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学びを深めるCelebration Grid:効果的なふりかえり法のポイントとコツ


Celebration Grid

Celebrationという言葉が示すように、このフレームワークはチームが得た学びを祝い合い、そこからさらに学んでいくためのフレームワークです。

このCelebration Gridでは、横軸でふるまいを分類し、縦軸でふるまいの結果の成否を分類していきます。

ふるまい(BEHAVIOR)

  • ミス(MISTAKES): 何かしらの誤った行動

  • 実験(EXPERIMENTS): 今までやったことのなかったこと、チャレンジしたこと

  • プラクティス(PRACTICES): ルールや習慣にのっとって実践した行動

結果(OUTCOME)

  • 成功(SUCCESS)

  • 失敗(FAILURE)

実施例

 Management 3.0のCelebration Gridの図をもとに作成

まず、ふりかえり対象期間でどのようなふるまいがあったかを思い出します。ふるまいをMISTAKES/EXPERIMENTS/PRACTICESで分類し、それが結果として成功だったか失敗だったかを考え、マッピングし、チームで共有していきます。

学びを最大化するために

Celebration Gridでの学びを最大化するために、実施前にやっておきたいこと、実施後に試したいことについて解説します。

準備1: スコープを定める

Celebration Gridで話題にするトピック、期間を明確にしていきます。チームがスプリントの始めにコミットしたゴールにフォーカスするのか、個人的な活動もスコープに含めるのか。スプリントのみを対象とするのか、もう少し広い期間で見るのか。

「特定のトピックを深堀り」するならスコープはなるべく狭いほうがいいですし、「自分たちの状態を俯瞰してとらえる」ことを目指したいなら広めにとるといいでしょう。(深堀り、俯瞰については後ほど解説します)

準備2: 安心して話すことができる状況をつくる

「ミス」についても共有していくことになるので、参加するメンバーが心理的安全性を感じられるような場づくりをしましょう。ファシリテーターが率先して「しょーもないミス」を開示しておくと、「ああ、このくらいのレベル感のミスも共有していいんだ」という認識づくりに役立ちます。

実施後1: 深堀りする

メンバー共通の関心事を掘り下げたい場合は、Celebration Grid実施後に「もっと話したいこと」を募っていきます。Lean Coffeeを実施してもいいですし、もっとライトに「この中で、もっとみんなで話したいことはなんですか?」という問いかけから始めてもよいでしょう。

実施後2: 俯瞰する

自分たちがいまどういう状態になりたいか?を知りたいのであれば、ボードを俯瞰して眺める時間をとりましょう。そうすると様々なことが見えてきます。

  • FAILUREが多いが、EXPERIMENTSもかなり多い

    • 実験することができる環境になっている

    • 打率を上げるために何ができるか?を考える

  • SUCCESSが多く、PRACTICEがほとんど

    • チームがやるべきことを出来ている

    • 新しいことにチャレンジするタイミングだと考えられる

    • 「熱気球」など未来の視点を引き出す手法で、これからどうしていきたいかを考える

  • MISTAKESが多い

    • もしかして疲れてる?士気が下がってる?

    • 象、死んだ魚、嘔吐などでチームの中に眠っているネガティブと向き合う時間をとる

これはあくまで一例です

学びを最大化する方法について解説してきましたが、唯一にして絶対の正解ではありません。
みなさんの現場にフィットする方法は他にあるかもしれません。

いろいろ試して、学びを祝いあおう!

この手法に興味を持っている方は、きっと学ぶ意欲が旺盛な方なんだと思います。ぜひいろいろ試してみてください。うまくいかないこともあるでしょう、でもそれはそれこそ「EXPERIMENTS」で「FAILURE」、ラーニングゾーンにある行動と結果なのです。
どんどん失敗して、試して、学びを祝い合っていきましょう。


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