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2021年東京都議会議員選挙レポート

 7月4日(日)、東京都議会議員選挙が投開票された。
 結果は次の通りとなった。

自由民主党     33(+8)
都民ファーストの会 31(-15)
公明党       23(±0) 
日本共産党     19(+1)
立憲民主党     15(+7)
東京・生活者ネットワーク  1(±0)
日本維新の会     1(±0)
無所属        4(±0)

 前回歴史的大敗を喫した自民党は議席を増やしたものの思ったほど延びず、第1党は確保したものの公明党と併せても都議会過半数には及ばない結果となった。
 一方苦戦が予想されていた都民ファーストの会は15議席減に留まり、かろうじて惨敗は免れた。
 公明党は8回続けての全員当選。共産党は前回より1議席上乗せ。立憲民主党は前回よりほぼ倍増の躍進だった。
 生活者ネットワークと維新の会は前回と同じ選挙区で議席を獲得するに留まった。
 国民民主党と、れいわ新選組は議席獲得出来なかった。
 古い政党から国民を守る党(古い党)は、選挙期間中の6月28日に「嵐の党」に党名を変更していたが、推薦候補3名を含め、全員が供託金没収の惨敗となった。

 今回、私は事前に各党の獲得議席数を予想していた。

自由民主党     52(+27) 最低32〜最高60
公明党       23(±0) 
日本共産党     19(+1) 最低10〜最高22
立憲民主党     16(+8) 最低4〜最高26
都民ファーストの会 10(−36) 最低3〜最高37
東京・生活者ネットワーク 3(+2) 最低0〜最高3
日本維新の会     2(+1) 最低0〜最高3
無所属        2(−2) 最低1〜最高5

 一応すべて最小値と最大値の範囲内には収まっているのだが、自民党の大勝と、都民ファーストの会の惨敗を予想していたので、結果を大きく外してしまったことになる。ただ、多くの人が今回は公明党の取りこぼしがあると予想している中、これまで通り全員当選を的中させたのは見事だったなと我ながら満足している。共産党も具体的な候補者の当落は外しているものの、19議席という数値は一致した。立憲民主党も予想より1議席だけ少ない結果だった。
 
 各選挙区の予想と結果を振り返ってみたい。

◆千代田区(定数1)

〈予想〉
〇内田 直之 57 自民党・新(公明党推薦)
 冨田 直樹 45 共産党・新
▲平  慶翔 33 都民ファーストの会・現(1)
 浜森 香織 42 無所属・新
〈結果〉
当選8,149平  慶翔 33 都民ファーストの会・現
  7,240内田 直之 57 自民党・新(公明党)
  4,278浜森 香織 42 無所属・新
  3,189冨田 直樹 45 共産党・新

 私の予想は自民党の内田直之候補の当選だったので、予想を外している。千代田区は港区、新宿区と共に衆議院東京都1区に所属している。1区というのは都道府県所在地が含まれており、選挙においては「1区現象」と呼ばれる波乱がおきやすい。
 今回の都議選でも、事前に好調だと言われていた自民党の有力候補が破れ、まさしく今回の都議選を象徴する結果となった。
 自民党の内田直之都議は、「都議会のドン」と言われた内田茂・元都議の娘婿。前回失った自民党の議席の奪還に意欲的であった。だが結果は、板橋区から移ってきた落下傘候補の平慶翔都議に破れている。1月の千代田区長選挙において、都民ファーストの会都議だった樋口候補が自民党候補らを破って勝利。その勢いが都議選でも再現された。内田候補は区長選において義父の内田茂元都議と確執のある自民党候補を支援しなかったと言われるが、その凝りがあったのかもしれない。自民党支持者の中には内田候補支援をためらった人もいただろう。
 浜森香織候補には一部の区議が支援していたが、予想以上に善戦しており、一部の自民党支持の票が流れたのではないだろうか。

◆中央区(定数1)

 〈予想〉
 池辺  愛 40 都民ファーストの会・新
 岸野 智康 26 維新の会・新
◎石島 秀起 61 自民党・新(公明党推薦)
 松田 朝子 61 立憲民主党・新
〈結果〉
当選19,272石島 秀起 61 自民党・新(公明党推薦)
  14,042池邉  愛 40 都民ファーストの会・新
  10,251松田 朝子 61 立憲民主党・新
     7,839岸野 智康 26 維新の会・新

 ここは順当に自民党の石島秀起候補が当選したが、島部を除くと自民党唯一の1人区勝利となった。
 前回は都民ファーストの会の西郷歩美候補が当選したが、その後離党して日本維新の会入り。今回は不出馬となった。都民ファーストの会はお笑いコンビ元モエヤンの池辺愛候補を擁立。「ヌーブラヤッホー」では勝負になるまいと予想していたが、意外にも健闘していた。
 維新の会は元ミスター慶應の岸野智康候補を擁立したが、遠く及ばず惨敗となった。

◆港区(定数2)

 〈予想〉
〇入江 伸子 59 都民ファーストの会・現(1)
◎菅野 弘一 62 自民党・現(2)(公明党推薦)
▲大塚 隆朗 61 立憲民主党・元(3)
 河野 憲二 73 無所属・新
 野口 博基 47 共産党・新
 菊池 正彦 68 維新の会・元(1)
 飯田 佳宏 48 減税とうきょう・新
 上治 義仁 49 無所属・新
〈結果〉
当選19,041菅野 弘一 62 自民党・現(公明党推薦)
当選18,254入江 伸子 59 都民ファーストの会・現
  11,643大塚 隆朗 61 立憲民主党・元
    7,694野口 博基 47 共産党・新
    4,093菊地 正彦 68 維新の会・元
    3,224飯田 佳宏 48 減税とうきょう・新
    1,242上治 義仁 49 無所属・新
   946河野 憲二 73 無所属・新

 港区は都民ファーストの会と自民党の現職が順当に当選した。
 今回2人区では立憲民主党と共産党が候補者を統一したが、港区では不調に終わっている。両者の得票を合わせれば当選ラインに達していた。

◆新宿区(定数4)

 〈予想〉
▲三雲 崇正 44 立憲民主党・新(社民党推薦)
 上塚 哲治 25 維新の会・新
△吉住 栄郎 47 自民党・新
 早乙女智子 60 無所属・新
 木下 陽介 35 全都黎明・新
◎古城 将夫 41 公明党・現(1)
〇大山とも子 65 共産党・現(7)
▲森口つかさ 39 都民ファーストの会・現(1)
 梅田 夏希 35 減税とうきょう・新
△秋田 一郎 55 自民党・現(4)
 山井  徹 44 日本公益党・新
〈結果〉
当選20,397大山とも子 65 共産党・現
当選18,764古城 将夫 41 公明党・現
当選17,410森口つかさ 39 都民ファーストの会・現
当選15,386吉住 栄郎 48 自民党・新
  14,469三雲 崇正 44 立憲民主党・新(社民党推薦)
  12,951秋田 一郎 55 自民党・限
    4,714早乙女智子 59 無所属・新
    4,577上塚 哲司 25 維新の会・新
    1,620梅田 夏希 35 減税とうきょう・新
   523木下 陽介 35 全都黎明・新
   356山井  徹 44 日本公益党

 共産党の大山とも子都議は8回目の当選となった。トップ当選というのはさすがである。
 公明党の古城将夫都議も上位で当選。新宿区は公明党の本拠地信濃町を抱えるだけに落とすわけにはいかない。
 都民ファーストの会の森口つかさ都議は、事前にあまり積極的な選挙運動をしていなかったとの話だったので、今回は苦しいと予想していた。だが、予想に反して当選。ここも東京1区の一部だけに、都民ファーストの会に風が吹く1区現象が見られたのだろうか。
 その煽りで自民党が1議席に留まった。区議選でトップ当選の実績のある吉住栄郎候補が当選し、5期目を狙った秋田一郎都議が議席に届かなかった。
 立憲民主党の三雲崇正候補は次点に留まったが、海江田万里元民主党代表の地元でのこの結果は厳しい。 

◆文京区(定数2)

〈予想〉
▲増子 博樹 61 都民ファーストの会・現(3)
〇中屋 文孝 55 自民党・現(4)(公明党推薦)
△福手 裕子 44 共産党・新
〈結果〉
当選30,815福手 裕子 44 共産党・新
当選30,077増子 博樹 61 都民ファーストの会・現
  25,097中屋 文孝 55 自民党・限(公明党推薦)

 激戦区だったが共産党と都民ファーストの会が議席を獲得し、自民党の中屋文孝都議が涙を飲んだ。
 立憲民主党が候補者を立てなかったこともあり、共産党の福手裕子候補の当選は予想通りだったのだが、中屋都議の落選は予想外であった。それだけ今回の自民党には“逆風”が吹いていると言えるのではないか。

◆台東区(定数2)

〈予想〉
 武田 完兵 73 無所属・新
△中山 寛進 49 都民ファーストの会・現(2)
▲小柳  茂 48 共産党・新
▲保坂 真宏 47 都民ファーストの会・現(1)
〇鈴木  純 39 自民党・新(公明党推薦)
 津村 大作 47 台東教育ネットワーク・新
 柴田 啓也 44 維新の会・新
〈結果〉
当選17,595鈴木  純 39 自民党・新(公明党推薦)
当選16,373保坂 真宏 47 都民ファーストの会・現
  15,028中山 寛進 49 都民ファーストの会・現
  12,163小柳  茂 48 共産党・新
    6,145柴田 啓也 44 維新の会・新
    1,583津村 大作 47 台東教育ネットワーク・新
   779武田 完兵 73 無所属・新

 自民党の鈴木純候補が当選し、残り1議席を都民ファーストの会の現職同士の潰し合いとなる予想は的中した。
 ただ、その中では民主党出身の中山寛進都議が有利であろうとの予想は外してしまった。

◆墨田区(定数3)

〈予想〉
◎加藤 雅之 56 公明党・現(3)
〇川松真一朗 40 自民党・現(2)
▲成田梨沙子 31 都民ファーストの会・現(1)
 大沢  昇 56 国民民主党・元(3)
△桜井 浩之 55 自民党・元(2)
▲伊藤 大気 42 共産党・新
〈結果〉
当選23,455成清梨沙子 31 都民ファーストの会・現
当選19,763川松真一朗 40 自民党・現
当選19,526加藤 雅之 56 公明党・現
  15,755伊藤 大気 42 共産党・新
  13,386桜井 浩之 55 自民党・元
    6,610大沢  昇 56 国民民主党・元

 苦戦すると予想していた都民ファーストの会の成田梨沙子都議がトップ当選。自民党は現職の川松真一朗都議のみが当選した。
 公明党は加藤雅之都議が最下位とはいえ危なげなく当選。

◆江東区(定数4)

〈予想〉
〇山崎 一輝 48 自民党・現(3)
▲白戸 太朗 54 都民ファーストの会・現(1)
△高橋 恵海 52 自民党・新
◎細田  勇 60 公明党・現(1)
▲高野 勇斗 38 立憲民主党・新
 清水 良平 43 維新の会・新
△畔上三和子 65 共産党・現(3)
 藤川 広朗 48 テレビ改革党・新
〈結果〉
当選31,864細田  勇 60 公明党・現
当選31,812山崎 一輝 48 自民党・現
当選29,136畔上三和子 65 共産党・現
当選27,650白戸 太朗 54 都民ファーストの会・現
  24,215高橋 恵海 52 自民党・新
  19,137高野 勇斗 38 立憲民主党・新(生活者ネット推薦)
  12,417清水 良平 43 維新の会・新
    3,342藤川 広明 48 テレビ改革党・新

 現職4人が議席を守った。都民ファーストの会の白戸太朗都議は苦戦すると予想していたが、自民党の高橋恵海候補に競り勝った。

◆品川区(定数4)

〈予想〉
◎伊藤 興一 60 公明党・現
〇白石 民男 39 共産党・現
▲森沢 恭子 42 無所属・現
△田中  豪 58 自民党・元
△阿部祐美子 56 立憲民主党・新
▲沢田 洋和 40 自民党・新
▲筒井 洋介 41 都民ファーストの会・新
 佐藤 政昭 67 日本公益党・新
〈結果〉
当選23,188伊藤 興一 60 公明党・限
当選22,413森澤 恭子 42 無所属・現
当選20,552白石 民男 39 共産党・現
当選20,087阿部祐美子 56 立憲民主党・新(生活者ネット推薦)
  19,696筒井 洋介 41 都民ファーストの会・新
  18,281田中  豪 58 自民党・元
  16,610沢田 洋和 40 自民党・新
    804佐藤 政昭 67 日本公益党・新

 公明党、共産党の現職が順当に当選。また、都民ファーストの会を離党した森沢恭子都議が、都民ファーストの会の刺客・筒井洋介候補を差し置いて当選した。立憲民主党の阿部祐美子候補が最下位で当選。
 区議会が2会派に分裂している自民党は、それぞれが候補を擁立。結果的に共倒れに終わり、品川区での議席を失った。

◆目黒区(定数3)

〈予想〉
△伊藤  悠 44 都民ファーストの会・現
◎斉藤 泰宏 57 公明党・現
△星見 定子 63 共産党・現
▲栗山 芳士 51 自民党・元
▲鈴木 隆道 70 自民党・元
▲西崎  翔 37 立憲民主党・新
〈結果〉
当選23,117伊藤  悠 44 都民ファーストの会・現
当選16,515斉藤 泰宏 58 公明党・現
当選16,044西崎  翔 37 立憲民主党・新(生活者ネット推薦)
  16,038星見 定子 63 共産党・現
  13,509鈴木 隆道 70 自民党・元
  10,342栗山 芳士 52 自民党・元
    2,662平松 健詩 25 無所属・新

 品川区同様候補者調整が出来なかった目黒区も自民党が共倒れに終わっている。
 都民ファーストの会の伊藤悠候補がトップ当選。2位以下は激戦になったが、公明党の斉藤泰宏都議も議席を守る。
 3位には立憲民主党の西崎翔候補が入ったが、次点の共産党の星見定子都議との得票差はわずか6票。まさに薄氷を踏む勝利だった。

◆大田区(定数7

〈予想〉
△斉藤 里恵 37 立憲民主党・新(生活者ネット、社民党推薦)
△松田 龍典 34 維新の会・新
▲森   愛 44 都民ファーストの会・現(1)
△鈴木 晶雅 63 自民党・現(5)
○藤田 綾子 46 共産党・現(1)
◎玉川 英俊 52 公明党・新
◎勝亦  聡 58 公明党・新
 岡  高志 45 国民民主党・新
 奥本 有里 44 都民ファーストの会・新
▲山森 寛之 42 自民党・元(1)
 溝口 晃一 52 無所属・新
 片岡 将志 26 心の病党・新(嵐の党推薦)
△鈴木 章浩 58 自民党・現(4)
 村元 寅次 68 選挙に私も連れてって党・新
 原  忠信 69 無所属・新
〈結果〉
当選34,328藤田 綾子 46 共産党・現
当選29,701松田 龍典 34 維新の会・新
当選27,001斉藤 里恵 37 立憲民主党・新(生活者ネット、社民党推薦)
当選26,244鈴木 晶雅 63 自民党・現
当選25,770勝亦  聡 58 公明党・新
当選25,014森   愛 44 都民ファーストの会・現
当選23,062玉川 英俊 52 公明党・新
  20,373奥本 有里 44 都民ファーストの会・新
  19,793鈴木 章浩 58 自民党・現
  12,835山森 寛之 42 自民党・元
    8,943岡  高志 45 国民民主党
    4,213溝口 晃一 52 無所属・新 
    1,548原  忠信 69 無所属・新
    1,012片岡 将志 26 心の病党・新(嵐の党推薦)
   502村元 寅次 68 選挙に私も連れてって党・新

 共産党の藤田綾子都議がトップ当選を果たした。元北区議の立憲民主党の“筆談ホステス”斉藤理恵候補も議席を獲得。日本維新の会も松田龍典候補が柳ヶ瀬裕文・現参院議員が前回獲得した議席を維持した。
 公明党は新人の玉川英俊候補が最下位と苦戦したものの、なんとか2議席を維持。都民ファーストの会は森愛都議が当選したものの、奥本有里候補は届かず1減となった。
 2議席を保持する自民党は3議席目を狙ったものの、鈴木晶雅都議の1議席に留まった。2人に絞っていれば2人共当選だっただけに悔やまれる戦略ミスである。

◆世田谷区(定数8)

〈予想〉
 大場 康宣 73 無所属・現(3)
▲福島理恵子 50 都民ファーストの会・現(1)
◯三宅 茂樹 71 自民党・現(6)
 岸  泰正 56 無所属・新
◎高久 則男 58 公明党・新
△小松 大祐 43 自民党・現(2)
△山口  拓 48 立憲民主党・現(3)
 風澤 純子 51 れいわ新選組・新
 森  里香 47 日本公益党・新
◯里吉 ゆみ 54 共産党・現(2)
△関口江利子 47 生活者ネット・新(立憲民主党推薦)
 関口 太一 45 国民民主党・元(1)
 サルサ岩渕 43 平和の党・新
△土屋 美和 43 自民党・新
△風間  穣 48 立憲民主党・新(社民党推薦)
▲木村 基成 51 都民ファーストの会・現(2)
 岡林 裕佳 51 維新の会・新
 油井 史正 77 無所属・新
〈結果〉
当選43,096福島理恵子 50 都民ファーストの会・現
当選34,225里吉 ゆみ 54 共産党・現
当選32,200高久 則男 58 公明党・新
当選26,486小松 大祐 43 自民党・現
当選25,819三宅 茂樹 71 自民党・現
当選25,644山口  拓 48 立憲民主党・現
当選23,849風間  穣 48 立憲民主党・新(社民党推薦)
当選22,040土屋 美和 43 自民党・新
  19,954岡林 裕佳 51 維新の会・新
  19,075関口江利子 47 生活者ネット・新(立憲民主党推薦)
  17,207木村 基成 51 都民ファーストの会・現
  16,344風澤 純子 51 れいわ新選組・新
    7,925大場 康宣 73 無所属・現
    7,859関口 太一 45 国民民主党・元
    2,896岸  泰正 58 無所属・新
    1,962サルサ岩渕 43 平和の党・新
    1,531森  里香 47 日本公益党・新
    585油井 史正 77 無所属・新

 最多8議席を争う世田谷区。
 前回同様3議席を狙った自民党はうまく票を分け合うことに成功。全体的に自民党苦戦の中、3議席を維持した。ポスター剥がしで書類送検され自民党を離党した大場康宣都議は票が伸びず惨敗。
 前回1、2位を独占した都民ファーストの会は、福島理恵子都議がトップ当選を果たした一方、木村基成都議が大きく票を減らして落選。今回、都民ファーストの会が2人擁立した選挙区では女性候補に票が集中し、男性候補は落選というパターンが目立っている。
 公明党の高久則男候補、共産党の里吉ゆみ都議も議席を獲得。 
 立憲民主党が山口拓都議に続いて、風間穣候補を当選させた。
 生活者ネットワークの関口江利子候補は届かず、次点に入ったのは維新の会の岡林裕佳候補。苦戦すると予想していたので意外な結果であった。

◆渋谷区(定数2)

〈予想〉
▲中田 喬士 31 立憲民主党・新
▲龍円 愛梨 44 都民ファーストの会・現(1)
◯前田 和茂 51 自民党・元(1)(公明党推薦)
◯大津 浩子 61 都民ファーストの会・現(5)
 込山  洋 47 無所属・新(スマイル党推薦)

〈結果〉
当選22,204中田 喬士 31 立憲民主党・新
当選16,346龍円 愛梨 44 都民ファーストの会・現
  15,575前田 和茂 51 自民党・元(公明党推薦)
  14,241大津 浩子 61 都民ファーストの会・現
     3,010込山  洋 47 無所属・新(スマイル党推薦)

 渋谷区は2議席とも予想を外してしまった。
 渋谷区は立憲民主党は長妻昭・元厚労相の地盤であるが、このところ民主党・民進党は議席を獲得出来なかったのだが、共産党が候補者を下げた効果だろうか、中田喬士候補がトップ当選を果たした。
 2位は都民ファーストの会の龍円愛梨都議だった。私は同じ都民ファーストの会でも議員経験の豊富な大津浩子都議の方が有力だと予想していただけ2この結果は意外であった。これまでしぶとく議席を守っていた大津都議も今回は存在感を見せる事が出来なかった。

◆中野区(定数3)

〈予想〉
△西沢 圭太 42 立憲民主党・現(3)(生活者ネット推薦)
▲荒木 千陽 39 都民ファーストの会・現(1)
◎高倉 良生 64 公明党・現(4)
△出井 良輔 48 自民党・新
 沢口 祐司 66 無所属・新
〈結果〉
当選35,749西沢 圭太 42 立憲民主党・現(生活者ネット推薦)
当選32,743荒木 千陽 39 都民ファーストの会・現
当選24,364高倉 良生 64 公明党・現
  22,527出井 良輔 48 自民党・新
    3,826沢口 祐司 66 無所属・新

 中野区は都民ファーストの会にとって正念場となる選挙区である。というのも、都民ファーストの会代表の荒木千陽都議が議席を守れるかどうかがかかっている。
 立憲民主党の西沢圭太都議がトップ当選。都民ファーストの会の荒木候補もそれに続いた。
 今回事前の予想では公明党が苦戦するとされていたが、豊島区は落選の可能性が高い選挙区の1つであった。公明党の現職・高倉良生都議と自民党の新人・出井良輔候補の競り合いの末に、高倉都議が勝った。苦戦しても最終的に勝ち残る辺り、公明党の底力を感じる。

◆杉並区(定数6)


〈予想〉
▲鳥居 宏右 50 都民ファーストの会・現(1)
▲茜ヶ久保嘉代子 45 都民ファーストの会・現(1) 
 中根  淳 48 国民主権党・新
 山名 奏子 38 れいわ新選組・新
◯原田  暁 46 共産党・現(1)
△小松 久子 69 生活者ネット・元(1)(立憲民主党推薦)
△早坂 義弘 52 自民党・現(4)
△関口健太郎 29 立憲民主党・新
 百瀬 智之 38 維新の会・新
△小宮 安里 45 自民党・現(3)
◎松葉多美子 58 公明党・現(4)
 市川 浩司 59 庶民と動物の会・新
〈結果〉
当選30,369茜ヶ久保嘉代子 45 都民ファーストの会・現
当選27,437原田  暁 46 共産党・現
当選24,735小宮 安里 45 自民党・現
当選23,827関口健太郎 29 立憲民主党・新
当選23,538松葉多美子 58 公明党・現
当選22,653早坂 義弘 52 自民党・現
  16,417小松 久子 68 生活者ネット・元(立憲民主党推薦)
  13,312鳥居 宏右 50 都民ファーストの会・現
  12,959山名 奏子 38 れいわ新選組・新  
    9,044百瀬 智之 38 維新の会・新
    2,439中根  淳 48 国民主権党・新
    1,265市川 浩司 59 動物と庶民の会・新

 杉並区も都民ファーストの会は女性現職が当選し、男性現職が落選というパターンだった。茜ヶ久保嘉代子都議がトップ当選を果たしたが、鳥居宏右都議は大差で落選している。
 共産党現職の原田暁都議、公明党現職の松葉多美子都議も無難に議席を守る。
 自民党の2人の現職・小宮安里都議と早坂義弘都議も揃って議席を守った。
 立憲民主党は2018年の区議補選で当選した関口健太郎区議が初当選した。
 前回次点の生活者ネット・小松久子元都議はまたもや次点に泣いた。れいわ新選組の山名奏子候補も届かなかった。

◆豊島区(定数3)

〈予想〉
◎長橋 桂一 64 公明党・現(5)
◯堀  宏道 56 自民党・元(1) 
 片岡 恭子 42 無所属・新
 井田 恵介 29 嵐の党・新
◯米倉 春奈 33 共産党・現(2)
▲本橋 弘隆 59 都民ファーストの会・現(1)
〈結果〉
当選24,586本橋 弘隆 59 都民ファーストの会・現
当選21,890米倉 春奈 33 共産党・現
当選19,925長橋 桂一 64 公明党・現
  17,747堀  宏道 56 自民党・元
  11,157片岡 恭子 42 無所属・新
    1,069井田 恵介 29 嵐の党・新

 小池百合子都知事のお膝元の豊島区。都民ファーストの会の本橋弘隆都議がトップ当選し面目を守った。
 共産党の米倉春奈都議は立憲民主党の支援もあって悠々当選。
 公明党はここ中野区でも苦戦。前回議席を失った自民党の堀宏道元都議と最後の1議席を争う形となったが、長橋桂一都議がなんとか議席を守る。

◆北区(定数3)

〈予想〉
◯山田加奈子 50 自民党・現(1)
△佐藤 古都 33 維新の会・新
 林元 真季 25 都民ファーストの会・新
◎大松  成 60 公明党・現(4)
▲曽根  肇 69 共産党・現(6)
〈予想〉
当選30,417山田加奈子 50 自民党・現
当選29,416曽根  肇 69 共産党・現
当選27,580大松  成 60 公明党・現
  23,323佐藤 古都 33 維新の会・新
  20,755林元 真季 25 都民ファーストの会・新

 前回都民ファーストの会で当選した維新の会の音喜多駿参院議員の票の行方が焦点となる。
 維新の会からは補選にも出た佐藤古都候補、都民ファーストの会からは林元真季候補が立ったが、結果的にどちらも落選となった。
 補選で当選した自民党の山田加奈子都議がトップで再選。
 共産党の曽根肇都議と公明党の大松成都議が議席を守ることとなった。

◆荒川区(定数2)

〈予想〉
▲滝口  学 50 都民ファーストの会・現(2)
 山川 裕菜 37 無所属・新
 山本  剛 43 減税とうきょう・新
◎慶野 信一 45 公明党・現(1)
 鈴木 賢一 59 共産党・新
◯崎山 知尚 55 自民党・元(2)
〈結果〉
当選19,493慶野 信一 45 公明党・現
当選17,138滝口  学 50 都民ファーストの会・現
  14,249崎山 知尚 55 自民党・元
  11,885鈴木 賢一 59 共産党・新
    5,023山川 裕菜 37 無所属・新
    3,789山本  剛 43 減税とうきょう・新

 前回と同じ結果となった。公明党現職の慶野信一都議がトップ当選。都民ファーストの会の滝口学都議も議席を守る。
 前回破れた自民党の崎山知尚元都議の返り咲きならず。逆風だった前回よりも得票を減らしており、自民党への信頼はまだ回復していないようである。

◆板橋区(定数5)

〈予想〉
△河野 雄紀 51 自民党・元(1)
 前田順一郎 46 維新の会・新
△徳留 道信 69 共産党・現(2)
△宮瀬 英治 44 立憲民主党・現(2)(社民党推薦)
◎鎌田 悦子 48 公明党・新
△松田 康将 44 自民党・元(1)
▲木下富美子 54 都民ファーストの会・現(1)
 橋本 久美 51 無所属・新
 内山美津子 69 無所属・新
 太田 雅一 62 無所属・新
〈結果〉 
当選33,835鎌田 悦子 48 公明党・新
当選31,201宮瀬 英治 44 立憲民主党・現(社民党推薦)
当選29,767木下富美子 54 都民ファーストの会・現
当選25,703松田 康将 44 自民党・元
当選25,027徳留 道信 69 共産党・現
  24,066河野 雄紀 51 自民党・元
  13,091前田順一郎 46 維新の会・新
    6,788橋本 久美 51 無所属・新
    902太田 雅一 62 無所属・新
    836内山美津子 69 無所属・新

 平慶翔都議が新宿区に転出したため、都民ファーストの会は木下富美子都議で一本化されることとなった。そのこともあってか、木下都議は議席を守る。
 トップ当選は公明党の鎌田悦子候補。共産党の徳留道信都議と立憲民主党の宮瀬英治都議も議席を守る。前回現職2人が共倒れした自民党は今回も元職2人を擁立。松田康将元都議が議席を回復した。

 再選を果たした木下都議だが、その後投票2日前の7月2日に人身事故を起こしていたことが発覚する。その際、免許停止中だったことから無免許運転であったこともわかった。
 木下都議は「2月ごろに免許停止になったが、事故当日は停止期間が終わったと勘違いをしていた。」と語っていたというのだが、選挙期間中に自身でスクーターを運転していたところが目撃されていた。

 それ以前に、免許停止を失念するということはあり得るのだろうか。免許証の更新を忘れて失効していたことに気づかないというのであれば、十分あり得そうである。だが、免停の場合は免許証を返納するのだから、わかっていなければおかしい。木下都議は相当悪質であったように思われる。
 木下都議に辞職を求める声が高まり、そのことを重くみた都民ファーストの会は木下都議を除名処分とした。木下都議は辞職を拒否。一人会派「SDGs東京」を結成し、職務を全うするとのことである。

◆練馬区(定数7)

画像1

〈予想〉
 須澤 秀人 67 嵐の党・新
△藤井 智教 45 立憲民主党・現(1)(社民党支持)
◎小林 健二 51 公明党・現(3)
△山加 朱美 67 自民党・元(4)
△小川 佳子 53 自民党・新
▲村松 一希 40 都民ファーストの会・現(1)
▲池尻 成二 66 無所属・新(立憲民主党、生活者ネット推薦、社民党支持)
▲若旅 啓太 31 維新の会・新
〇戸谷英津子 57 共産党・現(1)
 松田 美樹 34 NHKから国民を守る党・新(嵐の党推薦)
△尾島 紘平 32 都民ファーストの会・現(1)
〇柴崎 幹男 65 自民党・現(2)
 岩江 志朗 61 無所属・新
 成田 遼介 29 無所属・新
〈結果〉
当選37,209小林 健二 51 公明党・現
当選35,286藤井 智教 45 立憲民主党・現(社民党支持)
当選32,963戸谷英津子 57 共産党・現(社民党支持)
当選26,341尾島 紘平 32 都民ファーストの会・現
当選25,183村松 一希 40 都民ファーストの会・現
当選20,839柴崎 幹男 65 自民党・現
当選20,460山加 朱美 67 自民党・元
  19,695池尻 成二 66 無所属・新(立憲民主党、生活者ネット推薦、社民党支持)
  17,718小川 佳子 53 自民党・新
  17,119若旅 啓太 31 維新の会・新
    3,669松田 美樹 34 NHKから国民を守る党・新(嵐の党推薦)
    3,368成田 遼介 29 無所属・新
    1,344岩江 志朗 61 無所属・新
   959須澤 秀人 67 嵐の党・新

 小池百合子都知事の地元ということもあり、都民ファーストの会の現職2人が議席を守ることとなった。
 3人を擁立した自民党はうち2人が当選した。練馬区は菅原一秀・元経産相の地盤であるが、自民党への逆風はさほどないようだ。
 立憲民主党は公認の藤井智教都議は当選したものの、推薦の池尻成二候補は次点に留まった。藤井都議が立憲民主党支持層の票の多くを吸収したためであり、立憲民主党の票割りがうまくいかなかったのだろう。

◆足立区(定数6)

〈予想〉
 松浦 克行 52 テレビ改革党・新
▲後藤 奈美 34 都民ファーストの会・現(1)
▲馬場 信男 60 都民ファーストの会・現(1)
◎中山 信行 62 公明党・現(4)
○斉藤真里子 46 共産党・現(1)
◎薄井 浩一 61 公明党・現(1)
○高島 直樹 71 自民党・現(5)
 松丸 恭子 49 みんなの党・新
 末武あすなろ 36 れいわ新選組・新
△和田 愛子 36 立憲民主党・新
△発地 易隆 45 自民党・元(1)
〈結果〉
当選34,223後藤 奈美 34 都民ファーストの会・現
当選29,756発地 易隆 45 自民党・元
当選29,365薄井 浩一 61 公明党・現
当選28,423高島 直樹 71 自民党・現
当選28,365斉藤真里子 46 共産党・現
当選27,493中山 信行 62 公明党・現
  18,698和田 愛子 36 立憲民主党・新
  15,309馬場 信男 60 都民ファーストの会・現
    7,996末武あすなろ 36 れいわ新選組・新
    3,924松丸 恭子 49 みんなの党・新
    3,383松浦 克行 52 テレビ改革党・新

 足立区も都民ファーストの会は女性現職が当選し、男性現職が落選するというパターンだった。後藤奈美都議は前回に続きトップ当選。
 自民党は高島直樹都議と、発地易隆元都議の2議席を獲得。公明党も前回同様2議席となったが、中山信行都議が前回に続いて最下位当選であった。
 共産党の斉藤真里子都議も議席を守ったが、立憲民主党の和田愛子候補は届かなかった。
 れいわ新選組の末武あすなろ候補は当選に遠く及ばない惨敗。

◆葛飾区(定数4)

〈予想〉
 高橋 淳也 41 テレビ改革党・新
 後藤 輝樹 38 SDGs党
○和泉 尚美 59 共産党・現(2)
○舟坂 誓生 73 自民党・現(2)
 根本 良輔 27 つばさの党・新
◎北口 剛士 46 公明党・新
 中谷 基志 49 無所属・新
▲米川大二郎 53 都民ファーストの会・現(1)
▲平田 充孝 47 自民党・新
 小川 優太 30 無所属・新
△岩崎孝太郎 39 立憲民主党・新(生活者ネット推薦)
 河合 悠祐 40 愛の力でLGBT差別・動物殺処分解決の党・新
 黒瀬 信明 36 議員を減らします党・新(嵐の党推薦)
〈結果〉
当選30,725北口 剛士 46 公明党・新
当選24,498和泉 尚美 59 共産党・現
当選23,063米川大二郎 53 都民ファーストの会・現
当選22,404平田 充孝 47 自民党・新
  16,595舟坂 誓生 73 自民党・現
  15,443岩崎孝太郎 39 立憲民主党・新(生活者ネット推薦)
     4,283小川 優太 30 無所属・新
     2,499中谷 基志 49 無所属・新
     1,892根本 良輔 27 つばさの党・新
     1,862高橋 淳也 41 テレビ改革党・新
     1,497黒瀬 信明 36 議員を減らします党・新(嵐の党推薦)
     1,326後藤 輝樹 38 SDGs党
     929河合 悠祐 40 愛の力でLGBT差別・動物殺処分解決の党・新

 泡沫候補や話題の候補者が大挙して立候補してきた葛飾区。
 公明党新人・北口剛士候補と共産党・現職の和泉尚美都議は1位と2位で当選した。
 都民ファーストの会の米山大二郎都議は前回の得票を半減させたものの議席を守った。
 自民党はベテランの現職・舟坂誓生都議が議席を失い、新人の平田充孝候補が勝ち残った。
 立憲民主党の新人・岩崎孝太郎候補は届かなかった。
 諸派の候補者は全員下位に沈んだ。特に後藤輝樹候補と河合悠祐候補は最下位を争う結果に。これらの候補者が11月の葛飾区議選に再び顔を見せるかどうかにも注目が集まる。

◆江戸川区(定数5)

〈予想〉
△上田 令子 56 無所属・現(2)
 丸山 玲子 68 維新の会・新
▲大西 洋平 43 自民党・新
△原  純子 56 共産党・新
▲よぎ    44 立憲民主党・新(生活者ネット推薦)
〇宇田川聡史 56 自民党・現(4)
◎竹平 智春 55 公明党・新
△田之上郁子 51 都民ファーストの会・現(2)

〈結果〉
当選43,077竹平 智春 55 公明党・新
当選40,061田之上郁子 51 都民ファーストの会・現
当選27,509上田 令子 56 無所属・現
当選24,960宇田川 聡史 56 自民党・現
当選24,827原  純子 56 共産党・新
  24,584大西 洋平 43 自民党・新
  20,109よぎ    44 立憲民主党・新(生活者ネット推薦)
  10,503丸山 玲子 68 維新の会・新

 江戸川区は予想を的中させた。
 公明党の新人・竹平智春候補がトップ当選。
 2位には都民ファーストの会の田之上郁子都議が入った。前回都民ファーストの会で立候補した上田令子都議が離党したため、結果的に候補者の一本化に成功したと言える。その上田令子都議も議席を守ったが、通称“お姐”として地元では人気が高いようだ。
 共産党新人の原純子候補も議席を維持。
 自民党は現職の宇田川聡史都議が議席を守るも、大西洋平候補は約2百票差で涙を飲んだ。インドから帰化した立憲民主党のよぎ候補は及ばなかった。

◆八王子市(定数5)

〈予想〉
▲滝田 泰彦 39 都民ファーストの会・現(1)
△両角  穣 59 都民ファーストの会・現(2)
◎東村 邦浩 59 公明党・現(5)
△伊藤 祥広 52 自民党・現(1)
▲西山  賢 44 自民党・新
△須山 卓知 40 立憲民主党・新(生活者ネット推薦、社民党支持)
△青柳有希子 42 共産党・新
 滝沢 景一 55 維新の会・元(1)
 押越 清悦 62 目覚めよ日本党・新
 小林  蓮 34 女性ファーストの会・新
〈結果〉
当選45,053東村 邦浩 59 公明党・現
当選28,490青柳有希子 42 共産党・新
当選26,004西山  賢 44 自民党・新
当選23,132伊藤 祥広 52 自民党・限
当選21,786須山 卓知 40 立憲民主党・新(生活者ネット推薦、社民党支持)
  20,937両角  穣 59 都民ファーストの会・現
  19,991滝田 泰彦 39 都民ファーストの会・現
    8,044滝沢 景一 55 維新の会・元
    3,095小林  蓮 34 女性ファーストの会・新
    1,048押越 清悦 62 目覚めよ日本党・新

 前回は上位を独占した都民ファーストの会が共倒れとなった。今回、共倒れは八王子市が唯一。他の選挙区の様子を鑑みるに、どちらかが女性候補であったなら、当選していたと思われる。
 公明党の現職・東村邦浩都議、共産党の新人・青柳有希子候補がそれに続く。
 自民党は現職の伊藤祥広都議と新人の西山賢候補が共に当選した。八王子市は萩生田光一文科相の地元であるが、自民党は安定の強さを見せた。
 立憲民主党の須山卓知候補が最後の1議席に滑り込んだが、都民ファーストの会の共倒れに救われた形となった。

◆立川市(定数2)

画像2

〈予想〉
 石飛 香織 37 都民ファーストの会・新
○酒井 大史 53 立憲民主党・元(4)(生活者ネット推薦)
◎清水 孝治 55 自民党・現(2)(公明党推薦)
〈結果〉
当選20,633酒井 大史 53 立憲民主党・元(生活者ネット推薦)
当選20,470清水 孝治 55 自民党・現(公明党推薦)
  14,619石飛 香織 37 都民ファーストの会・新

 立川市は清水孝治都議と立憲民主党の酒井大史元都議という実績のある候補が順当に当選。
 都民ファーストの会の石飛香織候補は知名度不足もあってか及ばなかった。

◆武蔵野市(定数1)

〈予想〉
▲土屋ゆう子 51 自民党・新(公明党推薦)
 鈴木 邦和 32 都民ファーストの会・現(1)
△五十嵐衣里 37 立憲民主党・新(生活者ネット、社民党推薦)
 遠藤 史啓 35 テレビ改革党・新
〈結果〉
当選26,878五十嵐衣里 37 立憲民主党・新(生活者ネット、社民党推薦)   
  14,751鈴木 邦和 32 都民ファーストの会・現
  14,706土屋ゆう子 51 自民党・新(公明党推薦)
    1,229遠藤 史啓 35 テレビ改革党・新

 菅直人元首相と土屋正忠・元武蔵野市長の因縁の対決は、予想通り立憲民主党の五十嵐衣里候補の勝利となった。
 都民ファーストの会の鈴木邦和都議も予想外に健闘し、土屋ゆう子候補を上回り次点に入った。土屋元市長の威光も過去のものとなったのか。

◆三鷹市(定数2)

〈予想〉
○中村  洋 49 立憲民主党・現(3)(生活者ネット推薦)
 山田 浩史 37 都民ファーストの会・現(1)
○加藤 浩司 54 自民党・新(公明党推薦)
〈結果〉
当選28,112中村  洋 49 立憲民主党・現(生活者ネット推薦)
当選20,162山田 浩史 37 都民ファーストの会・現
  17,335加藤 浩司 54 自民党・新(公明党推薦)

 立憲民主党の中村洋都議が共産党の票も吸収しトップ当選を果たした。
 都民ファーストの会の山田浩史都議が2位で議席を守る。 
 自民党の加藤浩司候補は、前回の得票を下回る惨敗。自民党への逆風はまったく収まっていない。

◆青梅市(定数1)

〈予想〉
○山崎  勝 49 自民党・新(公明党推薦)
 森村 隆行 47 都民ファーストの会・現(1)
〈結果〉
当選26,344森村 隆行 47 都民ファーストの会・現
  16,045山崎  勝 49 自民党・新(公明党推薦)

 自民党の山崎勝候補の勝利を予想していたが、意外にも都民ファーストの会の森村隆之都議が勝利した。自民党は前回の得票をも下回っている

◆府中市(定数2)

〈予想〉
○小山 有彦 45 無所属・現(3)
◎鈴木 錦治 65 自民党・元(1)(公明党推薦)
 柄澤 地平 32 共産党・新
〈結果〉
当選41,037小山 有彦 45 無所属・現
当選23,335鈴木 錦治 65 自民党・元(公明党推薦)
  15,329柄澤 地平 32 共産党・新

 無所属で立った小山有彦都議がトップで再選。町田市に転出した藤井晃都議の票も吸収し、前回より得票を増やしている。
 もう1議席は自民党の鈴木錦治元都議が返り咲き。共産党の柄沢地平候補はやはり勝負にならなかった。 

◆昭島市(定数1)

〈予想〉
○安保  満 59 自民党・新(公明党推薦)
 永元 香子 49 共産党・新(社民党推薦)
 内山 真吾 41 都民ファーストの会・現(1)
〈結果〉
当選16,078内山 真吾 41 都民ファーストの会・現
  12,158安保  満 59 自民党・新(公明党推薦)
    6,820永元 香子 49 共産党・新(社民党推薦)

 予想は自民党の安保満候補だったが、都民ファーストの会の内山真吾都議が大幅に票を減らしながらも議席を守った。

◆町田市(定数4)

〈予想〉
 今村 路加 52 無所属・元(3)(社民党支持)
 吉田  勉 73 無所属・新
 藤井  晃 39 都民ファーストの会・現(1)
◎小磯 善彦 66 公明党・現(5)
△松岡みゆき 59 自民党・新
▲鈴木  烈 47 立憲民主党・新(生活者ネット推薦)
△星  大輔 40 自民党・新
〇池川 友一 36 共産党・現(1)
 古田  真 74 土頭を働かし最高裁裁判官5人を弾劾する党・新
〈結果〉
当選27,006小磯 善彦 66 公明党・現
当選25,951藤井  晃 39 都民ファーストの会・現
当選21,445星  大輔 40 自民党・新
当選20,298池川 友一 36 共産党・現
  17,000鈴木  烈 47 立憲民主党・新(生活者ネット推薦)
  15,543吉田   勉 73 無所属・新
  14,223松岡みゆき 59 自民党・新
  13,952今村 路加 52 無所属・元
     427古田  真 74 土頭を働かし最高裁裁判官5人を弾劾する党・新

 都民ファーストの会の奥澤高広都議が不出馬となり、府中から転入の藤井晃都議がその地盤を引き継ぎ議席を守った。
 公明党の小磯善彦都議がトップ当選。共産党の池川友一都議も最下位ながら当選。
 自民党は星大輔候補のみ当選で前回と同じ1議席止まり。
 立憲民主党の鈴木烈候補は次点に終わったが、民進党出身の今村路加元都議とで票が割れたと思われる。

◆小金井市(定数1)

〈予想〉
▲漢人 明子 61 無所属・新(共産党、立憲民主党、生活者ネット、社民党推薦)
 辻野 栄作 52 都民ファーストの会・現(1)
△広瀬 真木 39 自民党・新(公明党推薦)
〈結果〉
当選18,789漢人 明子 61 無所属・新(共産党、立憲民主党、生活者ネット、社民党推薦)
  14,097広瀬 真木 39 自民党・新(公明党推薦)
    8,502辻野 栄作 52 都民ファーストの会・現

 現職の都民ファーストの会の辻野栄作都議は、まったく票が伸びず最下位で惨敗に終わる。
 接戦を制したのは野党系の漢人明子候補だった。広瀬真木候補は及ばなかった。もともと小金井市の西岡真一郎市長は立憲民主党と生活者ネットワークの推薦で当選しており、小金井市は野党系が強い地域だと言える。

◆小平市(定数2)

画像3

〈予想・結果〉
◎竹井 庸子 55 立憲民主党・新(生活者ネット、社民党推薦)
◎磯山  亮 41 自民党・新(公明党推薦)

 立候補者が定数と同じだったため無投票での当選が決まった。都議選が無投票となるのは1951年の伊豆七島選挙区(定数1)と1963年の八王子市選挙区(定数2)以来、58年ぶり3度目となる。

◆日野市(定数2)

画像4

〈予想〉
〇西野 正人 61 自民党・現(1)(公明党推薦)
△清水登志子 58 共産党・新(社民党推薦)
▲菅原 直志 53 都民ファーストの会・現(1)
〈結果〉
当選21,819菅原 直志 53 都民ファーストの会・現
当選20,520清水登志子 58 共産党・新(社民党推薦)
  18,458西野 正人 61 自民党・現(公明党推薦)

 都民ファーストの会の菅原直志都議が前回同様トップ当選を決めた。
 自民党の西野正人都議は前回の自民党候補より票を伸ばしたが、共産党の清水登志子候補に競り負けた。もともと共産党が強い地域だが、立憲民主党と社民党の支援も受け、野党共闘が効を制した。

◆西東京市(定数2)

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〈予想〉
 桐山ひとみ 50 都民ファーストの会・現(1)
〇石毛  茂 68 立憲民主党・現(4)(生活者ネット推薦)
〇浜中 義豊 38 自民党・新(公明党推薦)
 井手重美津子 57 共産党・新
〈結果〉
当選21,160浜中 義豊 38 自民党・新(公明党推薦)
当選18,580桐山ひとみ 50 都民ファーストの会・現
  16,751石毛  茂 68 立憲民主党・現(生活者ネット推薦)
  10,534井手重美津子 57 共産党・新

 自民党の浜中義豊候補がトップ当選し、自民党の議席を取り返した。
 都民ファーストの会の桐山ひとみ都議は票をだいぶ減らすも議席を守る。
 一方、都民ファーストの会から立憲民主党に移った石毛茂都議は及ばず。共産党との候補者調整か不調に終わり、野党票が割れたのが原因と思われる。

◆西多摩〈福生市・羽村市・あきる野市・瑞穂町・日の出町・奥多摩町・檜原村〉(定数2)

〈予想〉
〇田村 利光 54 自民党・現(1)(公明党推薦)
▲清水 康子 54 都民ファーストの会・現(1)
△宮崎 太朗 41 立憲民主党・新(生活者ネット、社民党推薦)
 高沢 一成 47 無所属・新
 角田 統領 72 立憲共和党・新
〈結果〉
当選27,748清水 康子 54 都民ファーストの会・現
当選26,507田村 利光 54 自民党・現(公明党推薦)
  15,077宮崎 太朗 41 立憲民主党・新(生活者ネット、社民党推薦)
    2,126高沢 一成 47 無所属・新
      555角田 統領 72 立憲共和党・新

 前回と同じ都民ファーストの会の清水康子都議と自民党の田村利光都議が議席を守った。
 立憲民主党の宮崎太朗候補はまったく票が伸びず、両者に大きく差をつけられての落選となった。

◆南多摩〈多摩市・稲城市〉(定数2)

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〈予想〉
〇小礒  明 69 自民党・元(5)(公明党推薦)
〇石川 良一 69 都民ファーストの会・現(2)
 上杉  直 41 共産党・新 
 斉藤礼伊奈 42 立憲民主党・現(1)(生活者ネット推薦)
〈結果〉
当選29,233石川 良一 69 都民ファーストの会・現
当選24,823小礒  明 60 自民党・元(公明党推薦)
  20,753斉藤礼伊奈 42 立憲民主党・現(生活者ネット推薦)
  11,333上杉  直 41 共産党・新

 元稲城市長の石川良一都議がトップ当選。自民党の小礒明元都議も議席を取り戻した。
 都民ファーストの会を離党し立憲民主党入りした斉藤礼伊奈都議は及ばなかったが、予想以上に善戦。共産党との一本化がなされていれば当選していた可能性がある。

◆北多摩第一〈東村山市・東大和市・武蔵村山市〉(定数3)

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〈予想〉
○北久保眞道 68 自民党・元(1)
◎谷村 孝彦 58 公明党・現(5)
△尾崎あや子 62 共産党・現(2)
▲関野 杜成 47 都民ファーストの会・現(1)
▲鈴木恵美子 51 立憲民主党・新(生活者ネット推薦)
〈結果〉
当選29,386谷村 孝彦 58 公明党・現
当選20,807尾崎あや子 62 共産党・現
当選19,994関野 杜成 47 都民ファーストの会・現
  19,564北久保眞道 68 自民党・元
  15,385鈴木恵美子 51 立憲民主党・新(生活者ネット推薦)

 公明党の谷村孝彦都議が安定した得票でトップ当選。共産党の尾崎あや子都議も議席を守った。
 前回トップ当選の都民ファーストの会の関野杜成都議は大きく得票を減らすもなんとか逃げ切った。自民党の北久保眞道元都議は400票差でまたしても次点となった。

◆北多摩第二〈国分寺市・国立市〉(定数2)

〈予想〉
△岩永 康代 49 生活者ネット・新(立憲民主党推薦)
 興津 秀憲 64 国民民主党・元(1)
▲岡本 光樹 38 都民ファーストの会・現(1)
○本橋  巧 38 自民党・新(公明党推薦)
〈結果〉
当選25,578岩永 康代 49 生活者ネット・新(立憲民主党推薦)
当選24,037本橋  巧 38 自民党・新(公明党推薦)
  16,695岡本 光樹 38 都民ファーストの会・現
    7,689興津 秀憲 64 国民民主党・元

 東京・生活者ネットワークの岩永康代候補が都内唯一の議席を保持した。
 もう1議席は自民党の本橋巧候補。前回失った自民党の議席を取り返した。

◆北多摩第三〈調布市・狛江市〉(定数3)

〈予想〉
▲加藤 良哉 30 立憲民主党・新
◎中嶋 義雄 71 公明党・現(6)
○林  明裕 60 自民党・現(1)
▲尾崎 大介 47 都民ファーストの会・現(4)
△田中 智子 63 共産党・元(1)(社民党推薦)
〈結果〉
当選31,103尾崎 大介 47 都民ファーストの会・現
当選24,060林  明裕 60 自民党・現
当選21,872中嶋 義雄 71 公明党・現
  21,518田中 智子 63 共産党・元(社民党推薦)
  20,069加藤 良哉 30 立憲民主党・新

 都民ファーストの会の尾崎大介都議が前回に続いてトップ当選を果たした。
 補選で当選した自民党の林明裕都議も議席を維持。
 公明党の中嶋義雄都議が大苦戦。共産党の田中智子元都議との競り合いとなった。最終的には約450票差で勝ったが、危うく落選の危機だった。公明党がそれまでの強さを失っていることが浮き彫りになった。

◆北多摩第四〈清瀬市・東久留米市〉(定数2)

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〈予想〉
△原  紀子 55 共産党・現(1)
▲細谷 祥子 67 都民ファーストの会・現(1)
〇渋谷 信之 52 自民党・新(公明党推薦)
〈結果〉
当選21,939原  紀子 55 共産党・現(社民党推薦)
当選21,202渋谷 信之 52 自民党・新(公明党推薦)
  19,893細谷 祥子 67 都民ファーストの会・現

 都民ファーストの会の細谷祥子都議が大きく議席を減らして落選した。
 当選したのは共産党の原紀子都議と自民党の渋谷信之候補。トップ当選は原都議だったが、2人区で共産党がトップに立ったのは文京区とここのみ。立憲民主党との候補者調整がうまく機能していた。

◆島部〈大島町・利島村・新島村・神津島村・三宅村・御蔵島村・八丈町・青ヶ島村・小笠原村(定数1)

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〈予想〉
 梅木 健司 70 共産党・新
◎三宅 正彦 49 自民党・現(3)(公明党推薦)
〈結果〉
当選8,907三宅 正彦 49 自民党・現(公明党推薦)
  1,970梅木 健司 70 共産党・新

 自民党現職の三宅正彦都議が大差で当選を決めた。小池百合子ブームだった前回でさえ、都民ファーストの会の候補者が大差で破れている。共産党に一定の支持があるとはいえ、島嶼部で自民党の牙城を崩すのは容易ではない。あまりに順当すぎる結果だ。

◆総括

 今回の都議会議員選挙の予想の多くはいずれも自民党大勝、都民ファーストの会惨敗というものだった。今回の結果は、それを覆すもので、事前にはほとんど考えられていなかった。いったいなぜこのようなことが起きてしまったのだろうか…。
 告示直前に入院した小池百合子都知事が退院したことで、「小池劇場」の再来があったからではないのか。7月2日の会見で都知事は「倒れても本望と思いやり抜く」と発言。翌3日には16の選挙区(18候補)を回っていた。小池都知事は酸素ボンベを携帯していたとのことであったが、このことが最終日にネットやマスコミで拡散され、同情票を集めることにつながったのだろう。
 前回大勝した都民ファーストの会が今回複数の候補者を立てた選挙区で共倒れしたのは八王子市だけであった。他はすべてどちらかの候補者は当選している。中でも世田谷区、杉並区、足立区では都民ファーストの会の女性候補がトップ当選する反面、男性候補はその半分の得票にも及ばず落選している。都民ファーストの会は12人の女性候補が当選したが、これは共産党の14人に次ぐ人数である。女性票がこうした女性候補を押し上げたという可能性があるのではないだろうか。麻生太郎・財務相が小池都知事の入院を「自分で撒いた種」と評したことも自民党にとってかなりの痛手になったのかもしれない。
 また、かなり早い段階から自民党の圧勝ムードがあり、それで自民党が実力を過信してしまったこともあったのではないか。例えば、今回自民党は2人区の目黒区で候補者が共倒れ。大田区(定数4)と品川区(定数7)では3人を擁立して1人しか当選出来なかった。もし候補者を絞っていればあと3議席は確実に上積み出来ていたということになる。自民党は議席を伸ばしたとはいえ、前回を除くと過去最低だった1968年と2009年の38議席を下回っている。
 逆に野党勢は立憲民主党と共産党および生活者ネットワークの選挙区の住み分けがうまく機能した。1人区では武蔵野市(立憲民主党)と小金井市(無所属)で野党系が勝利。さらに8つの2人区で野党系の候補が勝っている。住み分けがうまくいかず共倒れした港区、西東京市、南多摩も、もし一本化されていれば数字上は当選することが出来ていた。
 立憲民主党が選挙前の8議席から15議席にまで伸ばしたのは、確かに躍進である。しかし考えてみると、これは旧・民主党が惨敗して都議会第一党から陥落した2013年都議選の議席と同じ数である。しかも、当時は共産党との住み分けはなされてはおらず、共産党と競合する中で獲得した議席であった。共産党の協力がなければもっと議席は少なかっただろうから、国政野党第一党としてはかなり心もとない。そして同時に、共産党が野党共闘の受け皿になっていることも示している。以前であれば、共産党が野党統一候補となった場合はそれほど票が伸びなかっただろう。それが、今回は2人区の文京区、日野市、北多摩4で共産党は議席。大田区や新宿区でもトップ当選しており、共産党アレルギーが都民においてだいぶ薄くなっているように感じる。こ来たる総選挙でも野党の共闘は一層促進されていくことになるであろう。
 こうして考えると、今回の都議選では議席を減らした都民ファーストの会は元より、議席を増やした自民党と立憲民主党のどちらも勝ったとは言いがたい。結局誰が勝ったのかはっきりしない、勝者不在の結果だといえる。
 今後、小池都知事は都政運営をどう行なうつもりなのだろうか。都民ファーストの会は自民党を議席数で下回ったとはいえ、その差はわずか2議席。
無所属議員の取り込みを計るのではないか。今回当選した無所属議員4人のうち、漢人明子都議(小金井市)は緑の党出身だが、残り3人はもともと都民ファーストの会に所属していた。
 そして、都民ファーストの会は政権与党と政権野党どちらと組むのか。自民党と公明党の政権与党は計56議席。立憲民主党、共産党、生活者ネットワークの政権野党は計36議席。そのどちらと組んでも小池与党は都議会過半数となる。しばらくは各派による激しい多数派争いがあるのだろう。

 これで都議選は終わりだが、政局はまだ動いている。秋にも解散総選挙が予定されている。政権幹部は都議選はあくまで一地方選挙であり、国政とは関係ないと語っていたが、決してそんなことはない。各党とも今回の反省を踏まえ、次の戦略を練っていることであろう。
 私も都議選の各選挙区の予想と結果を振り返り、次の総選挙に備えようと思う。さすがに全国の小選挙区の予想を立てるのは大変だが、せめて都内の25選挙区の予想だけでも立てらればと思っている。

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