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#瀧本宿題 盗めない人生を生きろ   瀧本哲史・伝説の講義を視聴して〜

2020年6月30日。公開された音声による講義を視聴した。 

「バイブルも正解もない。自分で考え、自分で行動しろ」

 東京大学伊藤謝恩ホールで瀧本哲史さんが300人の若者の前で講義している。 武器となる交渉術に必要なことは何か、3勝97敗が人生なら、失敗から学んで次に挑めばいいじゃないか。 鋭く熱い言葉が続く。若者を決して置いてけぼりにしない優しさに満ちている。

第一檄を聴いただけで、瀧本さんの半端ない愛情を強く感じ、一気にひき込まれた。集まった10代、20代の若者は、これからの日本を動かす原動力だ。そのポテンシャルを瀧本さんは丁寧にコミカルになんども話している。 

映像では集まった若者たちの表情はとらえていないが、私はなんどか彼らの顔を見たくなった。自分たちの素晴らしさ、利点をこれだけ愛情深く多角的に語られたら、胸が躍って、踊りすぎて、ワクワクが顔に出まくってないか!と感じたから。 

この講義が行われたのは、2012年6月30日。 白状しておくと、私は8年前でも講義は受けられない年長者だ。視聴時のチャットを見ていると、40代50代の参加者もいたようで、年齢オーバーの我々は一体どうすりゃいいの?と思った人もいるだろう。そこで、 講義後半、質疑応答の中での瀧本さんの言葉を記しておきたい。 

「30歳になるけれど自分はどうしたらいいか」 

会場からのこの質問に「応援をしてあげてほしい」と瀧本さんは答えている。 また、こんな質問もあった。 

「今日、同じ講義を聴いても成功する人、失敗する人が出てくるだろう。そのときに失敗した人はどうしたらいいか」 

この質問には、 「たまたま失敗した人を助けてあげてください」と答えている。 

話題になった上野千鶴子さんの東京大学入学式での祝辞が思い出された。ここに座っているみなさんはとても恵まれている。恵まれた環境にいたことを忘れるな。 そう、人間には「運」というものがあり、その働きに感謝して、己がうまくいったなら他に手をさしのべることも忘れるな、という視点。とても大事だ。

 ノブレス・オブリージュ。富める者は助けよ。 本の売り上げは関係ない、と瀧本さんは講義の中ではっきり話している。 富める者なのだから当たり前、とは言えない。現実は、もっと複雑な企みによって弱者は搾取され、多くの人々は助けてもらえないことにも気づかされないまま生きている・・・。

 だからこそ「武器」がいる。 

瀧本さんは、「一個人の豊かさ」でなく、連携によって生まれる「小さな集まりの真の豊かさ」をイメージしていたのではないか。 応援していく、支えていくひとたちも、ひとりの成功者に、ひとつの社会にとても重要なのだと。 

講義を見る前、ちょうど見終わった映画があった。 『きっと、うまくいく(2009)』。 『3バカに乾杯!』のタイトルでも公開され、インドでも大ヒットした。 大学時代の主人公3人の友情とその後のそれぞれの人生の答え合わせを追っていくような展開で、親友のほんとうに進みたい道を理解し応援し、最大の危機を助けあっていく物語が、瀧本さんの話とぴったり繋がった。 実は、大学時代の親友から勧められた映画で、コロナ以後を励まし合うメールをやり取りする中で太鼓判を押されていた。

 私はセレンディピティを信じている人間だ。 リンクしあった出来事が、感動が、私にこれからのメッセージをくれたと思う。 そして、私は航海の半分以上を終えていても、 まだ3勝できると考える人間でもある。 

瀧本さんの講義に話を戻そう。

 聴いていると涙があふれ、胸にじんわりと温みが広がるところがいくつもあった。瀧本さんの口調を再現し、講義の雰囲気を表現する声優さんの技量も素晴らしかった(聴きやすく早口でしゃべるのはかなり難しいのに!)。 感想をまとめるなら、こうなる。

 聴き手の情熱を引き出し、

 武器になる方法を丁寧に伝え、

 自分で考えろと航海へ送り出す。

 つまり、伝説は全開。 どの瞬間も素晴らしかった。

「 人生には早く気づいたほうがいい。今日のトーストも、明日の定期も、来週のバイトも、不必要なものなら見直し、必要があるものを全力でつかめ」

 これは瀧本さんの講義に出てきたものではない。 もし、私が8年前に19歳で、講義を聴いていたら、その夜になにを記していたろうかと空想して書いた。 では、今現在ままの年齢ならばどう書くか。

 「盗みたいと思われるような人生を最期まで模索しろ。 エンドロールは、死ぬまで来ない」

 2020年、夏。 日本はあらゆる意味で瀬戸際だと思う。脱出を考える人も増えるかもしれない。 だからこそ!日本をベースに生きるなら、若者でなくとも、日本をベースに生きる人間ならば《考える「武器」》を身につけていないと、当人だけなく、ベースを変えられない他の人々も巻き込んでかなり困ることになる。

武器なくして、人生は生きられない。社会の変化は起きない。瀧本さんが語る「健全な」変化、「健全な」成長がなによりも大事なのだ。そう強く強く思う夏が来てしまった・・・。 

*質疑応答の細かなニュアンスは、文章や、音声で確かめていただくようにぜひともお願いします。ここではわかり易く抜き書きのようにしています。

 *伝説の講義を実際に聴いた方たちのリポートも発表されるようなので、こちらもすごく楽しみです。 

* おまけ* 「パラダイムシフトは世代交代でおきる」 講義ではこれも面白かった(面白くないところがないのだけど、特に、で選ぶと)。何かが新しく生まれ変わるには、新しい価値観に全力で飛び込める人間が必要なのですな。古い方法を手放せず、新時代の発想を拒絶する「権威あるひと」はわりにいると。うん、どこにでもいるんだな。 なにも持たない私は(まず)年下の友達をこれからもどんどん増やしたいと思います。

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コピーライター/フリーライター/第2回(2019)「ふう太の杜文学賞」佳作受賞/取材・企画・執筆/現在はシナリオと短編小説を中心に執筆。歌詞の執筆も始めています/まだまだ描かれていない「大人のドラマ」を描きたい。/執筆記事もアップしていきます。