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エンジニア組織を強くする開発生産性の教科書を読んだら筋トレしたくなった


開発生産性の教科書!

開発生産性カンファレンスの大盛況ぶりからもわかるように、近年、開発生産性への注目度は高まる一方です。そんな中、満を持して出版されたのが「エンジニア組織を強くする 開発生産性の教科書」です。

執筆されたファインディの筋肉CTOまさたんこと佐藤さんがすでにブログで紹介されていますが、一読者目線でも感想をしたためておこうと思います。

私がなぜこの本を手に取ったのか

開発生産性については常々興味をもっており、自分自身が取り組んできたことについて外部に発信もしています。

ある程度開発生産性について知っているつもりではいるけれども、自分自身の体験でしか知らない。そんな中、開発生産性のプロ中のプロともいえるファインディさんから、しかもCTO自ら筆を執った本が出るということで、これはぜひとも読んでみたいと思い、手に取った次第です。

Why->How->Whatでの構成

全9章+Appendixの本書は、おおまかに以下のような構成になっています。

  • Why なぜ開発生産性向上に取り組むべきか

    • 第1章

  • How 開発生産性をどのようにして向上させるか

    • 第2章

    • 第3章

    • 第4章

  • What 開発生産性が向上することで何が起こるのか

    • 第5章

    • 第6章

    • 第7章

    • 第8章

    • 第9章

  • Appendix

この構成がとても良いなーと思っていて、そもそもなぜ開発生産性を向上させなければいけないの?という点に共感(1章)したうえで方法論を学び(2-4章)、実際に開発生産性を向上させた現場がどう変化したかという事例(5-9章)を知ることになります。とてもよいー。

超・個人的推しポイント

前述のように、まず構成がよいです。ここでは中身の推しポイントを紹介します。

DevOpsの歴史をざっくりつかまえられる

1.5では2013年からのState of DevOps ReportをもとにDevOpsの歴史をふりかえっています。経年でどのように変化してきたか概観を掴むことが出来て、コンテキストを理解するのにとてもよい。

生産性向上の阻害要因に対し踏み込んでいる

ある時点で有効だったスキルが陳腐化してしまうこと、日本における経営者の多くはエンジニアリング未経験だから、理解してもらう努力を払わないと重要性をわかってもらえないよ、など、結構踏み込んでるなー、大事だなー、って思いました。

各社の取り組みが紹介されている

何がいいって、どの会社も解決したいことがあって、そのために開発生産性向上に取り組んでるんですよね。副次的なものをふくめどのような効果があったかが紹介されているのは、いままさに開発生産性向上の取り組みに悩んでいる現場の背中を押すものになりそうだなーとおもいました。

Appendixが良い

Appendix、特に一つ目のLLMのAppendixはぜひとも読んでおきたいところ。今後、開発生産性を語る上でLLM活用は避けて通れないものになるでしょう。実際、すでにCopilotの活用で劇的に生産性を上げている現場はあるわけで、こういった事実を知るということも本書を読む大きな意義の一つになると思います。

まさに開発生産性の教科書

本書でも言及されているとおり、やみくもに開発生産性を向上させようという動きは、価値を生み出さずそれでいて現場を疲弊させかねないリスキーなものだったりします。だからこそ、いきなり手を動かす前に、本書で開発生産性とは何か?をおさえておくとよいんじゃないかなーと思いました。

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