岩の川底 薄暗いマンションのお部屋 真っ暗な山道 駐車場みたいな夜の広場

地割れみたいにひびのある大きくてボコボコ穴のあいている大きな岩
ところどころに苔がついていて
それが岩の白っぽいような黒っぽいような色とまざりあって
どこかで見たときあるような風景
わたしがいるのは川のなか
とてもきれいで透明なお水が流れるくるぶしくらいの深さ
お山のなかの気もするけれど
右手には川から突きだしてゴツゴツした苔つきのとても大きな岩がたくさんで
あたりの様子はよくわかりません
広いように思うけれど
みえるかぎりはそれほど大きな川ではなさそうだ
でも
お水は止まっていて流れていない
お池かしら
奥の方はしらない植物の葉っぱがみなもすれすれまでたれていて薄暗くてお水も透明じゃなくてダークグリーン
深そう
左手にはずいぶんと昔にたてられた感じのデザインのグレーのマンションが続く
いいえ
旅館かもしれない
だって
ここは美しい自然の中だもの
観光地の気もする
建物の壁はザラザラでところどころはげ落ちて古そう

わたしのいる川は浅いけれど
川底の岩と岩の地割れみたいな隙間に挟まったらたいへん
お水はいつも怖いけれど (お風呂のお水も少し怖い)
どしてかこの川は怖くない
でも
ここから出なければ
どしてかそう思っている
思い出すと
わたしは川のなかにいるけれど
見えるわたしのすがたは写真みたいに止まって動かない
すこしはなれた向かいからわたしが見ている
でも
わたしをみているわたしのすがたはみえない
夢ではよくあること

左手にあったマンションのお部屋
蛍光灯の明かり
暮らしているご家族が
多分居間だと思います
そこで談笑しているような気がします
小学生くらいの男の子
男性も二人
一人は男の子のパパ
もう一人はよくわからない
でも、パパより年長な感じ
多分パパのパパ
初老の女性もいました
どしてか懐かしい感じの女性
髪をうしろで丸く束ねている
以前どこかでお会いしたような気もします
お部屋は.. うーん...
座敷だと思います
ご家族は座卓を囲んで微笑んでいます
ちょっと狭めの座敷
蛍光灯の白っぽい明かりがあるけれど
どしてかうすぐらい
黒っぽい小さな網点がたくさんあって
いいえ
黒い細かなネット越しにみているような
お部屋もご家族の様子もはっきりとはわからない
そしてみんな動かなくて..
近くにいるのに遠くにいるような気もする
お部屋の中で撮ったから
少し暗めの写真
そんな感じ
わたしはどしてかはやくここから出なければいけないと思っている
座敷は細長かった
ご家族の前を横切って隣のお部屋に入るとそこは窓際のお部屋で明るかった
今思い出したけれど
ご家族のいたお部屋にも窓があってその向こうにベランダの手すりみたいのが見えたと思います
わたしはそのお部屋にしゃがんでいたのかしら
窓は見上げたところにあってお空しか見えない
今にも降りだしそうな厚くてモコモコした濃いグレーの雲
泣きたいのををがまんしている
ほんとにそんな感じ
でも
わたしがいまいるお部屋はちがう
明るくて春の予感がする
心地よい香りもある
空気が立体的で、光が少しだっぶているような..
窓辺に近づくとさっきまでわたしのいたゴツゴツの大きな苔むした岩の川が見えた
ベランダに出て左手に逃げるように進む
お部屋にいたどなたかが追いかけてくる気がした
ベランダには太いのや細いのやたくさんパイプが張りめぐっている
仕切りもないベランダ
狭い
階下につづく小さな階段もある
階段を下りたような
いいえ
ベランダの手すりにぶらさっがって下の階のベランダに滑り込んだような
よく思いだせません

真っ暗なところ
お山のなかだと思う
小さめのライトを持っているけれどぜんぜん照らせない
真っ暗でとても細い山道
真っ暗でみえないけれど、包み込まれるように
すこししっとりしていてどしてかあたたかい
わたし一人が通れるくらいの小さなトンネルを進んでいるようにも思う
何かがわたしを追いかけてくるようなこないような
怖くて走りだすとライトを落としてしまった
走りながらふりかえると落としたライトのまあるい白い光がそっぽをてらしているのがみえた
走っているけれど
体が宙に浮いてフワフワ地面すれすれを飛んでいる感じ
怖いけれど心地よい
真っ暗で、どこかにぶつかったらどうしようと思ったけれど
どこにもぶつからないで進んでゆく
追いかけてくるのは動物のような気がする
四本足で追ってくる
真っ暗だけどみえた気がする
おおかみかシベリアンハスキー
向こう側に少し明るく照らされたところがみえる
あそこまでゆけばだいじょうぶ
そう思ってフワフワ進んだ
こわいけどちょっと楽しくて不思議なきもちよさ

駐車場みたいな...
それにしては広すぎる気もする
ほんとに広い
砂利の敷かれた、どしてか捨てられたような広場
グリーンのフェンスで仕切られていて暗くて
一つだけ銀色に光る街灯がたっている
誰もいないし、自動車も駐車していない
街灯のまわりだけはっきりみえてはなれたところは暗くて良く見えないけれど
大きな広場だとわかる
ずっと広場が続いている
そう思う
少し離れたところに学校のような建物の影もあったように思う
夜中なのに遠くの方から工事しているような音がきこえた
街灯の少し先にこげちゃに錆びたような四角いかたまりが見えた
なにかしら
誰かが捨てた
そうみえる
近づいてみるとそれはシステムキッチンの一部分のよう
ボロボロ、ガサガサに錆びている
ひざくらいのところに手すりがついていた
きっとオーブンの扉
引っ張ると、すーっと扉が開いて中には黒っぽくなった
お野菜
おナスやジャガイモみたいのがいくつかならんでいた

誰もいない
工事の音もしなくなった
お空をみあげると三つか四つお星がまたたいている
夜風が心地よい
ほんといいきもち
春の夜空にすいこまれてとけてゆくかしら

目覚めた。

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