本当ならオリンピック開会式が行われるはずだった夜に――7年前の拙稿を蔵出し
ここに載せる文章はいまから7年前、2020年の夏季オリンピックの東京開催が決まった年の暮れに、『サブカル評論』という友人の発行する同人誌の「7年後の日本と私」という企画のため、私が逆叉鈍甲(さかまた・どんこ)という変名で寄稿したものです。そこで私は、山崎豊子ばりの架空の長編小説の一節という形をとりながら、東京オリンピックの開会式がどんなふうに迎え、その内容はどんなものになるのか、あれこれ想像しながら書いていました。
しかし事実は小説より奇なりとはよく言ったもので、その後、現