バイト先のお客さんと付き合った話 12 実習中のあれこれ

大学3年の秋頃、教育実習があった。

実習中は忙しいため当然生田さんに会う余裕はなく、それまで週3ぐらいで会っていた私たちは1ヶ月会えないこととなった。

生田さんは初めこそかなり寂しがって大量にメールが来ていたが、途中からは私が相当忙しいことを理解してくれたようで、むやみやたらに連絡してくることはなくなった。

その代わり、毎朝必ず

「あのこちゃん頑張れー‼️‼️‼️」

とメールが来た。

余裕がなく返信できない日もあったが、それでも必ず生田さんは応援のメールをくれた。
こういう優しいところや、私のやることを全力で応援してくれるところが大好きなんだよなあと思った。

別な記事にも書いたとおり実習自体はとても楽しかったが、毎日忙しくて疲れてはいたので彼がくれるメールは心の支えだった。

彼からのメールで今日も頑張ろう、という気持ちになった。

生田さんから、

「教育実習の最終日の夜会いたい!あのこちゃんに会えなくてもう限界です😭」

と連絡があった。

最終日であれば大丈夫かなあと思いとりあえず了承し、会う約束をした。

しかし。
最終日の夜、先生方が私のお別れ会を兼ねた学芸会お疲れ様会を開催してくれることとなった。(教育実習の最終日は学芸会の日だった)

当然私が行かないわけにはいかない。

生田さんにその旨を連絡した。

「生田さんごめん、最終日に先生方がお別れ会兼ねた飲み会してくれることになっちゃった😭会うの次の日でいい?」

とメールしたところ

「ひどい、先に約束してたのに😭予定あるって言って断ってよ😭楽しみにしてたのに」

と返信が来た。

私は余裕がなかったこともあり、つい怒ってしまった。

「何言ってんの?先生たちがお別れ会してくれるっていうのに断れるわけないでしょ。寂しいのもわかるけど次の日まで我慢して。とりあえず今日も行ってきます」

と返信し実習へ向かった。

その日の実習を終え帰りのバスで携帯電話の電源を入れると、おびただしい量の着信通知と留守電が入っていた。
案の定全て生田さんだった。

「本当にごめんね」
「怒らないでください」
「次の日でいいから会いたいです」
「あのこちゃんが本当に大好き」

思わずため息が出た。
うんざりした。

帰宅してから、ひとまず生田さんに電話をかけてみた。

生田さんは1コール目で出た。びっくりした。

「あのこちゃんごめんなさい」

「実習中は携帯しまってるから電話したって出られるはずないよ。何回も電話してこないで」

「ごめんなさいごめんなさい本当にごめんなさい」

「もういいよ怒ってないから…とりあえず実習最終日の次の日に会おうね」

「うん、ありがとう大好き、明日も頑張って」

面倒だなあという気持ちと、それでも優しくて好きだなあという気持ちが混在し若干モヤモヤしていた。

しかし実習中なので、まずは切り替えて子供たちのためにきちんと実習に集中し頑張ろうと思った。

続く

関係ないけど自分語りウーマンの友達に会ってきた。相変わらずノンストップ8時間自分語りだった。正直疲れた。

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