見出し画像

Tabi. #1979 009-4

Tabi. 009-3 より続く

到着してすぐに、海へ向かう。
そこまで大きくない島だが、移動はほぼバスだ。

歩くには遠すぎ
自転車では坂道が多すぎ
そして、タクシーは捕まらない

観光所でもらったバスの時刻表を頼りに
宿を出た。

バスに乗り込んで驚いたのが、
アジアの観光客が意外に多いことだ。
離島は他にもあるし、
この島はお世辞にも、リゾートアイランドとは言えない。
それでも、船を乗り継いでここまで来る
何かがあるのだろう。

目的の海岸に着く。
鮮やかなその色に、本物だったのだ、と思う。

以前、異国の地で
珊瑚礁が有名だから、と
意気揚々と出かけたことがある。

いわゆるリゾートアイランドだ。
いざ、シュノーケルをつけて海を覗いて
目を疑った。

白い。
珊瑚が死んでいる。
年間、多くの観光客が訪れているせいだろうか。

そのくせ展示室にある珊瑚礁の写真は、
カラフルで、明らかにここ数年いや、数十年で
珊瑚がダメになってしまったことがわかった。

真っ白になった海底を、
申し訳ない気持ちで、ただただ浮かんでいた。
そんなことがあった。

だからこそ、
バスから降りて見える
色鮮やかな海の色に
魅入ってしまったのかもしれない。

早速、シュノーケルをレンタルをする。
ロッカーも借りて荷物を詰め込み、
いざ海へ飛び込んだ。

透明度が高く、足の先まで見える。
そして、「お前誰だよ」と
目をつけられるかのように、
魚が通りすぎていく。

人間と違って、真横についた魚の目。
真正面からというより、
盗み見されるように、泳ぎすぎていく。

子ども達の笑い声がする。
魚は漂う。
海は碧い。

どこまでも手足が伸びていって
しまうのではないのかと思うほどの、解放感。
そして潮の匂い・・


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?