メルカリのおかげで青春時代に戻れた話

私がお笑い大好きJKとして青春を謳歌していた2006年の話。

吉本興業で「TKプロジェクト ガチコラ!」という企画が行われた。

吉本興業所属の売り出し中の若手芸人と小室哲哉がコラボし楽曲制作をするプロジェクトである。

当時のガラケーで流行っていた着ボイス(電話の着信時に好きな芸人の声を設定できるやつ)の収録とアナウンスされて呼び出された芸人がスタジオに行くと、なんとそこにいたのは小室哲哉。

「30分後にレコーディングをするので歌詞を作ってきてください」

と言われ、芸人たちが曲を聴きながら30分で歌詞を作ってレコーディングし曲を完成させるといったものだった。

レコーディングしたものはCD及びDVD化して実際に販売するという。

小室哲哉はあまり知らなかったけど、大好きな芸人さんたちが歌を歌うということは当時の私には斬新で、ものすごく楽しみだった。
その上にそれがCDとDVDになりそのうちカラオケにも入るという。

楽しみで仕方がなく、毎日吉本興業の公式サイトやネットの掲示板などで情報をチェックした。

発売日当日、少ないお小遣いを持って近所のレコードショップへと向かった。

しかし私の行ったお店にはガチコラの商品は販売されていなかった。

急遽取り寄せてもらうことにした。

そこで店員さんに

「CDとDVD、どちらにしますか?」

と聞かれた。

どちらも欲しくてたまらなかったが、当時の私はどちらも買えるようなお金はなかった。

店員さんが待っている前でうーーーーーーんと言いながら数分悩み続け、私はCDを購入することに決めた。

DVDは大人になってお金ができたら買おう、と決めた。

CDが届いてからは当時訳あって同居していた甥っ子と何度も何度も聴きながら歌いまくった。
どの曲も本当に面白くて良い曲で大好きだった。
(ちなみに私と甥っ子は大人になった今でも全部の曲を歌える。再会するたび必ず歌う)

仲の良い友達もみんなお笑いが好きだったので、みんなでCDを回してMDに録り(懐かしい文化)カラオケに行くたびに次長課長の歌を歌うことが定番になっていた。

それからもずっとお笑いが好きだったが、ガチコラのDVDを購入することなんてすっかり忘れたまま年月は過ぎていった。

それから10年ほど経ち、嫁ぐことになった。
それにあたって実家の荷物を整理していたある日、ガチコラのCDを見つけた。

ジャケットの裏を見ると、次長課長、麒麟、南海キャンディーズ、チュートリアルなどなど、今はもうすっかり中堅芸人となった皆さんの名前があった。

懐かしいなーと思い歌詞カードをペラペラとめくっていた時、ふと

「あれ?大人になったらガチコラのDVD買おうって決めてたじゃん!!!」

と思い出した。

忘れないうちにもう買ってしまおうと思い、荷物の整理を中断してググってみた。

すると、ガチコラのCDとDVDは既に廃盤となっていた。

ショックだった。

しかし、その当時は実家の荷物を整理しながらいらないものをメルカリに出品しまくっていたので、もしかしたらガチコラのDVDもメルカリに出品されているのではないかと咄嗟に思いついた。

早速メルカリで検索した。

数件ヒットした。

美品の中古がなんと500円で販売されていた。

500円?!!!!

大人になったら買おうと思うぐらい高くて躊躇していたあのDVDが500円で買えるだなんて。
迷わず即購入した。

数日後、DVDが届いた。

開封すると、ほぼ新品に近しいガチコラのDVDが。

私がJK時代にお金がなくて購入を諦めたあのDVD。

10年以上経った今、まさかあの頃の新品のCDよりも遥かに安い値段で買うことができるとは。

早速DVDプレイヤーに入れ、再生してみた。

今となってはもう画質が古くて荒い上に比率もアナログテレビの時代のものだから両端が切れており、時代は変わったのだなあと改めて思った。

芸人たちが小室哲哉に驚くシーンやレコーディングするシーンなど、私が見たくてたまらなかった全てがそこにあった。

10年以上経っても芸人さんたちはあの頃のまま面白くてかっこよくて輝いていて、JKの時にみんなでカラオケで歌ったあの頃のことを思い出して、懐かしくて嬉しくて、胸がぎゅっとなった。

他県に嫁ぐことがすごく不安だったけど、このDVDさえあれば大丈夫な気がした。
しんどくなった時のお守り代わりとして大切に持っておこうと思った。

嫁いでから早7年。
あれから何度もガチコラのDVDに助けられている。

きっとこれからも私は何度もガチコラのDVDを見て、その度にあの頃の自分に戻って、脳内で青春時代を謳歌する。

本当にあの時メルカリで見つけて買ってよかったと思うし、出品者の方には本当に感謝している。

メルカリがあってよかった。
ありがとう、メルカリ。
これからもお世話になります。

終わり

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