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Oculus Quest 2が届いたのでタイムトラベルしてきた #OculusQuest2

初めてのVR機器

いよいよ発売されたOculus Quest 2。
そろそろVR体験してみたいなーと思っていたところにタイミングよく発表されたので、すぐに予約し発売日を心待ちにしていた。

マリオカートライブと同時に届き、はてどちらから体験するべきか…と迷ったが、結局Oculus から体験することにした。

アプリとのペアリングで悪戦苦闘

充電し、Wi-Fiとつなぎ、さて始めるぞ!という段になってスマホアプリとの連携が求められる。
予めアプリは落としてあり、準備万端。…なのだが、全然ペアリングできない。
公式サイトに対策を試みても改善しない。
これはお高い文鎮を買ってしまったか…!?

ダメ元でアプリを再インストールしたところ、先程と画面が違う。
ストアでは「更新」が表示されなかったのに、あきらかにアプリのバージョンが違う。
今度はすんなりペアリング。ようやくVRの世界にたどりついた。

もうひとつの世界がそこにある

ゴーグルを覗き込むと、そこには日本家屋のような風景、それもかなり広がりがある空間があった。
こればかりは体感しないとわからないが、たしかにそこにあるのだ。
これはすごい。

タイムマシンに乗って

さて、実はVR機器を買ったらやってみたいことがあった。
それは、ストリートビューを使って妻の実家へ訪問すること。それも、現在ではなくある時点の、過去のその場所へ。

Oculus Quest 2のWanderは、そういうことができるソフトウェアだ。Google ストリートビューがまるで目の前の現実のように映される。そして、ストリートビューカーが走ったことのある過去の画像へ遡ることもできる。

妻は熊本の生まれだ。熊本は、2016年に大きな地震に見舞われた。
一度大きく揺れ、翌日また大きく揺れたあの地震は記憶にある方も多いだろう。

妻の実家は、この2度目の地震が致命傷となり建て直しを余儀なくされた。

長年暮らしてきた家が不可抗力によりなくなってしまう。今は綺麗な新築の家が建てられているが、妻は時々、寂しそうな表情を浮かべる。

決して過去に戻れるわけではない、家は戻ってこない。でも、その姿をもう一度見られたら。

それはたしかに目の前に存在していた

よし、熊本に行くぞと意気込んだものの、慣れないOculusの操作と悪戦苦闘。間違ってランダムボタンを押しイスタンブールに飛ばされるなど試行錯誤を繰り返しながら、ようやく目的地に到着。
時間を、2012年まで戻す。

そこに、家はあった。

自分にとってはそこまで馴染みのある家ではない。生家ではないのだ。
それでも、その家の姿をみたときにはこみ上げてくるものがあった。
初めて実家に挨拶にいったとき、せっかくスーツを着ていったのにいきなり風呂に通され武装解除されたこと。
一人目の子供が生まれ、右も左もわからずてんやわんやだったこと。
数えるほどしか訪問していない私でさえ、胸に迫るものがあった。

そしていよいよ、妻に見てもらう。
妻には、ただVRのコンテンツが面白いからみなよ、とだけいってゴーグルを渡す。
妻、ゴーグルをかける。顔を上げる。
すぐに自分の家だと気づく。
そして、「あっ…昔の家だ!!」と、気づく。

Wanderはストリートビューをもとにしたアプリだ。ストリートビューでも、同じようなことはできる。
しかし、Oculus Quest 2で見る体験はモニタ越しのものと文字通り次元が違う。そこに確かにあるのだ。

久しぶりに家を見ることが出来た妻は、心底嬉しそうだった。しばらく家の周りを散策していた。
その嬉しそうな姿を見ながら、VRは過去と現在を繋ぐタイムマシンのような役割も果たせるのだ、ということに感動した。

日本は災害が多い国だ。今はもう見ることができなくなった風景は、日本中に存在している。
しかし、現代においてはその時代の風景はストリートビューによりスナップショットされ、VRによってあたかもそこにあるかのように復元できるのだ。
これは本当に画期的だし、胸に迫るものがある。
一種のセラピーにもなっていくかもしれない。

いつかきっと、今をふりかえる。

ひとしきり妻の実家まわりを散策したあと、今度はいま住んでいるあたりに飛んだ。
さすが東京、更新頻度が高い。1年、2年は遡って行くと…
そこには、まだ幼稚園に入りたてだった長女と、まだ妻におぶさっている長男がいた。なんということだ。
これは、10年少しして子どもたちが独り立ちしたころに観た日にはきっと泣いてしまうだろう。

なんとなく面白そうだ、くらいの気持ちで手に撮ったOculus Quest 2。
私の家族にとっては、とても意義深い体験をもたらしてくれた。テクノロジーが世界をよいほうに変えていく。エンタメ全フリのようなVR技術からもそれを実感できるということに、いたく感動したVR初体験の夜だった。

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