通学路


自転車でお友達のおうちに行きます
初夏
お友達のお庭がみえる
グリーンの網のフェンスに囲われたお庭
フェンスにツタがからまって
お花が咲く

お友達のおうちは
住宅街の坂を下ったところにある

お友達がどなたかはわからない
でも
このお家は知っていると思う

住宅街の
すこし奥まったところ

でも
いっしょに学校へ行こうとして
でも
結局
お友達はいなかった

お家の窓に朝日が映えて
どなたもいない気がする
呼び鈴を鳴らすのもやめた

きっと
あのこは引っ越した
そう思った

それで
一人で自転車をこいで坂を上がった

どんどん坂を上って
目覚めた。

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