで、チャットをDiscordでこなしながらMiroでもやりとりをする。練度の高い、オンラインカンファレンスネイティブな人々が当たり前のようにDiscordでもMiroでもコミュニケーションし、Miroではそのコミュニケーションの広がりが視覚的にも表現されていく様は圧巻だった。
 しかし、複数のツールが提示されていたこのカンファレンスは、不慣れな方には少しとっつきづらかったかもしれない。実際、もしスマホで参加していたとしたら、PCであっても画面が1画面しかなかったとしたら、フルでツールを使いこなすことは難しいだろう。このツールや事前準備のまわりはもう少し練り上げられるような気がしている。(慣れちゃうと、今のやり方が相当に楽しくはあるのだが)

ふりかえりカンファレンス2023に向けて

 やはり、丸一日ふりかえりについてとことん語り合うカンファレンスというのは貴重でクレイジーな存在だ。早くも来年の開催がアナウンスされているので、来年も参加しようと思う。
 プロポーザルを出すのか、スタッフとして参加するのか、1参加者なのか。今時点では何も決めていないが、参加するということだけは決めた。

 いかなる形で参加するにしても、今からやっておかなければいけないことがある。それはもちろん「ふりかえり」だ。いや、いつもやっていることではあるのだが、「ふりかえりカンファレンス」の存在を意識をしてふりかえることで、ともすると内向きになりがちなふりかえりに外向きの目線をもたらすことができるのだ。ふりかえりカンファレンスを見据えてふりかえり続け、何か見えてきたらまたプロポーザルでも書こう。

では今日はこのへんで。皆様、よいふりかえりを。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?