【ゲームレビュー】ウツロマユ- Hollow Cocoon(デモ版) -"微細な表現、美しく恐ろしい日本風景”

表題の通り、今回は”ウツロマユ- Hollow Cocoon(デモ版)”をプレイした感想を書いていきたいと思いますよ。予め言っておきましょう。非常に出来が良く、製品版に胸を高鳴らせる一作だと私は思ってます。
ホラーゲームとのことですが、ウォーキングシミュレーターでも通じるグラフィックに注目です。

ゲーム概要

以下ストアページより引用
《『ウツロマユ - Hollow Cocoon -』とは》
1980年代の日本を舞台にした、一人称視点のホラーアドベンチャーゲームです。
プレイヤーは祖母危篤の報を受け、十数年ぶりに母の故郷を訪れた男子大学生「陣場湊(じんばみなと)」となり、襲いかかる化物から身を隠しつつ、様々な場所を探索し、謎を解き、資料を収集してゆくことによって、隠された恐ろしい真実に迫っていきます。

幼い頃に会ったきり疎遠かつ、主人公の母の葬式にも出ないために祖母に対して嫌悪感を抱いていた主人公、父の頼みということもあり、祖母のいる村へ…という導入。

ジャンルとしてはホラーアドベンチャー、マルチエンディング&難易度選択が可能とのこと。

”蚕”という珍しいテーマ

皆さんは蚕(かいこ)をそもそもご存じでしょうか?
絹(silk)の糸になる繭を作るカイコガの幼虫。白い身体に眼のような黒い模様がある。眼状紋というらしいですね。

そしてこの蚕、人間による長年の品種改良で作られた虫、成虫になっても飛ぶことはできず、ご飯を食べることもできません。1週間ほどの命。

「――お蚕様はね たとえ繭を出られても
 もう口はないし 飛ぶこともできない 卵を産んで死んでしまうの」
「人がそういう虫にしてしまったのよ」
主人公が唯一覚えている祖母との会話。

そんな蚕の生まれながらの宿命、自由の無い束縛された姿がテーマになっているようです。
仏教の”蚕繭(さんけん)のたとえ”のお話が基になってるのかな?と思いつつ、そんな悲しい蚕がテーマという珍しさ。

幼虫の姿ならまだしも、例え成虫になれても自由はない。人間でも時として当てはまるのかもしれません。

山中の日本家屋、その姿が香る微細なグラフィック

このデモ版では実際ホラー要素はそこまで多くはありませんでした。
ジャンプスケアの一つもあるかな?と思っていたんですが笑。
ただ、夕暮れの山中に感じる”言葉にならない怖さ”を感じさせてくれました。

と言うのも、本作の非常に細かい、”細部まで凝った”グラフィック作り、こだわりがその源泉ですね。

割とある話なのですが、外の風景が綺麗!ってケースはあります。
一方で、建物の内装が荒かったり、一辺倒に見えてしまうとちょっと気落ちしちゃったり…
だが、本作のグラフィックにはそういう妥協感がないんです。

メインステージになる家屋までの道のり、すすきがゆらぎ、風を感じる風景は必見、そして何よりこの家屋の中。こだわりの塊。
建物全体に経年劣化を感じさせるほころびが見えるのは勿論、柱の木目、その黒ずんだ部分もわかるレベル。

正直驚いたのは、”仏壇”まで実物そっくり、法名まで書いてあるのがわかるって初めてでした。お風呂場のタイルとセメントのあの感じ、まさに母方の実家が改築する前に見た光景ですよ。
あの湿っぽさと木造ゆえの埃っぽさって言うんですかね?

とにかーくリアル、リアルが故に”感じたことのある不気味さ”が画面を通して伝わってきましたよ。おなじみ謎のこけし、日本人形さんもございます。

最後に

あまり長くなっても仕方ないので、まとめます。
”非常に期待できるホラー作品”ですね。

ストーリーがどうなるのか、ゲーム性が製品版でどのような形になるのか気になる所ですが、現段階でこのグラフィックのクオリティ、そして”こだわり”を感じる、まさに期待大です。

是非ウィッシュリストへ(`・ω・´)ゞ

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