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ダイエット成功から過食嘔吐に手を染めるまで

【ご注意】
過食嘔吐にまつわる表現があります。嫌悪感をお持ちの方はご覧にならないことをおすすめします。

一昨年25kgのダイエットに成功した。
が、その反動からだろうか。衝動的に過食することが増えてしまった。
今日はその過程を振り返っていきます。

ストレス発散方法を模索していた時期

もともと私のストレス発散といえば、飲食・喫煙・ショッピング。
この3つのうち飲食と喫煙は、ダイエットと禁煙によってその道を閉ざされてしまった。

仕方がないので、はじめはショッピングに全力を注いだ。
気に入った服は色違いを全部買ったりした。周りからしたら病的に映っただろうな。

クローゼットがいっぱいになり、「たくさん服があったとて着れる体は一体しかない」ということに気がついたあたりで、今度はお金を使い道を「サービス」に切り替えた。さほど効き目を感じないマッサージに諭吉を使ったり、やたらめったらしんどいパーソナルトレーニングで、トレーナーさんおすすめの健康食品を買ったりしていた。

お金は払えども、「これじゃない」感が拭えなかった。
なにをしたって、心は満たされなかった。

はじめての過食嘔吐は軽い気持ちだった

ある時、遠方に外泊する機会があった。
大阪ミナミの繁華街、ビジネスホテルにひとり。

せっかく来たのだから、とこれまで厳しく制限していた炭水化物に手を出した。

豚まん、チーズケーキ、たこ焼き。しまいにはドンキで焼き芋、韓国ラーメン、お菓子といった、もはや大阪に関係ないものまで大量に買い込んだ。
ホテルの部屋にこもって、ひたすら食べた。気持ち悪くなるまで食べて、限界を感じたら吐き出して、また食べて。グッタリするまで繰り返した。

冷静に考えればこの時の私は、明らかに道を踏み外してしまっていた。
が、本人は楽しくて仕方なかった。私の快楽はやはり食べることにあるのだ!と、「道を踏み外した」どころか「道を切り拓いた」くらいの爽快感があった。

初めはほんの軽い気持ちだった。
旅先での特別なアクティビティ、くらいに思っていた。

でも、帰って来てからも人目を盗んで繰り返すようになった。
過食嘔吐はまるで薬物のように、私の心と体を蝕んでいった。

過食、やめられないとまらない

それから、私の体重は10kgくらい戻ってしまった。

「え?吐いてるのに?」

そう。結局全てをうまく吐き出せているわけではないから、多少吸収してしまっている。
それに、いつでも上手く吐き出せるわけではなくて、「こんなに食べたのに全然出せない!」と狼狽える日もある。

せっかくダイエット期間に胃袋を縮めたというのに、すっかりブラックホールのようになってしまった。
人と食事をするときにかならず「よく食べるね」と言われる。でも、何人前食べようが、自身にはまったく満腹感がない。

満タンになるのに時間とコストがかかるようになってしまって、初めは楽しかった過食嘔吐も、いまは苦痛。

「苦痛ってことは、もう止めたのね」

否。あいにく現在進行形です。

衝動にまかせて、たいして食べたくないものを詰め込む。
罪悪感に苛まれて、吐き出す。
そこに、当初の爽快感はもうありません。そうすることでしか自分を保てないんだもの。

今後どうしよう

お金が出て行ったり、体型が崩れたり、食べ物を粗末にすることへの罪悪感に苦しんだり。
過食嘔吐でしんどいことは沢山あるけれど、何が一番辛いかって「自分で自分を制御できない感覚」よ。

自分が自分じゃなくなったみたいだ。どうしてこんな少しのことが我慢できないのか。まるで動物のように、本能が暴れて止まらない。

ダイエット中のようなストイックな食事制限ができなくたっていい。
せめて、普通の人と同じように暮らしていきたい。
食べ物のこと以外に夢中になれることを見つけたいし、仕事や趣味に没頭したい。

医療機関の受診も検討しているけど、結局過食に効く薬というのはなく、抗うつ剤の投与になるらしい。
薬を飲むことに抵抗はない。でも、人にこの事実を話すのが嫌だ。精神科医とはいえ、話せない。恥ずかしくて。
「いや病院行けよ」って思うでしょ。でもごめん、私にはできない。

すでに睡眠のことでメンタルクリニックにかかってはいるけれど、そこでは「仕事がハードでよく眠れないOL」というキャラで行かせてもらってるし。いきなり過食嘔吐キャラを発動させたら先生困っちゃうでしょう?

過食嘔吐が始まって1年。衝動が起こるパターンは、だいたい見えて来た。
それをどうにか回避したり、他の発散方法を見つけたりすることで、自分で治していきたいと思う。

自分の舵を自分で取れなくなってしまったのは、これまで心の声をずーっとずーっと無視し続けた結果な気がしてる。
今年は、自分のことを労わりたい。

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