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2022年ふつうの旅 第2シーズン〜ヨーロッパ編〜

世界一周ヨーロッパ編の話。おすすめスポット、おいしかった料理、興味深い乗り物などについて。

7〜8月とアジア・中東を旅して、ヒンズー・イスラム圏を味わった。特にイスラムのゆるさが気に入り、チャイを何杯も飲む文化に心がゆったりとあたたまったのが懐かしい。少しおせっかいで、人のパーソナルスペースにズカズカ入ってくるが、そこには昭和の日本のような勢いと人間らしさがあった。特に中央アジアの旧ソ連圏の国々は、未知の文化との出会いばかりでとても刺激的であった。

そして、9月に入り、北欧からヨーロッパを南下。フィンランド、エストニア、アイスランド、ノルウェー、デンマーク、ドイツ、チェコ、オーストリア、イタリア、イギリス、スペインと巡る。

キリスト教圏に入ると、先進国ならではのきっちりとした宿や交通システムに安心するが、あの人懐っこいイスラム圏とはまた違う個人主義的な無関心があった。日本にも近いように思うが、東京よりも親切だ。また時差が6時間を超えてくるため、日本の友人知人と時間が合わなくなってくる。時差による寂しさみたいなものを感じたりもした。

また、4ヶ月も旅をしていると、いいかげん旅の生活に飽きてくる。疲労も溜まる。資金も減ってくる。仕事がしたい。まさかとは思うが、そんな邪な気持ちが生まれてくる。ちょいちょいリモートで仕事はしているが、もっとがっつりやりたくなるのだ。旅は2ヶ月くらいまでがいいのかもしれない。今後の参考にしよう。

ヨーロッパは、ユーロが高く、物価が高く、それゆえに何かを抑えながらも使うところでは使うという、とても難しい舵取りが必要だった。自分の好奇心と会話しながら、本当に興味があるのか。ここまできてせっかくだから、くらいの気持ちじゃないのか、などと自問自答しながら旅を続けた。

基本的にはホステルと呼ばれる、集団ベッドの宿に泊まるようにしていたが、途中で嫌になって個室をとったりもした。フィレンツェに泊まるのをやめて、1時間ほど離れたアレッツォという街に滞在したり、サンセバスチャン行きをやめてロンドンに長めにいたり、自分にとっての心地よさを確かめていくような旅となった。

そんな内省的な話を続けても仕方がないので、ヨーロッパについて、シンプルにここに行くといいよ!というスポットを各国1つずつ紹介していく。

ちなみに、今までの旅でよかったところをランキングにすると、

1.プラハ
2.ヘルシンキ
3.アルマトイ
4.アイスランド
5.プレーケストーレン
6.サマルカンド
7.ヌルスルタン
8.オスロ
9.ベルリン
10.ロンドン


なので、旧ソ連圏、イスラム文化、北欧、絶景が好きなことに今さらながら気づきました。イタリアやスペインはあんまり。多分、食と遺跡
に興味なくて、人ごみが嫌いだから。

子どもの頃に興味を持ったオランダやアイルランドの優先度を上げた方が良かったのかも。ここは抑えとかないと、的な気持ちで、安易に有名な国を選んでしまった気もする。でも、こういうのは行ってみないとわからないからしょうがない。アフリカ・南米を楽しもう。

観光地

フィンランド/loyly(ロウリュ)

休憩しながらお酒も飲める

国営のサウナ施設だが、レストラン併設で激烈にオシャレ。バルト海で体を冷やすこともできる。サウナ観が変わったくらいよかった。

アイスランド/サウスコーストツアー

虹の端が見えることも

ゴールデンサークルと呼ばれるツアーと、ブルーラグーンという温泉に行くのがアイスランド旅行の鉄板だが、ゲームオブスローンズファンの自分としてはブラックサンドビーチがいちばんグッと来た。滝と氷河もいい。

ノルウェー/プレーケストーレン

怖いけど絶景

説教台という意味の崖。フィヨルドを見渡せる絶景は片道2時間ほどの登山道を進めばたどり着ける。ふもとの宿で一泊して早朝からヘッドライトつけて行くと日の出が見れて人も少なく楽しい。

デンマーク/デザインミュージアム

モダンみ

デンマークのデザインを、最近のアートから、建築、プロダクトに至るまで、ものすごい物量で見ることができる。資源のない国の想像力を思い知りたければここへ。

ドイツ/テンペルホフ空港

ウインドスポーツが楽しそう

かつてベルリンの壁に囲まれた西ドイツに物資を運ぶためだけにあった空港。今は公園として開放されており、自由に過ごす人たちを見ることができる。当時の飛行機も。

チェコ/聖ヴィート大聖堂

経年変化が味になっている外観
実物はすごい

プラハ全体が見渡せる城の敷地内にある。ステンドグラスが圧巻。カトリックが濃かった時代の芸術的才能が結集している様を感じることができる。

オーストリア/ウィーン学友協会

ヅラだけど演奏技術はすごい

市民が気軽に楽しむことのできるオーケストラ会場。エンタメ色強めだが、それが生活と音楽が近い国のトーンなのだろう。

イタリア/アレッツォの骨董市

なんでもある
教会前では子どもたちがサッカーしてる

ライフイズビューティフルのロケ地となったアレッツォは、イタリアの大都市でもなく、かと言って田舎というわけでもなく、過ごしやすい街。オールドタウンの広場で開かれる骨董市は見ているだけで楽しい。レストランもそんなに高くない。

イタリア/ベネツィアの広場のカフェ

世界最古カフェで、イタリア音楽のカルテット演奏を聴きながら、カフェラテを飲むのがいい。なぜならカフェラテが生まれたのもまたこの店だから。コーヒーとミルクが別々で出てくるのも昔から変わらないスタイル。演奏は明るくなめらかなのに、それが悲しく聴こえてくるから不思議。

イギリス/ロンドン自然史博物館

クジラの骨がお出迎え
恐竜もたくさん

クジラや恐竜の骨が見たければココ。イギリスではアートは福祉という考え方なので、入場料は無料。大英博物館に飽きたら。

スペイン/カンプノウ

もし試合があるなら是非観戦すべし
試合がなくてもカフェは開いてる
レプリカユニフォームも買える

サグラダファミリアやグエル公園はどうせ行くだろうから、せっかくならFCバルセロナのホームスタジアムを訪ねてみよう。ショップやカフェもあって楽しめる。

そして、せっかくなので、コレがうまかった!もランキング形式で紹介しよう。

料理

1.デンマークのニシンの酢漬け

底にはマヨネーズソース

感動した。この旅いちばんのうまさ。元々酸っぱいもの好きではあるが、鯖寿司のような魚と酢の相性にぶっ飛んだ。異国に運んで外交のお土産にしたというのも頷ける。現地在住のご夫婦にご馳走していただく。

2.フィンランドのブランチ

前菜で満足
メインのトースト
アイスクリームとあったかいパン

アラビア・イッタラデザインセンターを出てすぐのところにあるレストランで食べたブランチセット。とにかく品数が多くてひとつひとつがおいしい。4,000円くらい


3.ローマのカルボナーラ

イタリー亭と同じ味。つまり銀座のあの店は本当に本格派だったんだ!という逆ウミガメのスープ現象。液状ではなく固形のチーズと塩っ気の濃いベーコンが本場の味わい。

4.バラマーケットのマッシュルームリゾット

秋の香り

ロンドンのフードマーケットで食べた。大鍋で一気に炒めたリゾットには、秋の味覚であるきのこ類がどっさり入っており、チーズと薬味をたっぷり振りかけてくれる。寒い季節に外で食べるのも良かった。

5.ザルツブルクのザッハトルテ

ホテルザッハーのザッハトルテ。チョコとスポンジの間にアプリコットジャムが塗ってあって甘いが、一緒に出てくる生クリームもカフェラテも甘味はなくむしろ苦いので、味が中和されて、甘さと苦味のグラデーションを楽しむことができる。

ヨーロッパをめぐる時に迷うのが移動手段だ。飛行機、バス、電車、船。いろいろあるがどれも楽しい。印象的だった乗り物を紹介したい。

乗り物

電動キックボード

ヘルシンキ
Uberの資本も入っている
レイキャビクのおじさんズ

これはもう、ヨーロッパならどこにでもあった。特に北欧では、電車もバスもトラムもスマホアプリで決済できて、キックボードにも無免許で乗れるので、テクノロジーとキャッシュレスの社会実装がとてもなめらかにすすんでいると感じた。ぜひ乗ってみてもらいたい。自転車用の道路も整備されていて、思ったより安全だから。

大型フェリー

ずっと海
でかい
船籍によって意匠が変わる

オスロからコペンハーゲンまで寝室つきの船で移動する。途中フィヨルドが見えるが、遠いので迫力は感じない。しかし海の上で一泊して朝起きたら水平線しか見えない、というのはいいものである。

鉄道

アルプスをチラ見
リアル世界の車窓から
日本のお菓子でほっとする

ヨーロッパの高速鉄道は日本の新幹線と違って、専用のレールをひいていない。だからのんびりした旅路となる。まさに世界の車窓からの雰囲気だ。ウィーンからイタリアへ向かうと、チラッとアルプスが見える。スイスに行かなかったので、少しでも雪が見えるとうれしい。

ロンドンの地下鉄(UNDERGROUND)

犬もミュージシャンも乗ってくる

世界最古の地下鉄はロンドンで生まれた。カマボのような狭い車体、空調の効いていない車内、つながらない電波。先につくったからこその不便さ、殺伐とした雰囲気がたまらない。高いけど。

まとめ

ヨーロッパは古いものがよかった。新しいものへの勢いで言うとアジアの方が感じられたが、若さというより大人の魅力、クラシックの良さ、伝統の重み、みたいなものを味わえた。

また、数々のコンテンツの元ネタを発見し、計らずも聖地巡礼のようになった。オリジナルに触れることで、自分が好きだった作品理解がより深まる気がして、なんらかの創作にも活かしていけそうだな〜と思った。思っただけかもしれないが。

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