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君はライディーンを、踊ったか?#1979 003

運動会のシーズンである。
通り過ぎた小学校では、
小さな人々が
腕いっぱいに振り上げて
ソーラン節を踊っていた

いつから小学校では
ソーラン節を踊るようになったのだろう?

自分たちの世代は断然、
YMOの「ライディーン」を踊っていた

今振り返れば、全国?いや都内の小学生が
最新のテクノポップを踊りまくる、という
ファンキーな時代だったのではないかと思う。

教師の身になって考えてみてもそうだ。

「決まったから」という理由で
小学生に、振り付けをしないといけない
きっと、先生達は、部屋で何度も
「ライディーン」を聞き
鏡の前で予行演習したに違いない

さらに、ちゃんとステップが踏めていない子どもがいたら、
どうして踊れないんだ!!
と叱らなきゃならない

一方、叱られる子どもにとってみれば、
最新のテクノを学年全体で
呼吸を合わせて踊るという
なかなか高度な事を求められていたのだと思う

中学生になり
ライディーンが共通の振りでないことを知った

何かのきっかけで「ライディーン」の話に
なった時、友人が踊り出すと、

それ、違う!
と別の人間からダメ出しが入ったのだ

ウチのはこれ!
そう言って別の友がステップを踏む

すると、
また別の奴が
違う!
自分はこれ!とステップを刻み出す始末

振り付けは学校によって
全く違うということをその時初めて知った

なんだよ!
先生の創作だったのかよ!
一生懸命教えてくれた先生に
皆で悪態をついたのを覚えている

子どもの時のイメージとしては、
ラジオ体操のように
音源は同じで、でも、きちんと振り付けはあり、
決まったもの、揺るがないものがあって
それを無理やり教え込まれて踊らされていると思っていた

ライディーンは
ラジオ体操ではなかったのだ!

校庭に響いた先生の叫び声を、思い出す
右・右・左・左
前・後ろ
トントントン

・・・
ここで気づいてしまったことがある

ライディーンも踊ったが
ジンギスカンもまた、
我々は踊っていたハズだ

自分が覚えている振り付け
右・右・左・左
前・後ろ
トントントン
は、もしかしたらジンギスカンなのかもしれない

さらに怖いのは、
何の音楽で踊ったか?よりも
体に叩き込まれたステップだけは
覚えていることだ


ヤーレン、ソーラン!ソーラン!
ソーラン!
ソーラン!

令和キッズ達は、
大人になっても
ソーラン節を踊れるのだろうか?

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