6/23

六月の日曜日。気だるげな高揚感をおぼえる。

じめじめとカラダにまとわりつく憂鬱を、なんとか草露の美しさで相殺するような、ふんわりと暗い季節である。

私のふるさとは梅雨がないと言われているため、はじめて梅雨らしい梅雨を感じる。

曖昧な気温に合わせて着る、中途半端な厚さの衣服が乾かない。

小降りになった雨のなか、薄暗い雲のしたを歩く。

月極駐車場にある大きなワゴンの腹から、背のボサついたネコが顔を出す。足早にいつもの電器屋へと帰る、帰る。

退屈な短夜をまんじりともせず、ぼうっと見つめる。薄明るい早天。

降り出す雨音を聴きながら、部屋に干した服をさわる。乾いているのか、いないのか。

再びぼうっとしながら、とりとめもなく何かを考えて、何かが分かりそうだと思いつつ、気がついたら眠りにおちている。

そんな季節だ。

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