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スクラムフェス三河2022に参加&登壇してきました

じゃんだらりん

今回で第三回となるスクラムフェス三河に、初めて参加してきました。このnoteでは参加したセッションの感想、そしてイベント全体への感想を綴っていきます。

近年、ローカルスクラムフェスが盛んに開催されています。新潟、大阪、仙台、そして今回の三河。来月には札幌、年明けには福岡でも開催される予定とのこと。

三河は土地柄もあって「製造業」にまつわるセッション、参加者が多いのが特徴的です。キーノートにもそのカラーは如実にあらわれており、デンソー、そしてご自身の「スズキマンジ事務所」に籍を置く鈴木万治さんが登壇されていました。

Keynote「違う人材の共創が世界を前に進める」 ~スーツとハッカー互いにリスペクトする世界~

鈴木万治さんの自己紹介から始まったこのセッション。しかし、自己紹介の時点で我々の心は掴まれていました。誰もが知るあの事業に関わっていたんだ、だったり、「失敗は成功との分岐点ではなく、成功への道程である」という考え方だったり。

農家にCTOがいるアメリカ、テスラのギガプレス。様々な事例を聞きながら世界の広さを知り、変化の時代には矢印が反転するという言葉に身を引き締め、異物を飲み込めというメッセージに勇気をもらう。この二日間のトーンがピシッと定められた、素晴らしいキーノートでした。

そして、現地の熱量を浴びて、その場でしか得られないものがあることを改めて確信。2日目は全部、CLUEトラック(現地会場)に参加しよう、と決めました。

消えたかったのにごめんなさい(弱虫が重ねる小さな小さなイノベーション)

2日目のCLUEトラック、トップバッターはeroccowaruicoさん。これまで何度かセッションを拝見してきましたが、生で観るのはこれが初めて。

ダニングクルーガー効果やインポスター症候群が丁寧に紹介され、徐々に内面へと踏み込んでいったセッションは途中で文字通り暗転。予想だにしない展開に、会場はどよめいていました。いや、どよめいていいかさえわからず沈黙が訪れたというのが正確な表現でしょう。

eroccoさんが問いかけているのは自分自身に対してのようにも見えるし、我々にもこの混沌をつきつけることで内省を促しているようにも感じられる。とにかく、これは体験しないとわからない、確実に爪痕を残すセッションでした。

製造業の開発者がエンドユーザーを交えた週次スプリントレビューをする中で試行錯誤したこと

ここから、製造業の現場でスクラムをどう実践したか、という正統的なスクラムフェスのセッションが続きました。

東京エレクトロンのお二人によるセッションは、しっかりとユーザーをスプリントレビューに巻き込んでスクラムを実践していることが伝わる良セッションでした。そして、徐々にほぐれてきた口元から「ぶっちゃけた話…」が飛び出してくると、会場は大盛りあがり。多くの人も似たようなことを経験してきた「あるある」がどんどん出てきて、共感と笑いが渦巻く45分でした。

ランチ

手筒花火弁当

開いた瞬間に「花火だ!」とテンションがあがる弁当。味も最高。スクラムフェスに参加していると弁当は出て当たり前、と思いがちですけど、こんなの全然当たり前じゃない。いたれりつくせりです。感謝。

ここからはいくつか20分セッションが続きました。

スクラムに挑戦したい…けどWBSは作ってね!?ユーザ企業とSIベンダでスクラムチームを組むときに押えるポイントを考える

タイトルから、わかりあえない関係性の中でもがく話かとおもっていました。それは当たらずとも遠からずですが、制約がある中でも教科書どおりにスクラムを実践しようとする実直な姿勢、そして対話のためにWBSを排除せず、きっちりむきあっている点が素敵でした。

品質ガチ勢の質問コーナーも、とても見応えがありました。

スクラムPJを通して気づいた当たり前で大切なこと

なんと、スクラムフェス三河皆勤賞だという藤田さんのセッション。混乱期どころか大混乱期を迎えた、という話や、どんなときでも「チームは固定」などおさえるべきポイントをおさえた話など、このセッションだけでも深い学びがありました。さらに、Discord上でときおり顔を出す過去のセッションの話からどのようにアップデートしていったかを垣間見ることができました。これってリアル登壇だけだとなかなか難しい、ハイブリッド登壇ならではの良さだな〜と思います。

10年スクラムの学習をしてきたけど、スクラムマスターは簡単ではなかった話し

「アジャイルとの出会いはアジャイルサムライ」ーー。
その一言は、会場のボルテージを最高潮にもっていくには十分すぎるものでした。

スクラムをちゃんとやろうとするがゆえにスクラムマスターとして場を引っ張りすぎてしまう。Obey Scrum Master現象。ここから一度、チームは崩壊してしまったという話が赤裸々に語られました。すごい。。。

なんというか、分解だったり解散だったり、ともすると所属する企業からNGが出てしまいそうな内容がバンバンでてくるのがスクラムフェス三河の特色なのかもな・・・とこのあたりで気づきました。

アジャイルは導入できず、カイゼンもできず、会社を去った人のその後

タイトルが全てを物語っている。

このセッションでは木﨑さんが現場で経験されてきた事実、そのときにどのような疑問を抱いていたのか、どう思っていたかという感情を並べたかたちで進行していった。感情を扱っているからか、徐々にあがっていくボルテージ。熱い思いが伝わってきて、抱える課題は違うものでも気持ちには共感せざるを得ない、そんな参加者が多かったように感じます。

個人的に、このセッションが2日目のベストだったかもしれません。

OKRはツリーではない

自分の発表なので詳細は割愛。ここで話したことは唯一絶対の正解ではなく、引用している文献に対しての解釈も必ずしも正しいとは言い切れません。ただ、自分自身が学んだ、経験した、現時点での自分なりの最適解がこのセッションです。

スライドだけご覧になった方は、いつか動画もご覧になってください。

人と技術のモダナイズをScrumで実証してみた

最後の最後に、また会場のハートを掴み、人によっては嫉妬すら覚えた実践例が投下されました。

8スプリントで彼らがたどり着いた境地。そのふりかえりで得られたこと。本人が本当はやりたいこと。でも、いま使命感をもってやっていること。きっと、参加した人はみんな、「自分たちもやらなきゃ!」という熱い気持ちになったんじゃないでしょうか。

三河はエモい

あっという間の2日間。CLUEトラックが特にその色が濃かったのかもしれないけれど、製造業xスクラムの話が多く、ある業界におけるスクラムの実践例を多角的に垣間見ることができ大変勉強になった。そして、エモい。

今回、縁もゆかりもないスクラムフェス三河にプロポーザルを出すきっかけとなったのはAckyさんとまつしゅーさんだ。二人がスクラムフェス新潟で声をかけてくれなければ、登壇はおろか参加も検討しなかっただろう。これだけ最高の体験を逃していたとしたらもったいない、本当に誘っていただいてよかった。

そして、スクフェス新潟のアレみたよー、とか、本読んだよー、とか温かい声をたくさんかけていただいた。そういった意味でも、三河はエモい、と自分の中に刻み込まれている。

これで縁はできた。来年もプロポーザルを出そう。採択してもらえるよう練り込んで。おっと、そのまえに実践だ。実践し、価値を創出し、学び、その先にプロポーザルがある。ひとまずは自分の現場に戻って、いきいきワクワクと働いていこうと思った。

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