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断固たる決意をもって、雑談する。

こんなとき、どうやって元気を出そうか。

猫も杓子もCOVID-19の話題で埋め尽くされている。インターネットでも、テレビでも。いや、私生活にさえ生活必需品の欠如、勤務体系の変化、そして外出自粛という形で食い込んできている。いやでも意識するし、気分は沈んでいく。

いまだかつてないほど「年度が変わった」実感がないまま、私達は2020年度を迎えた。昨年度は「ついに元号変わるね」という祝祭感、それにより万葉集が売り切れになるなど多幸感に溢れた4月だったと記憶している。

しかし今年はどうだ。本来ならば、オリンピックパラリンピック開催の年として、華やかなスタートを切ったはずではないか。それなのにスクランブル交差点は閑散とし、私は居酒屋ではなく自宅でビールを空ける。

日々閉塞感が強まっていく中、DevLOVE主催者の市谷さんから連絡があった。

こんな不安なときだからこそ、リモートワークでみんなどんなふうに仕事してるか、明るく話せる場が大事だと思うのです。devloveでリモートワークになった現場の発信しましょう!

そして、連絡をもらった2日後に、我々はPCの前に陣取り「いちばんやさしいリモートワーク」の場を立ち上げた。

顔の筋肉を使わない日々

会が始まる少し前、市谷さんと接続の確認や段取りのすり合わせなどを行った。このとき、久しぶりにみた市谷さんの表情は若干強張っていたように思う。

市谷さんといえば(先日退任を表明されたが)ギルドワークス。フルリモートの会社だ。それでも、今回の「そもそも外出すらしない」環境でのリモートはなかなか経験がなかったとのこと。「顔の筋肉全然使ってない」というのは印象的だった。

効果云々以前に、楽しい

会が始まって、まず感じたのは「楽しい」ということだ。

私の会社も、いまはリモートに移行している。その中で、毎日ビデオ通話は行っている。いちおう、顔を見ながらのコミュニケーションはしているのだ。

しかし、従前偶発的に発生していた、「給茶機にお茶を取りに行ったときの雑談」「エレベーターでの雑談」「飯食いながらチームメイトと談笑」こんなのは全然発生しなくなっていた。

久しぶりにバックログ、ビジョン、スケジュールなどと関係のない話ができたというのは、予想以上に楽しかった。

みんなが変化の渦中にいる

後半のブレイクアウトセッションでは、「リモートになってからPocket Wi-Fiを契約した」という人がいたり、「サボる人はいませんでしたか?」なんて突っ込んだ話がでたり、かなり盛り上がった。

全員、初対面である。しかもリモートである。

それでも皆、変化の渦に巻き込まれた結果、共通の話題が生まれた。なにより、会話に飢えていたのだ。

終わるころ、Zoomの画面には笑顔が広がっていた。「顔の筋肉を使っていない」といっていた市谷さんもほころんでいる。

雑談の威力を感じ、なにより楽しいひとときだったという満足感を得て、この雑談スモールトークは幕を閉じた。

断固たる決意をもって、雑談する。

今日のDevLOVEに参加し、改めて雑談というものの威力を知った。威力というか、人間は本質的に他人とつながらないと生きていけないものなのだろう。その繋がりの手段として、雑談は重要なんだろう。

私の会社でも、事業責任者が率先して雑談ルーム(meets上)をつくるケースがあるなどここにきて雑談を重要視する動きがある。

セレンディピティが生まれない、信頼関係が育まれない。そういう実務的な背景もあろうが、もっと根本的な部分で雑談は必要だと感じている。

土曜日の昼下り、ほぼ初めての人たちと雑談しながらそう確信できた。そんな素敵な機会をくれたDevLOVEに、市谷さんに感謝したい。

願わくば、つぎはビールを片手に、断固たる決意をもって雑に話したい。

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