SGLT2阻害薬のケトアシドーシスはなぜ起こるの?
今回は、2018年12月より1型糖尿病患者にも一部適応となったSGLT2阻害薬【1】の重大な副作用であるケトアシドーシスについてご紹介します。
はじめに、糖尿病ケトアシドーシスについて確認しておきましょう。
糖尿病ケトアシドーシスは、糖尿病時の高血糖性の急性代謝失調で、インスリンが欠乏したり、コルチゾル・アドレナリンなどのインスリン拮抗ホルモンが増えると、インスリンの作用が弱まって急激に発症します。インスリンが不足すると、血液中のブドウ糖を代謝できなくなり、高血糖状態になります。すると、体はその代わりに脂肪を分解してエネルギーをつくり出します。このときに副産物としてつくり出されるケトン体が血液中に急に増える(ケトーシス)ことで、血液が酸性になり(ケトアシドーシス)、体に異常が発生するという仕組みです。
1型糖尿病患者さんはインスリンを体内で作ることができないため、ケトアシドーシスのリスクがもともと高く、糖尿病ケトアシドーシスの多くは1型糖尿病でみられます。
糖尿病ケトアシドーシスの発症機序をおさえたところで、SGLT2阻害薬によるケトアシドーシスについてみていきましょう。
【1】1型糖尿病の適応があるのは、スーグラ錠®とフォシーガ錠®
SGLT2阻害薬のケトアシドーシスは、【副次的な薬理作用による副作用】です。
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