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永瀬王座は改造中?

谷川九段が王将タイトル戦(渡辺王将vs永瀬王座)の第一局を観戦し、「永瀬さんの強気な手が目立つ、少し無理してるように見えるが・・・棋風を変えようとしているのかも知れない。」といった趣旨の発言をされていました。

確かに直近発売のNumberの永瀬王座の記事に「自分は道場でアマチュア強豪と指して棋力をつけてきたので勝負を長引かせる手を選択することが多い。ある意味、毒になってるかも」とありました。

勝負が長くなれば棋力差通りの結果になり成績は安定し易い反面、格上に対する踏込みが弱くなることがあります。所謂決めどころを逃してしまうといったところでしょうか。

今後四強と言われている他のタイトルホルダーの棋士達としのぎを削る勝負をするときに斬り合う場面を避けることはできません。

そこで永瀬王座がこれまでの「粘り勝ち」型から「一刀両断」型に棋風を変えようとしている説はあり得ない話では無いと思います。

これまでの持ち味であった独特のグニョ~ンと伸びたり縮んだりする「妖刀?」の切れが鈍ってる可能性があり、また、すぐには土俵を割らない粘り腰も今は効かなくなってるのかも知れない。

しかし、個人的にはこの王将タイトル戦の真っ最中にも関わらず「棋風を変える」という大胆不敵な決断に、いかにも永瀬王座らしいと感心しました。ましてこの壮大な実験の相手がこれまで苦手としていた「渡辺名人、王将、棋王」ですから・・・、これ以上その成果を試せる棋士は他には居ません。

まさに日露戦争における日本海海戦で圧倒的に数で勝るロシア・バルチック艦隊に対して日本連合艦隊が決行した「捨て身の敵前回頭大作戦」を彷彿とさせます。(話が古すぎ・・・NHK大河ドラマ「坂の上の雲」でやってたんだが・・・)

ともあれ次の対局まで二週間あります。

その時、新生永瀬王座の「豪刀!」の片鱗でも見せてくれたら望外の喜びです。

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