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ロゴデザインメイキング Vol.1

こんにちは。デザイナーのRSです。

去年弊社では、「NEXT IDOL GRAND PRIX 2019」というイベントを開催することになり、それのロゴデザインを担当することになりました。かなり大規模なイベントで、社長や外部の人を巻き込みプレゼンする必要があるプロジェクトでした。ここまで大規模なイベントの看板であるロゴデザインを担当するのは初めてだったので、反省するべき点も多々ありましたが、いい経験になったので、0ベースから完成に至るまでの工程(プレゼン等含め)をご紹介していきます。


1.方向性の確認

まず最初に依頼者の方たちが求めるデザインの方向性をすり合わせるため、ヒアリングを行います。アイドルと大会(グランプリ)のデザイン市場を調査し、三方向の提案を行いました。参考画像だけ集めて相談でもよかったのですが、イメージがつきやすいように簡単なラフも用意しました。今回は方向性を決めることを目的としているので、提案するデザインの方向性は絞らずに振り幅を広めにしています。

A)キャピキャピ王道アイドルトーン

「カラフル」「丸みのあるフォント」「キラキラ」「可愛い」を「王道のアイドル感」を意識したデザイン。

スクリーンショット 2020-08-27 19.41.26

B)シンプルフラットグラデーション

Aより鮮麗されたシンプルなデザイン

スクリーンショット 2020-08-27 19.41.39

C)グランプリ&V.I.P感推しの重量級

アイドルよりグランプリ、VIPな高級感の方に比重を置いたデザイン 

スクリーンショット 2020-08-27 19.42.15

以上の3つを提案した結果、アイドルのイベントと一目でわかり、且つ高級感のあるものにしたいという方向に落ち着き、AとCをミックスさせるようなデザインで進めることが決まりました。

確かにBはこれからアイドルの頂点を目指す若手のアイドルにしては尖りすぎててちょっと近寄りがたいイメージがあるかもしれませんね。

また最初の打ち合わせだったのでロゴの用途などのヒアリングを行いました。

・スクエア型と長方形の2種のロゴが必要
・イベントポスター、フライヤー、チケット、web 等で使用される

・このイベントはアイドル業界でどういう位置に立ちたいのか?
 →漫才でいうM1、格闘技でいうK1のようなかなり大規模。

以上のFBをふまえつつ次の打ち合わせに向けて、ロゴを書き起こしていきます。


2.ラフの提案

今回はモチーフ違いの3種類に分けてラフを作成しました。

A.月桂樹 B.アイドルシルエット C.王冠

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また、その中でジャンル分けをしていきました。

① シンプルな大衆受けデザイン、幅広いアイドルの集客が狙い
② サブカルっぽさを意識した手書き風デザイン。狙いとしては地下アイドルっぽさ、ニッチな感じを表現。
③ ①と②を組み合わせたシンプル+手書きデザイン。

ここではロゴの形を重視してもらうためモノクロで提案しています。(ロゴのカラーによって決められないことを避けるため)あと時間が限られていたのでスピード重視でモノクロにしているっていうのが一番でかいです…。

以上の提案の結果、重厚感がありすぎている③はなしの結果になりました。また、文字の強弱について「Next Idol Grandprix 2019」はできれば文字均等割にしたいという指摘があり次点でGrandprix2019が完全に添え物になってしまっている③もなしの方向性になりました。

現在は不要な部分を削っていき、更に磨きをかけていくという段階ですね。A、Bの①②をラフを引き続き詰めて、次でロゴのデザインを確定できるよう進めていきます。


3.ラフを詰めたものの提案

前回提案したものより完成度をあげ、また今回は色も加えて提案していきます。この段階ではほぼ完成形に近いイメージで作成しています。

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前回のA①をブラッシュアップしたもの。可愛くもありつつ、洗練されたものを意識してシンプルでフラットに仕上げて装飾的なものはできるだけ削っています。初期に「M-1やK-1くらいの立ち位置のアイドルイベントという話がでていたので、格式の高さを意識しています。

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他にも刺さればと思い、リボンの装飾をつけて収まりをよくしたもの、前回提案したものに引き続きアイドルのシルエット付きのものも提案しました。少し装飾を変えただけでも印象は変わるので、できる限り惜しまずに多少の違いでも提案していきます。

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次にA②前回の手書き風のものをブラッシュアップしたものです。素材感でも印象が結構変わりそうな感じだったので、つるっとした質感、コミカル調、電光っぽい質感になど諸々提案してみました。

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他にも上記のようにたくさんイメージを提案しています。中には個人的ボツ案だなと思うものがちらほらあります。(もちろん大半は選ばれても問題ないクオリティで作っていますが)自分的に出来が納得いかなくても依頼の方に刺さるようなら、磨きあげて更にいいものに作り直していきます。また、あえてボツ案もお見せするのは自分の一押しアイデアをよりよく見せるためでもあります。(今回個人的に一押しはA①、A②のため提案順を最初の方に持っていっています…。)

そして提案の結果、A2が選ばれました。自分の一押しであるデザインが選ばれほっと胸を撫で下ろしました…。また話し合いで最近のアイドルはあまりカラフルな色合いを使わない、という意見も頂いたので、最近のアイドルコンテンツの色の調査をしつつ、A2でカラーバリエーションを出していきます。


4.ロゴ最終案の提案

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前回からのA2案に引き続き、カラーバリエーションを出していきます。また様々な用途を考慮してモノクロverも提案しました。

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またこのロゴで本当に大丈夫かひと押しができればいいので、WEBサイトやチラシなどにはめ込んで提案していきます。実際にこのロゴが使われたらどんなクリエイティブができるのか、テンションをあげるノベルティを提案していくと、デザイナー以外の方々の想像力広がりロゴも決まりやすくなると思います。なので今回はTシャツやパーカーなどスタッフに着てもらうことを想定して提案してみました。

パーカー

提案した結果、パーカーの評判がよく、早速スタッフTシャツなどの制作が進められることになりました。このようにデザイナーが提案したものから発展することがあるので今回の動きは嬉しい限りです!!

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無事ロゴデザインもこちらにFIXという形になりました。上記に提案したもの以外にも大量のロゴを作成して、他の業務を遂行しつつですが丸々1ヶ月ほど時間がかかったのでかなり大掛かりなデザイン作成でした。現在のロゴデザインはこれほど時間をかけて制作することはありませんが、いい経験になったのは間違いないです。

反省点としては、初期に提案したこの方向は違うよね、と言われたシンプルフラットグラデーションのような完成系になったところでしょうか…。最初の提案の仕方でよりわかりやすい参考画像を集めたり、2)ラフ提案でもう少し絞っていたら、更に決めやすく短い期間で制作ができたのかなとも思います。ともあれ試行錯誤しながらも、企画者の方とデザイナー、どちらとも納得のいく仕上がりになってよかったと思います。


以上、ロゴデザインメイキングVol.1でした。現在多数のロゴデザインの仕事をしているので、他のメイキングも今後更新できればなと思っています。

長々とお付き合い頂きありがとうございました!

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