33歳人妻が16歳の少年に恋した話 10 また再会

2022年、8月上旬。

また夫と試合を観に行った。
席は前回と同じく、コアファン向けの席。

夫は先日の試合で、コアファン向けの席にハマったようだった。

また夫について行き、適当な席に座った。
今回も近くにフラッグ君がいたりして、と淡い期待を抱きながら左右前後の席を確認したが、いなかった。

そんな奇跡が続くはずないか。
ちょっと残念だった。

試合が始まる前、Twitterを見ながら時間を潰していると、一通のDMが届いた。

フラッグ君からだった。

「今日は近くないですね笑笑」

ん???どういうことだろう???

「どういうことですか??(笑)」
「あのこさんと旦那さん見つけた笑」

どうやらどこかから見られているらしい。

キョロキョロしていると、隣のブロックの端の方の席にフラッグ君を発見した。

フラッグ君は、スマホ片手にニコニコしながらこちらに手を振っていた。

私も笑って手を振り返した。
夫もフラッグ君を見つけ、手を振っていた。

すると夫が
「前の席空いてるしフラッグ君ここに来ればいいじゃん。呼んでみたら?」
と言った。

(真ん前なんかに来たらまた試合どころじゃなくなるじゃん…)
という気持ちと
(また会えるの…?めっちゃ嬉しい…)
という気持ちが混在していた。

結果、呼んだ。

「私たちの前の席空いてますよ!よかったら来ますか?(笑)」
「本当ですか!行きます!!」

彼はすぐに私たちの前の席にやって来た。

「本当に来てくれたんですね」
「そりゃそうですよ(笑)今までずっと1人で観てたからこういうの楽しいし!」

いつもお母さんと一緒に来ているそうだが、お母さんは座ってゆっくり試合を観たいので、彼とは別に指定席のチケットを取って観ているそうだ。

試合の時間がやって来た。

フラッグ君は、例のフラッグを掲げ始めた。
この間は前にいたから振り返って見ていたけど、今日は後ろからじっくり見られる。

彼がフラッグを掲げる後ろ姿。

真夏の青空によく映えていて、本当に眩しかった。

思わず写真を撮った。

試合中、後ろからずっと彼のことを見ていた。
目一杯手を叩いて大声を出して、全力で応援していた。終盤には声がガラガラになっていた。

全力で応援する彼の後ろ姿は、キラキラしていて漫画の主人公みたいに見えた。かっこよかった。

まあ結果、試合どころではなかった。

「フラッグ君、熱くていいねえ〜」
と、旦那がベタ褒めしていた。相当気に入っているらしい。

帰宅したら、フラッグ君からDMが来た。

「今日はありがとうございました‼︎最初遠くにいたのに笑笑近くなりましたね笑」
「こちらこそありがとうございました!まさか今日も前後で試合を観ることになるとは(笑)楽しかったです!」

そして、試合前に撮った彼の後ろ姿の写真を送った。

「盗撮だ笑笑」
「ごめんなさい(笑)いい後ろ姿だったのでつい(笑)また会いましょう!」

と言ってDMを終わらそうとしたところ

「次のアウェイ戦は両親と行くんです!」

と返信が来た。

あれ?DM終わらない?
と思いまた返信すると、フラッグ君は次から次へと話題を振って来た。

チームを好きになったきっかけ、初めて行った試合のこと、サポーターのちょっとした裏話、元なんJ民などなど。
たくさん話してくれた。

結局、3時間ほどDMは続いた。
楽しかった。

仲の良いフォロワーとして認識され始めているのかもな。
恋心など抜きにしても、こうしてちょっと親密なフォロワーができたことは純粋に嬉しかった。

続く

関係ないけど夫がギックリ腰になった。明日は看病と買い出しと大掃除で忙しくなる。こんな時期に本当にやめてほしい。

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