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未来のことを話すと鬼の腹筋が死ぬ

なんてことを言いますが、いくつか「こうなるのでは?」と思ってることがあって、それを2023年の今書いておいて、5年後とかに見返してみたらどうなるんだろう、という試みである。試みです。試む。

1.クルマで仕事するようになる

イーロン・マスクがやってる事業を並べてみると未来に近そう。なんて思ってる。テスラは電気自動車だ。さらに自動運転もついてる。これはどういうことか。未来のクルマは「バッテリーつき自動移動マシーン」ということで、ほぼ新幹線やん。ということである。しかも駅が自由に設定できるという。そんで、さらに、スターリンクという事業がある。衛星を通じて、高速インターネットをどこでも繋げられるようになる的な理解である。この2つのビジョン?を組み合わせると、「自動移動デスク」になる。リモートワーク、ワークフロムホームならぬ、ワークフロムムービングまたはカーだ。語呂悪い。ちなみに、直接会うことの価値はむしろ上がり、会うために移動しつつ、打合せやデスクワークは並行してやる、みたいになりそう。

2.同時翻訳や検索がメガネ状デバイスでできそう

ドラえもんの世界がどんどん実現してる感じですごいんだけど、ウェアラブルの重さと単価が一定のラインを下回った瞬間に、スマホに打ち込まないといけないことが、メガネ状のものに音声入力することで、目の前に合成された映像が出てきたり、喋った言葉が瞬時に翻訳されて相手のメガネに字幕として出たりするのでは、と思う。楽しそう。

3.メディア以外の産業も分散化が進む

TVという巨大な制作部隊と放送装置に対して、YouTuberによる個人制作とスマホのスクリーンが生まれ、タレント事務所による育成に対して、自己プロデュースによるインフルエンサーが生まれ、大工場に資本を投下する巨大メーカーに対して、ひとつのプログラムとネットワークからできたアプリサービスが生まれる。それぞれの特性が共存し、小さく軽く個人的な分散が進んだ。新聞や雑誌やラジオも、個人化&分散化しつつあるように思う。これからさらに分かれていくと予想できるのは、教育、研究、建築、政治、金融あたりである。ドラスティックに移行するのではなく、併存していくのだろうと思う。巨大であることや組織になっていることが面白さや価値を生むこともあると思うし。

4.プレゼンテーションやプロトタイプのAI化が加速する

プレゼンを多くしてきた業界にいた。広告である。Vコンと呼ばれる映像をたくさん作ってきた。映画や資料映像を繋ぎ、ナレーターに言葉を読んでもらい、音楽をつける。ビジュアルはタレント写真を合成し、徹夜でしあげる。これはすべて、本番でつくるものではなくて、プレゼンのためにする作業である。人を説得したり説明したりしてお金を出してもらうためのものなのだ。不毛である。言葉で喋ってOKなのがいちばんいいが、人の想像力は限界があるので、わざわざカタチにする。形にしすぎた瞬間に、それは契約書のような「何かが死んだ抜け殻」になり、それをなぞるようにつくるハメになる。だからプレゼン作業は嫌いなのだ。これがAIによって変わりそうである。こんな感じの絵をつくって、映像つくって、イメージつくって、みたいなものはAIがやってくれる。本番は自分たちで精度高く、試行錯誤しながらやればいい。画像や映像だけでなく、プロダクトやサービスのプロトタイプパッとつくって、いけそうかどうか判断すればいい。

5.高齢者の起業が増えそう

韓国では会社を辞めてチキン屋台を開いて倒産するという社会問題がある、と聞いたことがあるが、似たようなことが起こりそうな気がする。65歳で定年を迎えてもヒマだし金も足りないから、バイトやパートを選ぶ人も多いだろうが、これからはむしろ起業が増えるのではないだろうか。年金をセーフティネットだと捉えた時に、低リスクで勝負できる法制度やシステムが整っていたら、やる人が増えそうな気がする。それを可能にする、分散化した産業システムが増えそう。

6.水を軸にした観光が盛り上がりそう

水道水が飲める国は少ない。日本をはじめとした「水がきれいな国」の価値が高まり、水源をめぐるツーリズムが勃興しそう。温泉、酒蔵、トレッキング、滝、そば、わさび、などなど、すべて「水を巡る旅」であり、世界自然遺産も水源を軸にいくつか認定されるのではなかろうか。

7.コミュニティの解体と再編成

もはや国家や県や市区町村だけではないレイヤーに暮らしている私たちは、ネット空間や学校や会社やサークルやNPO法人など、複数のコミュニティを転々としながら、量子力学的に分散した人生を送っている。であるならば、それぞれの自治と税金と義務と権利のバランスをとりながら、新たなコミュニティを選び、編集していくことになるのではないか。ふるさと納税を拡大解釈したような新たな税のシステムが分散化され、どの行政サービスを受けるかを、住所だけに縛られずに選べるようになるかもしれない。北欧型の福祉を取るか、新自由主義的な課税を取るか、などなど。

8.マインドフルネスサービスの勃興

本来社会主義的な助け合いの精神を持つ民族が、資本主義的な競争を強いられているのが日本社会だとすると、そこには謎のつらさや孤独や圧力といった社会と個人のマインドのギャップが発生する。女性の権利やLGBTQの理解など、社会課題も表面化してきている。このことはどのような国家やコミュニティであっても生まれており、物質的な最低限度の生活が守れたとしても、精神が蝕まれていっているように思う。このニーズに公共のサービスや企業が応えて、富裕層から順にメンタルサービスが広がっていくのではないだろうか。そういえば最近、近所に瞑想し放題のスペースが開業した。

以上、気がつくとたくさん書いていた。単なる予想なので、この通りにはならないだろうけど、あとで答え合わせをして楽しもうと思う。そして、個人的な展望としては、「自分の周りに小さくて新しいコミュニティをつくり、それを広げることで、創造的で安心できる空間と時間を楽しんでいきたい」と考えている。ノンアルバーやスタジオや旅と写真と文やフリーのクリエイティブディレクションはすべて、そこに集約されていっている。今年はそれをHOMEというテーマで呼んでいる。

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