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ワクワクする目標をつくることは、なぜ難しいのか #目標づくりガイドブック #OKR

目標づくりに関する本を出版します

2024/07/22に、翔泳社より「アジャイルチームによる目標づくりガイドブック」が出版されます。

出版までの間、不定期で本書についてnoteで発信していき、どういった背景、プロセスで本書が執筆されたのかを紹介します。このnoteを通して、さらに本書に興味を持ってくれる人が増えたらうれしいなーと思っています。一連の投稿は下記マガジンにまとめていきます。

今回は、ワクワクする目標をつくることの難しさについて考えてみます。

そもそも、なぜ「ワクワク」したいのか

ワクワクする目標をつくる難しさについて考える前に、そもそもなぜ「ワクワク」したいのか、について考えます。

ワクワクする目標。目指さずにはいられない目標。モチベーションを掻き立て、困難があっても乗り越える力を生み出す目標。
高い目標の達成を目指すことには、当然ながら一定の困難が伴います。このときに、自分の内側から「あの目標はぜひとも達成したいんだ」という動機が湧き上がっていれば、その困難を乗り越えるために行動していくことができます。だから、ワクワクした目標を設定することに意義があるのです。

ワクワクするとき、しないとき

古今東西、様々なモチベーション理論が存在しています。マズローの欲求段階説、アージリスの未成熟=成熟理論、目標設定理論などなど・・・。
これらの理論の共通項から、ワクワク、またその逆のシナシナをつくるものは以下のようなものがあるとわかります。

様々なモチベーション理論を参考に作成した、ワクワクとシナシナの源泉

適切な報酬があり、自律性を発揮できていて、チャレンジングで、インパクトがあり、周囲から認められている。ワクワクしますね。
報酬がない。やらされ仕事で、簡単すぎたり逆に難しすぎたり。なんのためにやっているかわからず、仕事に対してのフィードバックもない。シナシナしますね。

ワクワクするために必要な条件がわかりました。自分個人の観点で「どうやったら自分はワクワクするか」を考えると、おぼろげながら「こういう目標ならワクワクするかも」というのが見えてきます。

やりがいを感じるポイントは人によって異なる

目標設定を主導する立場の方(経営、管理職、リーダーなど)は、組織の成長だったりビジョン到達だったりがやりがいと直結しているため、会社の成長とワクワクがつながっています。

ここに、ワクワクする目標を持つことの難しさがあります。目標設定を主導する側からすると、自分たちが設定した目標で十分ワクワクしている。メンバーがなぜノッてこないのかわからない。やる気がないのか?じゃあやる気を引き出さなくては・・・。

何に対してやりがいを感じるかは人によって異なります。(ピープルウェアでもふれられていましたね)

会社の成長がワクワクに直結する人もいれば、新しい価値を創出したり困難な課題を解決することにやりがいを見出す人、乱雑になったプロセスを整備したり技術的負債を解消していく営みがモチベーションになっている人、様々な人がいます。そう、マネージャーやリーダーにとってはいまいちやりがいを感じられない仕事に対してやりがいを感じているメンバーだっているわけです。

この、他人の帽子を被ってその目線で「やりがい」について考えることは決して簡単ではありません。そもそも自分と相手が違う帽子を被っていると気づいていないことさえあります。

だから、「目標づくりガイドブック」では、そういった他者の目線をもつことの大切さや、実際に他者の視点をもつために有効なプラクティスについて紹介しています。

それぞれのやりがいを尊重しながら同じ山を登ろう

それぞれ、やりがいを感じるポイントは異なります。それぞれがワクワクするようなポイントを探り、言語化し、それでいてチーム・組織が目指す方向にみんなで向かっていく。それができているチームは、驚くようなパフォーマンスを発揮して目標に向かっていくことができます。

本書が、そういったムーンショットな目標に向かっていくチームの役に立つことを願っています。



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