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Day2:寂しさを感じながら


お弁当

私の人生はふらふらと、行き当たりばったりだ。

そんな今、私立学校で教員をしている。

私立で働くというのは初めての経験だ。
今まで公立の学校で働くことは何度かあった。
むしろ、去年までも公立の学校に勤めていた。

学校の楽しみといえば「夏休み」と「給食」だ。

だが、今の学校は給食がない。
なんと、お弁当なのだ。

勤務が決まってからそれを知った。

妻にどんな顔でなんと伝えたかは覚えていない。
伝えたときにどんな表情をされ、どんな反応をされたかも。

内心は嫌々なのかもしれない。
少しでも長く寝たいに決まっているのに・・・

寝たふりをする私と変わらぬお弁当

昨日の投稿で伝えたように、私はいま妻とケンカ中だ。

いや、ただただ私が意固地になっているだけな気もする。

そんな私はリビングで寝ている。

朝になり妻が起きてきて、お弁当を作る音がした。
素直になれない私は寝たふりをするのに必死だ。
どんな気持ちで、どんな表情で作ってくれているのだろうか。
感謝しかない。

作り終え、妻は寝室へと戻る。
私に気を遣って寝室に戻るのだ。
いつもならそのまま洗濯物を干したりする。

そんな私は妻の気配が消えて間もなくして起き上がるのだ。

なんて最低な男だ。

精一杯の「いってくるね」

準備を終え、寝室に寝転ぶ妻に一言だけ
「いってくるね」

「ありがとう」さえ言えない。すまない。

それで私の1日が始まったのだ。

お弁当はいつもと変わらぬしっかりとしたお弁当だ。
きっと妻は言うだろう
「手抜きでごめんね」
そんなこと感じたことはない。

夏になりお弁当に塩分タブレットを入れてくれる。
いつだっただろうか、1日だけ入っていなかった日があった。

珍しく私がお弁当のことで妻に口をだした。
「塩分タブレット入ってなかったね。珍しい。」
それから、絶対に欠かさず入っている。
塩分タブレットが食べたいのではない。
ふたりだけのキマリがうれしいのだ。

妻を待つ

帰路につくときに妻にラインをする。
「これから帰るね」

妻は少し用事があり、帰りが遅くなっているようだ。

私のほうが先に帰ってきた。

誰もいない。
帰ってくる人を待つ。
こんなに寂しいのか。と。

妻はいつもそれを感じている。
そして強く待っていてくれる。

改めて妻の強さと温かさに気づかされる。

帰ってきたら私はなんと声をかけてあげられるだろうか。


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