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藤井二冠の対豊島竜王戦について

藤井二冠と豊島竜王の戦績を改めて確認すると、下記の通り↓藤井二冠は未だかって豊島竜王に勝ったことがありません。

豊島VS藤井 戦績:

2017年8月24日 ○ 豊島将之 先 後 藤井聡太 ● 第43期棋王戦 本戦 2回戦
2019年5月23日 ○ 豊島将之 先 後 藤井聡太 ● 第27期銀河戦 Eブロック 11回戦
2019年7月23日 ○ 豊島将之 後 先 藤井聡太 ● 第32期竜王戦 本戦 準々決勝
2019年10月7日 ○ 豊島将之 先 後 藤井聡太 ● 第69期王将戦 挑戦者決定リーグ戦
2020年9月12日 ○ 豊島将之 後 先 藤井聡太 ● 第41回日本シリーズ 本戦 2回戦
2020年10月5日 ○ 豊島将之 先 後 藤井聡太 ● 第70期王将戦 挑戦者決定リーグ戦

先手、後手もほぼ拮抗した状態なので、特にそれが影響を与えた様子もありません。

ここで、豊島竜王と藤井二冠の戦績だけではなく、この二者と最も棋風が近いと言われている同じ関西の若手有望棋士、斎藤八段の戦績を間に挟んで比較してみましょう。まず、↓

豊島VS斎藤 戦績:

2014年12月11日 ○ 豊島将之 後 先 斎藤慎太郎 ● 第56期王位戦 予選 4回戦
2017年3月31日 ● 豊島将之 後 先 斎藤慎太郎 ○ 第65期王座戦 二次予選 決勝
2017年10月11日 ○ 豊島将之 後 先 斎藤慎太郎 ● 第67期王将戦 挑戦者決定リーグ戦
2019年12月15日 ● 豊島将之 後 先 斎藤慎太郎 ○ 第69回NHK杯戦 本戦 3回戦
2020年12月9日 ○ 豊島将之 先 後 斎藤慎太郎 ● 第79期順位戦 A級 5回戦

戦績はほぼ互角です。但し、先手が斎藤八段に偏っている傾向にはあります。

一方斎藤八段の対藤井二冠の対局結果は↓

斎藤VS藤井 戦績:

2018年7月6日  ○ 斎藤慎太郎 先 後 藤井聡太 ● 第66期王座戦 本戦 準決勝
2018年11月23日 ○ 斎藤慎太郎 先 後 藤井聡太 ● 第4期叡王戦 本戦 1回戦
2019年12月27日 ● 斎藤慎太郎 後 先 藤井聡太 ○ 第61期王位戦 予選 決勝
2020年1月19日 ● 斎藤慎太郎 後 先 藤井聡太 ○ 第13回朝日杯 本戦 2回戦
2020年2月29日 ● 斎藤慎太郎 後 先 藤井聡太 ○ 第91期棋聖戦 本戦 1回戦

これもほぼ互角の結果ですが、お気づきの通り明瞭に先手番を握った棋士に軍配が上がっています。

ちなみにレーティングの現在順位ベスト10は下記の通りです。

順位 棋士  レート
1 藤井聡太二冠 1988
2 豊島将之竜王 1954
3 渡辺明名人 1931
4 永瀬拓矢王座 1919
5 斎藤慎太郎八段 1841
6 羽生善治九段 1836
7 広瀬章人八段 1810
8 糸谷哲郎八段 1807
9 千田翔太七段 1804
10 山崎隆之八段 1796

棋士の強弱を表すものとして、タイトル、段位、順位戦のクラス、竜王戦の組等がありますが、レーティングは数値的に最も現在の対戦成績の結果を表すものとして評価されています。

レート差と上位者勝率、下位者勝率の関係は概ね下記の通りです。

レート差  上位勝率  下位勝率
200    76.0%   24.0%
100    64.0%   36.0%
50     57.1%   42.9%

これによると今、藤井二冠が斎藤八段と対戦した場合レート差147ですから藤井二冠の勝率は69.98%となります。一方豊島竜王とはレート差34しかないので勝率は54.88%となります。

以上から推量できることは、藤井二冠が豊島竜王にいつ勝っても不思議ではなく、逆に負け続けていること自体が不思議なことと言えるでしょう。

今後、両者の戦績は互角伯仲してゆき益々熱戦を繰り広げることが期待できます。

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