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Tommyさんの「その自律型組織、オレでなきゃ見逃しちゃうね!  〜マネージャー不在のチームはここにある〜」に参加してきた

はじめに

こんなイベントが開催されるなんて、オレでなきゃ見逃すところでした。

というわけでみんな大好きTommyさんがDevLOVEに降臨した神イベントのレポートです。

アジャイル実践者たちによる自律型組織の実際

RSGT2023は500人規模が参加するイベントでした。しかもハイブリッド、オンサイトとオンラインをつなぐ必要がある。そのようなイベントにもかかわらず、そこには指示らしい指示がなく、お願いすらも(Tommyさんの観測範囲では)なかったそうです。

「これが噂の自律型組織!」

では、指示もお願いもなく、どのように仕事が進められていったのでしょうか。

指示、依頼、要請よりもバックログとバックログ型コミュニケーションを

なにかやるべきことが発生したとき、誰かが指示し、依頼する形で処理することはなかったそうです。バックログとして浮上し、サインアップ形式で作業が進められていく。そのためコンフリクトがない。

では、何がそのコミュニケーションを可能にしていたのか?

安定したチーム

RSGTのスタッフは安定したチームで、新しいスタッフは2割程度。新しいスタッフもほとんどがRSGTに参加経験がある方とのことでした。イベントのありかたを知っている人たちだからこそ予測がつき、指示せずとも行動できる。

それゆえ余白が生まれ、新しいことを進める原動力になっているとのことでした。すごい!

もうひとつの安定したチーム、品川アジャイル

「これ品川アジャイルと一緒なんですよね」ーー。そういいながら、Tommyさんはスクラムフェス新潟における品川アジャイルの配信の裏話を紹介してくれました。初めての機材を目の前にしながらYoutube配信をする。これが、その場での気付きからどんどん新しいことをやっていったようです。

  • 雑談を始める

  • これ、丸一日は持たないぞ!と気づく

  • ゲストを捕まえよう、となる

  • 一日のゲストができていく

意欲に満ちた人々を集めてプロジェクトを更生します。
環境と支援を与え仕事が無事終わるまで彼らを信頼します。

アジャイルマニフェスト

アジャイルマニフェストを体現するベテラン実践者たちの矜持を見た思いです。

ゆとり

「いかに仕事をしないかを競い合う文化がある」。フロー効率を重視し、来場者の体験価値の最大化にフォーカスすることで自然とそこを目指すことになる。スタッフがゆとりをもっていて、来場者の体験価値が最高なのであれば、こんなにいいことはないですよね。

価値観、ビジョンの共有

「なにかを押し付けられることはない。価値観、ビジョンの共有がある。普通の企業では判断のブレがないようにルール化などに走り複雑化していくが、RSGTはそういう方向ではなくひたすら価値観の共有をしている」。

これはかなり希望のある話で、アジャイルマニフェストの価値観が絵空事ではなく、500人規模の参加者をさばくコミュニティで有効に機能する実にプラクティカルなものであることを示しています。

マネジャー不在

「コロナ禍において判断したハイブリッド開催。誰もやったことがない。夜な夜なフォートナイトをやる中で出てきたアイデアから、だんだんと実験していった。遊んでいたような感覚。オンラインのツールの実験をしていました。」

先日のデブサミでの川口さんの話でもハイブリッドカンファレンスの裏話がありましたが、今や当たり前になっているハイブリッドカンファレンスは達人たちの「遊ぶように真剣に実験する」営みから生まれていったことがわかります。

公演中でTommyさんが紹介していた「自分ができないことを発注できないじゃないですか」という川口さんの一言には、ハッとさせられました。

スコープの調整

積まれたタスクは、やらなければいけないものという意識を喚起します。けれども、それを積んだ人さえも手を出さない、誰もやらないとしたら?

「やらなくていいんじゃない?」

この一言が出てくる組織。逆に、無批判に「やらなきゃ」となっているのは自律型組織の崩壊の始まり、とTommyさんは語ります。

「特定のメンバーしか使えない機材をつかって、他のメンバーしかいないときは使えないのにどうするのか」
「いないならいるメンバーでできるもとの方法にもどせばいい」

「こうあらねばならない」という軛から解き放たれた真の自律型組織だからこその思い切った判断がそこにはありました。

伝承とモビング

地域のスクフェスが続々と立ち上がっています。そこでは「誰がWeb立ち上げますか?」などタスク割当の話がまず発生します。これは自然なことのように思えますが、RSGTスタッフたちが参加すると「モブでやっちゃいましょうよ」という文化が持ち込まれるとのことです。どのスクフェスも最高の体験なのは、こういった文化の広がりがあるからなんでしょうね。

作業指示からの脱却

そこにあるのは指示ではなく、課題。リーダーもチームも一緒に課題に向き合う。そもそもリーダーとチームの間に境目はなく、仲間という連帯がある。
巻き込まれて行く中で、首謀者の川口さんがいなくてもチームで課題と向き合っていける。間近でみているがゆえに当たり前のものだとおもっていたけど、あらためて話できくと本当に素晴らしいチームですね。

Tommyさん最高

まさに自律型組織を体現したRSGT、品川アジャイルの当事者たるTommyさんの話はエモくて最高でした。なにより、アジャイルコミュニティがアジャイルマニフェストを体現し、目覚ましい成果を上げているところはアジャイル実践者にとっての希望でしかありません。
日頃の自分のアジャイル実践でも、ここは真似していきたいところです。


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