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韓国「K-半導体戦略」の目標

「K-半導体戦略」は韓国の半導体国家戦略である。日本政府がTSMCの工場誘致を進めるなど、国家による半導体産業育成の機運が高まるなか、韓国政府も半導体を軸とした戦略を打ち出した。

🟩2030年までに半導体輸出を倍増

「メモリー半導体世界1位の地位を強固なものとし、システム半導体も世界最高とし、『2030年総合半導体強国』という目標を必ず達成する」

韓国政府は半導体輸出を2020年の約1000億米ドル(11兆円)から、2030年には約2000億米ドル(22兆円)へ倍増させるための戦略が「K-半導体戦略」だ。

半導体市場規模も現在の50兆円から、2030年には100兆円へ倍増すると予測されている。台湾に次いで世界No2の半導体生産国である韓国だが、台湾との大きな差がある。韓国には半導体市場の拡大に取り残される危機感がある。

🟩メモリー半導体産業を強固にする

半導体は輸出主導型の韓国経済で輸出総額の20%占める最大の輸出品目である。その半導体の中でも大部分を占めるのがメモリー製品である。韓国にはサムソン、SK ハイニクスと世界の半導体市場でも、上位のメモリメーカーがある。メモリ産業を守ることで輸出を総額を増やそう考えている。サムソンら民間企業は2030年までに510兆ウォン(約49兆円)以上を投資することを公表した。

🟩「K-半導体ベルト」戦略

半導体は小さく軽いため輸送コストが低く、1カ所に集中投資して量産することが合理的とされる。SKハイニックスがある利川、龍仁、清州の中部地域と、西部のサムソンがある器興、華城、平沢、恩陽との「K-半導体ベルト」の創設に取り組む。

サムソンの平沢に世界最大の拠点

首都ソウルから南に50キロメートルの平沢(ピョンテク)市に、サムスン電子ら世界最大の半導体工場を建設している。 平沢はサムスンにとって、器興(キフン)、華城(ファソン)に次ぐ国内3番目の半導体拠点である。年間3兆円を超える設備投資の大半を平沢に充て、世界首位の半導体メモリーの生産能力を引き上げる計画としている。

🟩人材・市場・技術確保 戦略

韓国政府は国立大学に専攻学科を増やして半導体産業の人材を今後10年間で3万6000人育成する。

また半導体機器メーカーのASMLがトレーニングセンターを建設、Lam Research が規模を拡大するなど、韓国政府が外国投資も呼び込んでいる。

🟩インフラ支援拡大戦略

韓国政府は半導体 企業の研究開発に対して最大50%、設備投資に対して最大20%の税制上の優遇措置を行う予定である。また半導体工場への電力と用水の確保を国費で支援する。

🟩まとめ

韓国「K-半導体戦略」は2030年までに半導体輸出を倍増するため

国家による半導体産業育成の機運が高まっている、日本も明確な目標を持った半導体産業育成をしたい。

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