レモンから　＃シロクマ文芸部

レモンから揚げ？
そんな名前に惹かれて注文した

本来ならレモンは、から揚げに添えられる物のはずだ
脂っこさを和らげるトップバッター
そんなレモンその物を揚げるなんて
 
空腹だったこともあってか
口の中によだれが充満してくる
 
しばらくして
厚めにスライスされたレモンが
パン粉の衣に包まれて登場
 
思わずよだれが溢れ落ち
可愛い店員さんに見られた気がしたところで
目が覚めた
 
濡れたシーツが頬にくっつく
久しぶりの皮膚感
 
 
五十も過ぎたころから
体内水分が減少気味で
よだれをかくことは皆無
 
中学のころの授業中
ノートによだれが落ちそうになった瞬間に
目が覚めた感覚が懐かしい

嬉しいことに
この文章を書いている途中で
口の中を唾が満たしてくれました
ちょっと若返ったような気分

いろいろと出来なくなったり
いろいろと無くなったり

老化に抗(あらが)ってゆくより
老化を受け入れる
６０歳代後半

まだフルタイムで働いている妻
定年して無職の私は主夫
さて今週の献立は何にしようか

―　おわり　―

４１０文字

揚げ物を作る日に
「レモンから揚げ」を作って
その味なんぞの感想も書きたかったのですが、
時間的余裕がなくなったので省略
調べると
レモンフリッターなる料理があるみたい

これってエッセイなのかなぁ？
エッセイは書いたことがありません。
お遊び企画ということなので
「から」を「から揚げ」で作ってみました。

#シロクマ文芸部
２作品目の参加です。
よろしくお願いします。