33歳人妻が16歳の少年に恋した話 73 私はEmotional
2023年、1月下旬。
彼から連絡が来なくなりおよそ半月。
あの日はかなりショックを受けた。
彼から連絡を断たれた後、昼も夜もご飯を食べられなかったし眠れなかった。
眠れない間、彼とラブラブだった時期のLINEを見返したり、彼のTwitterやインスタに更新がないか逐一見に行ったりして病みながら朝を迎えた。
ふらふらの状態で仕事へ行った。
こんな状態で仕事ができるのか不安だった。
しかしありがたいことに(?)連日の残業と疲れで、時間的にも精神的にも彼のことを考える余裕はなかった。
それでもふとした瞬間、私のこと嫌いになっちゃったかな、もう会えないのかな、と不安な気持ちに襲われたりもした。
そんな中、職場で私の歓迎会が執り行われた。
この日だけは残業なしで仕事を終え、みんなでお店へ向かった。
連日残業していて気付いたが、おそらくする必要のない残業をしている。
長がしょーもない雑談をしてそれに相槌を打つ時間がほとんど。
残ってやっている仕事はおそらく翌日に回しても問題のない事。
働き方改革が騒がれている昨今にこの有様。
大丈夫かよと思った。
でも本当にいい人ばかりなので職場の居心地はよかったし、歓迎会自体は楽しみだった。
ほぼ全員が来てくれて、あんまり飲めないお酒を頑張って飲みながら皆さんと話した。
皆さん本当に明るくていい人だったが、話を聞いているとほぼ全員が帰国子女だったり留学経験があったり有名大学卒だったりした。
いわゆるハイスペだらけだった。
綺麗な上にスペックの高い人ばかり。
なぜ私がこんな会社に採用されたのだろうと思った。
また自信をなくした。
歓迎会の途中、酔っ払って顔を真っ赤にしたカリフォルニア人の上司がやってきた。
カリフォルニア人の上司は私がこの職場に入るにあたっての最終面接にいた方だ。
最終面接で趣味の話になり、スポーツチームと彼との出会いを話したら、実にEmotionalな人生だと褒めてくれた方。
「あのこちゃん楽しそうだね」
「はい、とても。いい人ばかりなので」
「働いてみて思ったが君はやはりEmotionalだ。明らかに職場の空気が変わった」
「どういうことですか」
「いつもときめいているような目をしているんだよな。恋してる人でもいるかのように」
「え?」
「なんだ図星か?」
「いやいや、まさか」
「アッハッハ、冗談だよ。とりあえず君を採用して良かった。私の見る目は間違いではなかった」
どういうことなのかさっぱりわからなかったが、兎にも角にも彼のおかげで私はこの職場に入ることができ、いい顔で働けているのかもしれないと思った。
歓迎会の後、お店の前でみんなで写真を撮ることになった。
お店の前に、私が応援しているスポーツチームののぼりが飾ってあった。
即座に食いつき、のぼりにくるまって写真に写った。
みんなはそんな私を見て笑っていた。
その場で写真をもらって確認したところ、のぼりにくるまる私は結構かわいく写っていた。
彼に送ってみようかなと一瞬思ったが、やめた。
返信がなかったら、来たとしても素っ気なかったら、と考えると怖かった。酔っ払ってふわふわしているというのに、ちゃんと怖かった。
帰りのタクシーで、久しぶりに彼のことをたくさん考えた。
この先、一体どうなってしまうのだろうと不安になった。
続く
関係ないけど今日はマスターのカフェに行った。ちょっと見ない間にすごくいい顔になったと褒められた。ようやく吹っ切れてきたのかもしれないと思った。
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