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藤井王位・棋聖 藤井カーブ?

「藤井カーブ(曲線)」ってご存じでしょうか?

藤井二冠の対局を将棋ソフトに読み込ませてその評価値をグラフで表したものです。序盤は中間の互角線付近で推移するものの、中盤以降藤井二冠が有利になってからは一気に藤井二冠側に優勢ー>勝勢と振れてそのまま投了に至る局勢がよく分かるグラフです。

これは一局を通して描いたグラフですが、実際の対局中でも評価値が藤井二冠に振れ始めるとどんどんそれが大きくなり形勢が大差になることをよく見ることがあります。

ジワジワ優勢を拡げて最後はそのまま寄り切るといった横綱相撲を彷彿とさせます。それを先日の竜王戦二組予選で強豪広瀬八段との対局後にもこのカーブを見せたのには驚きました。

ずっと藤井二冠の対局を見て応援してきましたが、最近どうも特に長い持ち時間の対戦で「藤井カーブ」が出る内容に飽き足らなくなっている自分に愕然としています。以前は今日は「安心して見ていられる。」とか言っていた自分がです。

どうも贅沢に慣れてしまったようです。「普通に勝つのでは面白くない。」と・・・

では、どう勝てば良いのか?

藤井二冠の逆転勝利じゃないと満足しないんですね、これが。
終盤まで互角または押され持ち時間でも追い詰められて、「ウヮァー!ヤバイ!」とハラハラ・ドキドキさせてくれないと藤井二冠の将棋を観た気がしなくなってしまっているんです。

これが嵩じて最近は途中まで相手側を応援したりして・・・相手の評価値が良くなると「ヨシヨシその調子!」とか・・・(特に相手が「元推し」の棋士だったりすると、未練がましく序盤はそちらを応援することが多い)、いよいよ終盤になって藤井二冠の持ち時間が無くなってくると、「さぁ!ここからぁ!行こうかぁ!」とか叫んで「本腰を入れて?」藤井二冠を応援するんですね、どうしようもないファン・・・
だからこの前の朝日杯なんか自分にとっては最高の展開だったんです。時間は短い、最後の一分将棋で大逆転!とか・・準決勝、決勝と連続して勝った日はあと興奮してほんと寝られませんでした。

これって何がここまで興奮させるのでしょうか?

今期、実際に8局「負けている」からです、今期王将リーグで三連敗して「陥落しているから」です、それを観て「悔しい」想いをファンとして藤井二冠と共有?しているから、です。

映画やドラマの主人公のように勝つことが予め決められてないから、ギリギリの勝負に熱狂するんです。(ひょっとすると、このまま負けてしまうかも・・・と)

藤井二冠は今期も八割以上勝っています。逆に言えば二割弱の負けが「スパイス」になっているんですね。
今後、順位戦B1からA級に上がり、竜王戦二組から一組に上がれば、当る相手もさらに強くなります。

自分も相手を中盤までは応援するといった不自然?な観戦は減るでしょう・・・多分ですが・・・

ファンとしては、藤井二冠には相手が強敵揃いになっても勝率八割!はキープして欲しい。

一方、現在レーティングでは既に全棋士中唯一人2000点!を突破しています。
これで、まだ18歳、改正少年法上の「特定少年」ですから、さらに抜けてしまうことも有り得ます。

藤井二冠と同時にB1に昇級することが決まった佐々木勇気七段がインタビューで「なんとか藤井さんをみんなで・・・」と言っていました。個人的には熱戦を、逆転劇を、期待する意味でそろそろ藤井二冠もそんな時期に入って来ている可能性があるのかなぁっと・・・
つまり多面指しじゃないですが、藤井二冠vs他の棋士連合軍の構図かな?

「観る将」の方は圧勝を期待する藤井二冠ファンがほとんどでしょう。(安心してお風呂に・・・)
「指す将」の方は一方的な内容の将棋を不満に思う人も居るはずです。(最後までギリギリの勝負を味わいたいと。特に血圧と心拍数に問題の無い人は・・・)

藤井二冠はこれから益々実力を向上させて行くのは間違いないところです。是非、他の棋士達もさらに棋力を上げて質が極めて高いレベルでの熱戦・接戦を期待しています。


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