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第3回AI人工知能EXPOの雑感

変化を感じた第3回

2017年6月に第1回が開催されたAI人工知能EXPOだが、この4月に第3回が開催された。
相変わらずの盛況ぶりで、講演が終わった直後などは会場で身動きできないほどだった。

会場を歩いていて感じたのは「チャットボット、増えたなぁ」ということだ。
以前は画像処理や音声合成のデモや「AI導入お手伝いします!!」みたいなものが多かった印象だが、チャットボットの存在感は明らかに強まっていた。

これはなぜかと考えたが、恐らく「AIでできること」を技術主導でアピールしていくプロダクトアウト的発想から
顧客が「AIでやりたいこと」「AIで実績がでたこと」にフォーカスしていくマーケットイン的発想にシフトしてきたからではないだろうか。

個人的にはGoogle, Amazon, Microsoftあたりのサービスを使えばある程度自分で作ることが可能なチャットボットの開発を請け負う仕事にニーズがあるのは不思議に感じた。
(特にMicrosoftのCognitive Servicesなどは非技術者でも扱えるレベルである)

対象の幅が広がった感のある講演

基本的にひとつの時間帯にはひとつの講演しかない構成だったこともあり、基本的に全ての講演が満席(数千人規模)になっていた。
ここでも変化の兆しがあった。
これまではどちらかというと「AIって何?」「AIでどうビジネスするの?」というAIビジネスの入り口に立ったようなものが多かったが
今回は実際にAIをビジネス化した当事者たちの話を多く聴くことができた。
一方で従来あったような入門的なセッションも半数近くあった。
難点は事前にそのレベル感がわからないことで、
初級中級とか必要な前提知識とかそういう情報があれば自分にとって有益な講演かどうか判断しやすくなるのではないだろうか。

中国勢の存在感

今回の講演でひときわ存在感を放っていたのが、アリババとiFLYTEKだ。
AI使ってみましたというレベルはとうに過ぎ去り、AIを中心に据えたエコシステムがビジネスの中心に鎮座している。
iFLYTEKのAI翻訳ガジェットは相当に魅力的だったし、それゆえ驚異に感じた。

「勉強しましょう」が連呼される

印象的だったのは、何人かの講師が異口同音に「AIについてもっと勉強しましょう」と呼びかけていたことだ。
なにか儲かりそうだから、話題だから…そんなゆるめの動機で参加する人がAIまわりで増えていることは間違いなく、またそういった新規参入はとても望ましいことなのだが
そういったエントリー地点にいる人たちがなかなか勉強しないことに危機感を感じているのかもしれない。

シンギュラリティは近い

これも複数の講師が異口同音にいっていたことだが、AIの進歩はエクスポネンシャルであるとのこと。
一部、人間を上回る部分が出てきていることは確かであるし本当にシンギュラリティは近いのかもしれない。

願わくばAIに振り回される社会にはならんことを、と個人的には思うがそのためにはまず「勉強しろ」だろう。

第4回への期待

ここまで盛況だったことを考えると、ほぼほぼ第4回は開催されるだろう。
・受講票などの電子化
・AIを活用した運用のスマート化
・セッションレベルの設定、複数セッションの並行開催
・手を動かすハンズオンの実施
こういったことが実現されると、EXPOそのものでAIの発展を感じることができる体感型EXPOに進化させられるのではないか。

というか、である。

AIが云々っていっておいて講演の受講票をメールで印刷させたり
係員が目視でバッジ確認したり
トラフィックコントロールが全くできておらず大混雑が発生したり
こういった環境でAIの先進性を感じることはなかなか難しい。
ぜひとも骨の髄からAIの可能性を感じることができる、ビジネス的なつながりもうまれる、そういう第4回になることを願って末筆とする。

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