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森見登美彦『シャーロック・ホームズの凱旋』を読んだよ! 感想だよ!


この記事の意図

 昨今では「観測者」側の反応というのに日が当たる様になった気がします。陳腐な言い方ですが、かつてのデュシャンの如く観測者の反応含めて1つの作品として成立する事もままあります。
 衒学的で高尚な仰々しい意見だけでなく、それこそ忌憚で突拍子もない的外れな意見も重要で、そのリアルタイムな反応の全てが作品の構成要素たり得るのです。そこにはある意味でノンフィクション性が紡ぎ出されていて、感想や反応とは観測者を通した一種のドキュメンタリーと解釈できるのかも知れません。クリエイティブな出力は創作だけでなく感想もその一端を支えており、立派なクリエイティブの1つなのです。
 立ち戻って、そんな感想を誰かと共有し合う事の楽しいものです。より気軽に誰とでも意見を交わせる時代ですし、もっともっと享受出来ると良いですね。この人はこの作品を鑑賞して何を思うのだろう、という少しのワクワク感と少しの不安感。一緒に並び立ってする体験はやっぱり興奮しますし、それで相手が何を得たのか自分とどう同じでどう違うのかを知りたくなります。好きな人と部屋で一緒に見る映画、友達の部屋で一緒になって騒いだゲーム、家族で一緒に行った旅行などなど……。


 こと活字の読書においてはリアルタイム性の感想を共有し難いのが若干のボトルネックであるように思います。映像やゲームや漫画と違って読者がどの場面を読んでいるのかの把握に手間取る点、読者毎に読み進めるペースが異なる為全く同時の共有が難しい点、そもそも感想を述べるのは全編を読み終えた後である場合が多く、些かリアルタイムというより総括的な感想になり易い点などがパッと思い付きました。
 これにより活字読書のあり方がどうこうと言いたい訳ではなく、純粋にちょっと寂しいなと感じたというだけです。友達と一緒に映画とかゲームを観る感覚で読書体験も気軽に共有できるようになったらさぞ楽しいでしょう。
 「この中で犯人誰だと思う?」とか「今のシーン超怖いんだけど」とか「もっと速くボタン連打しないと追い付かれるって!」みたいなカジュアルさの延長で読書があっても良いと私は思っていて、読書会とかがそれに1番近そうな気がします。
 で、私は私なりに擬似リアルタイムな読書の感想を他者と共有できないだろうか、と試行錯誤したのが当記事になります。

この記事の読み方

①まず自分で『シャーロック・ホームズの凱旋』の第1章を読み終え、自分の中でふんわりとした感想を持つ

②当記事にある第1章の感想やメモ書きを読む

③私と貴方で視点の違いや受け取り方の違いがあると思うので、その差を楽しむ

④第2章からも同様に、まず章毎に自分の感想を抱き、私の感想を読む

各章の感想は私がその章を読了した時点のものなので、この方法をとれば擬似的ではありますが貴方と私は同じペースで読み合わせをしているのと似た状態になれます。

本題

 2024年1月下旬に中央公論新社から出版された『シャーロックホームズの凱旋』を読みました。ヴィクトリア朝京都という不思議な世界でスランプに捕らわれたホームズ達がスランプを脱する物語です。中々に凄い話を一気に読み明かしまして、各章を読み終えたタイミングでそれぞれ感想を書いたので投下します。

第一章 ジェイムズ・モリアーティの彷徨 感想


第二章 アイリーン・アドラーの挑戦 感想


第三章 レイチェル・マスグレーヴの失踪 感想


第四章 メアリ・モースタンの決意 感想


第五章 シャーロック・ホームズの凱旋 感想


読後の感想


 面白かった~~~~でもホームズちょっと知ってないと難しいかもです。君もヴィクトリア朝京都へ旅に出よう!

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