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てんコミドラ全巻レビュー(第7巻)

昨年7月から始めた「てんコミ版 ドラえもん 全45巻」の全巻レビュー。
2022年も毎月頑張ってダラダラと書いていくので、どうぞよろしく。
表紙のカラフルなドラえもん(よく見るとヒゲが無いのも)がどれも可愛い第7巻のレビュー、行ってみよう。

第1話 帰ってきたドラえもん

前巻のラストで未来に帰ったドラえもんが帰ってくるお話。
・ドラえもんが去り、やけに広く感じるのび太の部屋
・右から声をかけたママがのび太の背後をグルッと周り、左から抜けるカメラワーク
など、冒頭の演出がいつもと違う雰囲気(=新たな始まり)を出していて素晴らしい。
また「ドラえもんが帰ってきた」というジャイアンの嘘に対して
・「ドラえもん!?」という大長編のOPのようなタイトル文字で驚く
・言葉にならない言葉でジャイアンを突き飛ばし、バレリーナのような華麗な跳躍で家に飛び込む
・好物のどら焼きのために全財産をおろそうとする
・騙された怒りと悲しみに精一杯の(ようちな)ウソをついたり、部屋で大泣きしたりする
など、ドラえもんに対するのび太の愛情が惜しみなく描かれているのも泣ける。
対するドラえもんも「自分が去った後、のび太が困った時のための道具」を『自分型の容器に入れたのは、なんとも粋な計らいだと思う。
そう言えば作中でも有名な「ウソ800」であるが、何があっても対応できる道具としてコレを入れたのか、(ドラ型の容器自体がひみつ道具で)その時にのび太に必要なものとしてコレが出てきたのか、未だ不明である。
その他、細かい見どころとして
・珍しいのび太の指パッチン(2回やる)
・じつは作中屈指の重要なセリフであるママの「ドラちゃんいた?」のセリフ
あたりも挙げておく。

【マイベスト1コマ】
良コマだらけで非常に迷うが…二人が再開できた瞬間の、時が止まったかの様な1コマ。[ P16_1 ](※ページ数_コマ数)

第2話 小人ロボット

恒例の「童話をモチーフしたお話シリーズ - 小人の靴屋編」。
のび太の数少ない特技の一つである『昼寝』だが、自分でカウントダウンして3秒で睡眠状態に入れるのは流石に特異体質のレベルだと思う。
マイナーな道具(ちなみに道具名は「小人ばこ」)であるが、どんな仕事でも出来る利便性の高さ、睡眠時間が無駄にならないお得感から、普通に欲しい道具の一つである。

【マイベスト1コマ】
自分の息子を一切信用していないママの1コマ。[ P20_2 ]

第3話 ジャイアンズをぶっとばせ

珍しく庭でバットを素振りするのび太から始まるお話。最初ののび太とドラえもんのセリフの掛け合いがめちゃくちゃ面白い。
こちらも珍しい『しずちゃんの女友達』が7人も登場するが、のび太が「すげえのがきた」と言う通りキャラが濃すぎる。どのキャラも今回限りのモブだが、使い捨てるにはあまりに惜しい。一番ゴツい子は何故かハチマキ巻いてるし、トンガリみたいな子は何気に僕っ子だし。あと、1番バッターの子が可愛い。
個々の能力や優れた道具よりも「それをどう扱うか」「良い関係性を築けるか」の方が重要であるというチームマネジメントみたいな教訓も好き。
戦術的には「ガッチリグローブ」はキャッチャーに持たせ、「エースキャップ」をかぶったのび太が全力投球がベストだったのだろうか?
あと、表紙のしずちゃんの帽子の「Y」は何の頭文字なのだろう?

【マイベスト1コマ】
女子野球チームとジャイアンズが向き合う1コマ。やはりモブキャラの濃さでは圧倒的に勝っている。[ P28_1 ]

第4話 空とぶさかな

日常風景のようなスネ夫の自慢から始まるお話。
ぎゅっと握って匂いをつけて海に巻くことで、食べた魚が空気中で呼吸できるようなる。…どころか空中浮遊やおつかいまで可能になる、という超高性能なひみつ道具(名称不明)が登場。のちに登場する有名な「桃太郎印のきびだんご」より優れているような。
のび太に懐く魚を見て、顔色が変わりすぎるスネ夫が面白い。

【マイベスト1コマ】
謎ののび太の笑顔の1コマ。一見すると「このコマ必要なの…?」と思ってしまいがちだが、妙な背景も相まって、じっと見ていると笑いが込み上げてくるコマである。[ P39_2 ]

第5話 好きでたまらニャい

乙女チックな表紙イラストで始まる、個人的にも大好きなドラえもんの恋愛回。
・恋で様子がおかしくなるドラえもん
・死ぬほど馬鹿にしつつも親友の恋の悩みに(やや上から目線で)乗ってあげるのび太
・恐ろしいほどの中傷を平然と浴びせるスネ夫
・来訪した友達に自宅の留守番を任せ、遊びに出かけるしずちゃん
など各キャラの魅力が詰まっている。
また、ドラえもんがロボットであることを忘れてしまうほどの
・見た目を良くするためにボール紙の耳を自作(鏡で見るところ可愛い)
・見た目を気にし過ぎての自傷行為(デブはいやだって、のヤスリ可愛い)
・好きなネコに合わせて四足歩行でジャンプ(超可愛い)
といった恋愛に対する描写が最高に素晴らしい。
さらに、この話はひみつ道具が一切登場しない。『ドラえもん=ひみつ道具』のイメージが強いが、道具が無くてもこれだけ面白い話が出来てしまうのがすごい。
また、ドラえもんが恋する話は今後もたびたび登場するが、ラストは失恋で終わることが多い。ハッピーエンドで終わる点でも珍しい回である。

【マイベスト1コマ】
切れ味が鋭すぎるスネ夫の暴言に、膝から崩れ落ち「だめ…とてもだめ。」と涙するドラえもんの1コマ。何度も言うが彼は22世紀のロボットである。[ P54_4 ]

第6話 行かない旅行の記念写真

スネ夫の自慢 → のび太がデカイこと言う → ドラえもんに泣きつく、という安心感のあるテンプレから始まるお話。
現代の科学力でもギリ作れそうな「インスタント旅行カメラ」が登場するが、ニューヨークを入浴と間違えて銭湯に繋ぐと言う「逆にそう作る方が難しいだろ」と突っ込んでしまいそうな「電車ごっこ」の方が、遙かに開発が難しいであろう。
「電車ごっこ」や「どこでもドア」のある22世紀で、未来の人がこのカメラをどんな使い方をするのかは不明だが、海外旅行が大好きだったF先生らしいひみつ道具で微笑ましい。

【マイベスト1コマ】
オランダの風車(?)と一緒に映った無表情ののび太の1コマ。よく見るとカメラやバッグが映っていない。機械のバグだろうか。[ P62_6 ]

第7話 ママのダイヤを盗み出せ

非常にレアな少女時代のママ(玉子)が出てくるクライムサスペンス回。
容姿はママ似、性格はのんびりしたパパ似と思われるのび太だが、片付けが出来ないだらしの無さはママ譲りなのかも。
結局犯人はのびドラの二人だったという、ありがちなオチではあるが
・のび太の「いまはにくたらしい」に間髪入れずゲンコツを入れる玉子
・話に入ってくるなりドラ焼きを想像してヨダレが溢れ出るロボット
・不審者をバットでぶっ飛ばそうとしたり、高価なダイヤを速攻で持ち出す、おてんば少女玉子
・当時を思い出し、ちゃっかり紙芝居屋のせいにする大人玉子
など、しっかりと面白い作品に仕上がっている。

【マイベスト1コマ】
後ろに手を組み威風堂々と街を闊歩する少女玉子の1コマ。小学生でこの歩き方はなかなか出来ない。[ P68_1 ]

第8話 さいなんにかこまれた話

ラックも注意力も足りていないのび太が、降りかかる災難から逃れようとするものの、結局逃れられない話。
小学生の頭に工具を落とすという「やあ、ごめん。」では絶対にすまない事故を起こした電気工事のオッサンや、なぜかウサギの柄の服を着ているジャイアンなどが面白い。
あと『災難を知らせるブザー音のせいで災難に遭う』というラストは、自動運転などにおける『AIのパラドックス』のようで興味深い(歩行者を守るために運転者を危険に晒す的な)

【マイベスト1コマ】
床まで目線を落とすことで、珍しくのび太部屋の天井が見える1コマ。頭に絆創膏を貼って寝転がるのび太と、それを無言で見守るドラえもん。趣が深い。[ P75_5 ]

第9話 ネズミとばくだん

ドラえもんがネズミに対する恐怖でおかしくなり、結果的にはのび太とママが地球を救うお話。舞台は野比家の中だけで完結し、登場するひみつ道具も銃火器だけという、アクション映画並みの大スペクタクル回。
・冒頭からオセロをする仲良すぎる二人
・ねの字を聞いただけでぞうっとするネコ型ロボット
・「大長編のバトルでそれ使えよ」と言いたくなるほど火力の高いジャンボ・ガンと熱線銃
・ネズミが逃げたと言う嘘にA先生ばりの安堵顔でへたり込むドラえもん
・「まつばらホーキ」とやたら具体的な商品名の書かれたママが持つホウキ
…など見どころは多いが、なんと言っても圧倒的インパクトの「地球破壊爆弾」である。何ために開発され、なぜそれを一般家庭が購入できるロボットが所持しているのかは『ドラえもんの七不思議』に入れても良いくらい謎。

【マイベスト1コマ】
完全にイカれてしまったドラえもんの1コマ。全く同じポーズで避難する野比親子も面白い。[ P84_8 ]

第10話 未来からの買いもの

お馴染み過ぎてたったの1コマで済んでしまうスネ夫の自慢話から始まるお話。ヒャー、すげえ。
「欲しい」と言っただけで購入され、返品不可のうえ、代金が払えないと詐欺罪で捕まるという、闇金も裸足で逃げ出す凶悪さの「通心はん売のカタログ」が登場。(「つうしん」の表記は手元の単行本では「通信」、電書では「通心」だった)
そんな危険がカタログをのび太の前に放置したり、「ねむい」と言いながら押し入れではなく部屋の外に出て行ったり、読んでたカタログが自分が生まれる25年も前(ドラは2112年生まれ)のものだったり、ドラえもんの奇行が目立つ。
『欲しいと思った瞬間にその商品が届く』はAmazon創始者ジェフ・ベゾスの理念であるが、それを実現した未来の通販会社は偉い。…と思いきや、欠陥商品の事実を金で揉み消すというバリバリの悪徳企業だった。

【マイベスト1コマ】
時速200kmの自転車で片手運転+Uターン急停止からの「やあ、しょくん」。カッコ良すぎるのび太の1コマ。[ P91_3 ]

第11話 石器時代の王さまに

のび太が現代の道具を石器時代に持ち込み、王さまになろうとするお話。「大長編ドラえもん のび太の日本誕生」にて、ギガゾンビが同じようなことをやろうとしてタイムパトロールに捕まっていた気がするが…今作は法整備がされる前の話なのだろう。
持ち込んだ道具のチョイスが悪過ぎて、馬鹿にしていた石器時代の人にすら馬鹿にされるのび太。皆が毛皮を来ている中、なぜか一人だけ全裸の(おそらく)のび太の先祖。時を超えて哀れなのが面白い。
マンモスに捕まれ気絶。そのまま武器として使われるのび太は本当に可哀想。だけどやっぱり面白い。
見計らったかのような完璧なタイミングで助けに来たドラえもんが持っていたのは「ネズミとばくだん」に出てきたジャンボ・ガンだろうか(形は少し違うが)

【マイベスト1コマ】
偉そうに足を組みながら「大むかしの人びと」を読んでいたのび太が「これだっ」と閃く1コマ。なんとも言えないドラえもんのポーズが可愛い。[ P96_1 ]

第12話 くせなおしガス

癖が大げさに現れることで、それに気づかせてくれる「くせなおしガス」が登場するお話。
のび太の鼻くそほじりはともかく、パパの貧乏ゆすり、ママのベロ舐めは唐突感がある(そこがまた面白いのだが)。パパは物忘れ、ママは窓から物を捨てる、など他にも直すべき癖があったろうに。
頭よりデカイ大きな鼻くそを顔に押し付けられたり、他人の嫁の化け物デカ舌で舐められたり、とにかく災難なお客さん。
ドラえもんが「きょうれつ!」と言うほどの強烈な効果が出るガスだが、盗癖や虚言癖、あるいは性癖みたいなものにも効果が出るのかも気になる。
また、よく見るとガスのスプレー缶の「G」の次におそらく「U」の文字が見えるが、ガスのスペルは「GAS」なので製品の誤植かもしれない。

【マイベスト1コマ】
巨大な鼻くそを客に見えないよう咄嗟に後ろに隠すのび太とドラえもんの1コマ。[ P113_7 ]

第13話 ウルトラミキサー

喧嘩をする犬と猫を見て「二ひきいるからさ、一ひきにまとめればいいんだよ。」と発言をして、実際にキメラを生成するマッドサイエンティストのようなドラえもんから始まるドタバタギャグ回。
生物同士や非生物同士はもちろん、人間とロボットでもまとめてしまう「ウルトラミキサー」の性能がすごい。
初期ドラによくある『ドラえもんも一緒になって無茶をする話』は読んでいて本当に楽しい。
最初の風呂桶は普通に立派で良いと思うが、それ以降は嫌がらせとしか思えない。くずかご×掃除機はくずかごのゴミを捨てる時に掃除機部が邪魔だし、トイレ×冷蔵庫は完全にトイレ側の機能が死んでるし。
最後の強引なオチも大変面白いが『意識はまとまらずに共存する』は、よくよく考えると怖い気もする。また、まとまった人がさらに別の人とまとめられるとどうなるのかも気になる。人格がどんどん増えていくのだろうか。

【マイベスト1コマ】
メチャクチャやって親に怒られるのび太とドラえもんの1コマ。いつの間にかのび太がスリッパを履いている。[ P120_6 ]

第14話 エスパーぼうし

SFではお馴染みの超能力を身につけることができる「エスパーぼうし」のお話。
本当にタネも仕掛けもない状態で新聞紙に水を入れたり、ノコギリでドラえもんを切断しようとするのび太。手品の原理をどのように理解してるのだろう。
そして、第4巻「メロディーガス」の時といい、かくし芸が好きな子達である。
・ドラえもんの道具のテストのために、ジャイアンにシバかれた時並にズタボロにされるのび太
・ノコギリを突きつけてドラえもんを脅すのび太
・パパに灰皿ぶつけて笑顔の二人
思いっきり便器(なぜ小便器?)をドラえもんにぶつけ、壮大に失禁するのび太
・この後必要になる大事な道具をなぜか玄関に置いておくドラえもん
・絶対そこには無いパパの袖の下を探るドラえもんと、屈託のない顔でそれに応じるパパ
かなり練習しないと使いこなせないはずの道具を、当たり前に使いこなしてメザシを盗む天才キャット
…と、ドタバタギャグ回として最高に面白い。
何をやらせてもダメなのび太でさえこれだけ出来たのだから、大人が本気で使えばかなりの能力者になれそう。目立ちすぎる外観さえ気にしなければ、普通に欲しい道具である。あと、読み直していて気づいたが「帽子の手の部分」が右手になったり左手になったりする。

【マイベスト1コマ】
道具の名前を呼びながら駆け足する可愛いドラえもんと、空中を浮遊するメザシがシュールな1コマ。[ P136_3 ]

第15話 テスト・ロボット

のび太の謝罪練習から始まるお話。
本物と同じ反応を見ることができる「反のうテストロボット」は、機能としては面白いものの『相手の顔をパネルに描くという操作方法』がかなり使い勝手が悪そう。そっくりさんや双子の場合どうなるかなど気になるが、実際には『相手をイメージして描く』だけで良くて、絵を似せる必要はないのかもしれない。
わずか5ページの短い話だが、起承転結がしっかりと付いていて面白い。

【マイベスト1コマ】
トボトボと歩くのび太、曲がり角から待ち構えるジャイアン、ちょうどいい位置にある排水溝、という「タイムテレビ」が無くても数秒後の未来が予知できてしまう1コマ。[ P142_6 ]

第16話 タヌ機

ポイ捨てされたタバコで背中が燃えるという、相変わらずの悪運っぷりを発揮するのび太で始まるお話。さらに、タヌキ似と言えばドラえもん…なのに、今回はのび太が似てると馬鹿にされ、最後のオチでも酷い目に合う踏んだり蹴ったりな回。
可愛い見た目とは裏腹に、自分の脳波を相手の脳に送り込んで幻覚を見せると言う凶悪な機能の「タヌ機」。自分のことは棚に上げ爆笑するドラえもんだが、その後のび太に化かされ抜群に似合うタヌキ姿を披露する。
スネ夫が化かされてからの幻覚と現実を交差させた描き方がすごい。あと、煮えたおかゆの鍋(と思い込んでるバケツ)を、素手で掴んでガブ飲みするスネ夫もすごい。

【マイベスト1コマ】
ダッシュによる慣性が付いているためか、スネ夫の時とは明らかに効果音、拳の描き込み、顔面のめり込みが異なるパンチを喰らうのび太の1コマ。[ P153_4 ]

第17話 ねこの手もかりたい

恒例のひみつ道具を使った金儲けシリーズでありながら、のび太の狂気が描かれたサイコホラー回。
体のどの部分でも付け替えることができ、さらに予備パーツも自由に付けれる「つけかえ手ぶくろ」が登場。『義体技術』として極めてSF感があるが、神経とか血管とかどうなってるのか一切不明。さらにはロボットのパーツも付け替え可能。22世紀すごい。
・のび太をかかえて自力で2mくらいジャンプするドラえもん
・落ちてる小銭を拾うため、残った目を足に付けるのび太の狂気
・ドラえもんから道具と両目を奪って逃げ、大儲けできかも…と笑う狂気
・ママに「手をかして」と言われ「手」を渡す狂気
・トラウマ必至の演出(三つ目はわざわざ自分の目も入れ替えている)でスネ夫を脅す狂気
・珍しく名前のあるモブキャラのサブロー
・とても初めてとは思えない手つきで予備パーツを巧みに使い、トランプと大福を楽しむ狂気
・目の見えない状態で帰ってきたドラえもんに、帰宅しても目を返さない狂気
・しずちゃんファン必見の猫目&少女マンガ目のしずちゃん
・パワフル過ぎるオチ
と、見所とのび太の狂気に溢れた傑作である。

【マイベスト1コマ】
LINEスタンプ(個人的によく使ってる)にもなっている、のび太が裸眼で見たぼんやりしたドラえもんの1コマ。[ P156_8 ]

第18話 ピーヒョロ ロープ

蛇使いのように笛を吹くとロープが色々なことをやってくれる「ピーヒョロ ロープ」のお話。
曲ごとに楽譜が異なっているが、笛に穴が無い&のび太でも難なく吹けているので、演奏する必要はなく曲のページを開いて息を吹けば曲が流れる仕様であると思われる。
6ページの短い話だが、他にもどんな曲があるのか見てみたかった。

【マイベスト1コマ】
ロープが知らんオッサンを連れてきて、静止してしまう二人の1コマ。ドラえもんのポーズが可愛い。[ P173_2 ]

第19話 山おく村の怪事件

みんな大好きドラミちゃんが登場する中編ミステリー回。のび太とドラミが、パパとママの結婚記念日に「高伊山の山おく村ツアー」をプレゼントするお話。
恐ろしげなタイトルであるが本人達はとくに怖い思いはしない。遭難した金原さんに一切気付くことなく、一家団欒でたっぷり楽しむのび家が面白い。
・プレゼントを考えるのび太に対して的確なアドバイスをする優秀なドラミ
・童謡「どこかで春が」を仲良く一緒に歌うママとパパ
電気が通ってない村で何にも繋がず動作するブラウン管TV、ドラミが何かやったのだろう
・インスタント麺を生で旨そうにかじる金原さん、飲まず食わずで七日間はヤバい
・「学生野球のピッチャーだった」と本当か嘘か分からないことを言うパパ
・上の方をどうやって作ったのかが気になる大き過ぎる雪だるま(金原さん入り)
…などが見所か。

【マイベスト1コマ】
のび家+ドラミちゃんがいろりを囲って食事をする心温まる1コマ。[ P190_6 ]

さいごに

「ウソ800」や「地球破壊爆弾」などの強烈なインパクトのひみつ道具が出てきたかと思えば、第5話「好きでたまらニャい」のようなひみつ道具が1つも出てこない回でもしっかりと面白い話に仕上げてしまうF先生の技量には感心するばかり。
また「タイムマシン」や「どこでもドア」など、同じ道具でも全然別の話を作れてしまう発想力も凄まじい。
今年も「てんコミドラ全巻レビュー」を通して、F先生のすごさを再確認していこうと思う。

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