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永瀬王座、棋風改造に成功したか?

王将タイトル戦で永瀬王座が渡辺王将に対して3連敗後に2連勝しています。以前のnote(https://note.com/donky_houtey/n/n735253973b5f)で永瀬王座が棋風の改造中ではないかと書きましたが、これほど効果が早く現れるとは思ってもいませんでした。

明らかに勝負の踏込みが鋭くなっています。前回の王座タイトル戦で挑戦者の久保九段が「相手が有利になっても攻めて来ないのでリズムが狂ってしまった。」と対局後インタビューに応えておられましたが、今は永瀬王座独特の勝負を長引かせる粘りの棋風は影を潜めています。

渡辺王将としては永瀬王座の勝負を延ばす手の瞬間、その隙を突いて攻め込むことで優勢を築いていたのがバッタリ出来なくなったわけです。永瀬王座の2連勝はほぼ完勝に近い形でした。

その後、永瀬王座は棋聖戦で屋敷九段を短手数で下し、もし11日に近藤誠也七段とのB1順位戦に勝ってA級昇進を決めれば「勢い止まるところを知らず」の状態で次13日の王将戦に臨むことになります。

一方、渡辺王将は棋王戦のタイトル戦 第3局で糸谷八段に必勝の将棋をあわや逆転か?と思わせるまで追い込まれ最後は辛くも逃げきりましたが、本調子からはほど遠い状況です。従って次の10日棋聖戦で斉藤八段(次期名人戦挑戦者)にもし敗れるようなことがあれば・・・

いずれにしても勝負の流れとしては永瀬王座に若干分があるようです。

ただ、不安材料としては「鋭い踏み込み」は「リスクを冒して」と表裏一体です。逆に勝負を「長引かせる」方法で勝つのは「安全勝ち」を目指しているとも言えます。格下の相手には「長引かせる」方法で確実に仕留め、格上の相手には「鋭い踏み込み」で勝つことがベストではありますが・・・。

さらに渡辺王将のタイトル戦における百戦錬磨の経験は侮れません。永瀬王座の勢いを慎重に見極めその切れ目を虎視眈々と狙っているに違いないと。

王将タイトル戦の今後の展開から益々目が離せない状況になっています。

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