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『ゆく人くる人』
この病棟に転院してから、もう何人か退院していった。
近い時期に病棟に入った同年代の方も退院していった。
望んで入院期間を延ばしているようにも感じたりするが、病状や回復目標の違いといった個々人毎の違いが、まずは大きいのではないかと思う。
私の場合、直ぐに復職できるほどと言うのがあるので、まだリハビリなわけだけれど、健康保険の都合もあるようだ。
退院する方がいれば、転院や入院してくる方もいるのは道理。
退院した方より少ないが、新たにやってきた方もいる。
「先生、先生、お願いします。」
今度来た方も糖尿病らしく食事時に、血糖値のチェック、食前薬とあり、血糖値が高ければ食事前にはインシュリン注射を打たなければならない。
「先生、先生、食事はいつ来るの。」
朝に採血を受けたけれど、毎食検査に注射もあるよは、しないで済みたいと正直思う。
「先生、先生、私まだ食事が出てないんだけど。」
ユニフォーム姿の人は、皆"先生"と、どんな状況であっても、容赦なく声をかけられる。
相手の状況を理解できないことが理解できない方もやってきて賑やかにはなったが、行動をそのまま受けて対応してしまうと、健常者寄りだと苛ついたりすることもあり得るなと感じてしまう。
そんな方を毎日の様に直接相手している、看護師や助手、介護士の方々は、どんな教育を受けて今に至っているのだろうと思ってしまう。
皆さん、有難うである・・・。
続く・・・
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