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カール・アンドレ 彫刻と詩、その間

DIC川村記念美術館にて、カール・アンドレ展を観た。
1960年代後半のミニマル・アートを代表する彫刻家カール・アンドレ。埼玉県立近代美術館の竹岡雄二展に関連して興味を持っていたが、実際に作品を見るのは初めてだった。
本展は日本の美術館における初めての個展であり、彫刻だけでなく詩もまとまったかたちで紹介されている。
なお、作家は展示準備期間中の2024年1月24日、88歳で亡くなっている。

石や金属、木材が規則的に置かれた彫刻作品は、「場(プレイス)としての彫刻」という作家の言葉どおり、展示スペースを変容させる力を持っているように感じた。作品の一部は上を歩けるようになっており、靴を履いたままではあるが金属の素材感を確かめられた。

詩の作品群は、コンセプチュアルであり、彫刻的でもある、不思議な感覚。彫刻とのはっきりとした関連は言葉にできないが、それを展示室で考えながら観るのもおもしろかった。

ちなみに、DIC川村記念美術館は、カール・アンドレと1歳差で親交の深かったフランク・ステラの作品を数多く収蔵しており、本展に合わせてステラの「ブラック・ペインティング」シリーズが紹介されていた。ステラも2024年5月4日に亡くなっている。

会期は2024年6月30日(日)まで。
https://kawamura-museum.dic.co.jp

DIC川村記念美術館のエントランス。右手前の作品は、フランク・ステラ《リュネビル》1994年
カール・アンドレ展のエントランス
アンドレの肉声の録音が流れる。内容は以下のとおり。

preface to my work itself

in, is, my, of, art, the, into,
made, same, this, work, parts,
piled, piles, broken, pieces,
stacks, clastic, stacked,
identical, interchangeable
残念ながら展示室内(というか美術館の作品)は撮影禁止なので、フライヤーの写真を掲載
美術館の設計は海老原一郎。二つの円が特徴とのこと
海老原が最後にデザインしたというステンドグラス
あいにくの曇天だったが、庭園は気持ちよかった
おみやげにステラのポストカードを

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