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ブルマって何ですか? #1979 005

「ブルマって何ですか?」

ずいぶん下の世代の人に
突然聞かれた
何の話でそうなったのかは今では
思い出せない

我々世代が小学生いや、中学生、
もしかすると高校生まで履かされていた
ものだ

こんなの、
そう言って紙の上に絵を書いた

「これって、黒いパンツっすよね?」
そう言って驚かれた。
明らかに、ゲ、マジ的な反応。
もしかしてギャク?ぐらいに
引かれた。

そしてとりあえず、一緒に
笑ってみた
「ヤバいよね、これ」

そうか、そうだよね
改めてパンツ。
しかも黒。
ただ、なんか妙な弾力
ソフト感のある布地。

みんな、これを履いていた。
リアルに。

今じゃ、小学生の女子は短パンを履いて
校庭を駆け回っている

中学生のとき、
アメリカ帰りの帰国子女が、
ブルマを履かなければならないことに
憤慨した。
体育の授業になっても、
自分はこれを履いて体育はしないと
ボイコットした。

さらに、このブルマなるものを
辞めさせるべき!と
反対の文書を作成し校長に提出するから
あんたも署名をしてくれ!と
迫られたことがある

今振り返れば、彼女は
当たり前の主張をしていたのだと思う

それでも当時は、
そりゃブルマはダサいし
ちょっと嫌だけど、
何もそこまで目の仇にしなくても・・・
なんて思ってた

時代が彼女が正しかったことを
証明している

女性の権利がどうだ、
という話をしたいわけではないけれど
きっとやっぱり
ずっと遅いのだろう
日本は

今、ブルマの話を振り返り思う

あの当時、当たり前だと思っていたこと
今見たら理不尽だったことが
たくさんあった

うさぎ飛びも
部活・運動中の水分補給禁止も
愛あるビンタも
ケツバッドも
廊下に立ってなさい、も

常識だったことが
非常識になってたり
ハラスメントに値してたり

きっとこの「今」の時代にも
そんな矛盾が潜んでいるんだろう

黒いブルマ
紺のブルマを履いていた自分たちは
果たして今、この時代の子供達に
見えないブルマを履かせてないだろうか?

今はどの洋服を着させるかどうか
という選択よりも
目に見えない膨大な情報を
どう子供達の自由度を奪わないように
しながらも
コントロールしていくか?
なのではないかと思う

いつまで電話してるの?と
チェックされた長電話が
今じゃ、無料で深夜まで繋ぎ続けられる

どこで買うのそんな本!?と
女子から言われていた小学生男子が
静止画よりも過激な動画を見てしまう

電源をオフにすれば消えたTVが
エンドレスに続いていく
動画コンテンツがある

「〜しなさい」ではなく
「〜しないようにする」
決断を子どもたち任せにしておくことは

後から振り返ったら
ブルマと同じことをしているんじゃないか?
と思ったりもする



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