渋皮ヨロイ
思いつくままツイッター上であげていた140字ほどのお話(あるいはその断片のようなもの)をまとめています。
穂積ペノキヨもまた嘘をつくと鼻が伸びるが、生まれながらの人間だった。両親とは早くに死別…
311. ミモザの花がこぼれるように咲き誇る。その下で小さな女が口を開けて立っていた。わたし…
カレー 僕らはカレー沼にいた。浮かぶ具材の上で難を逃れている。けれどついに煮崩れが始ま…
扉の先には避暑地があった。 草原はどこまでも青く萌える。空を翔る鳥たちがそこに影を落…
気づけばレベル38になっていた。俺が、ではなくて、ぽぴよぴーが。 ゲームを再開した…
301. 古い籐椅子が死ぬ。長く共に暮らした女が裏山に埋めた。夜、狸が掘り起こすが、椅子はす…
291.「賑わう海の家」 秋が過ぎても海の家は解体もされず、夜な夜な賑わっていた。煌々と明る…
281. 愛のブーメランは五年前に完成していた。でも作業が楽しくて夜ごとヤスリをかけ続けた。…
パトロールを終えたわたしは帰宅してシャワーを浴びた。それからコーヒーを二杯飲んだ。一杯…
271. 白と赤の彼岸花がそれぞれ列をなして咲き誇る。真夜中、茎が曲がり、交差する。6本の雄…
昨年、イグBFCに「僕はたけのこを傷つけない」という作品で応募したのだが、その製作日記、…
舌に切手が貼りつき、どうやっても取れなくなった。喉をひくひくさせて彼は泣く。こんなに弱…
1.「滓」 夕方、学校から呼び出しがあった。息子の描いた猿が逃げたらしい。不格好な猿はま…
261. 一日署長をはじめとして、一日巡査や一日巡査長、さらには一日被害者、一日犯人が集まる…
「映画とかでよく見るけどさ、アメリカの卒業式でさ、なんか、四角い帽子みたいなの、みんなで…