【合格体験記】42TokyoのPiscineで「意識した5つのこと」の話。
42Tokyoについて
あなたは 42 というエンジニア育成機関の存在を耳にしたことはあるでしょうか。
そもそも 42 は、2013年 あるフランスの実業家によって、創設されました。
当時フランスでは、「教育現場の壊滅」という大きな問題に直面していました。ITエンジニアとして雇用されるために、厳しい学歴フィルタにさらされているような状況でした。
このような深刻な状況に待ったをかけるべく、実業家ザヴィエ・ニエル氏が個人資産を投げうって始まりました。
42 における " 「誰もが平等に挑戦ができる」教育機会の提供 " という理念はここからスタートしていると考えられます。
日本ではDMM.comの出資により、42 の誘致が決まりました。
2020年4月の予定がコロナで先延ばしされた経緯があり、同年6月に東京の六本木に開校しました。
サムネイルの写真は、本校があるビルからの眺めになります。一面ガラス張りとなっており、開放的でリラックスできるフロアが特徴です。
免責事項
本記事の内容は、著者done_sanの体験記となっており、読者のあなたに合格を保証するものではありません。あくまで参考程度としてください。
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注意事項
本記事の内容が42TokyoおよびPiscineの運営に支障を来すと判断される場合については、著者done_sanにご連絡ください。
正確な情報提供に努めてまいりますが、もし誤りがあった場合については、著者done_sanにご連絡ください。
本記事は2022年7月26日時点の内容であり、ある未来の時点において情報が古くなっているかもしれませんので、最新の情報も伴わせてご確認ください。
ご連絡先:Twitter(@done_vrc)
前書き
42Tokyoは、本科生として実際にカリキュラムを学習する前に、入試試験であるPiscineがあります。
Piscineはピシンといい、フランス語における「プール」の意味があります。
Piscineは1ヶ月弱の間、ずっとプログラミングしているような、そんな試験です。つまるところ、1ヶ月ずっとプールで泳いどけ、って話です。
ネット上では、『Piscineはすごく難しい』といった内容が散見されますが、おおむね間違っていないでしょう。
私はITエンジニアとして1年以上の経歴はありますが、少なくとも順調にPiscineを泳ぎ切れていたとは言えません。
何かあるごとにつまづき、検索したり人に聞いたりしていました。
しかし、最終的には合格という結果を得ることができました。
この記事ではPiscine合格の裏側で「何を意識していたのか」という部分にフォーカスを当てていきたいと思います。
「Piscine受験前に何を学ぶべきか」といった事前準備については、Googleに聞けばわかりますので、他の人が書いてない部分を書きます。
ポイント1 : 相手を知り、己を知る
まずなによりも「ハックすること」です。
戦う敵を知らないうちは、勝機はありません。
なぜなら、何と戦うのか本人自身が理解できていないからです。
ここでいう相手とは、Piscineのことです。
Piscineを受ける前に事前に30点ほどの記事や資料、動画を漁りました。
このなかで、Piscineにおいて何が重要視されるのかという特徴を分析していきました。
あえて、何が重要視されるかは語りませんが、おそらくこの記事も含めて、読者のあなた自身が見出すことでしょう。
Googleスライドに読んだ記事の内容を抜きだして、そのすべてをまとめてください。
次に、己を知ることです。
これは、Piscineで重要視される要素のなかで「今自分には何が足りてないか」を理解するためです。
「客観的に自分を見つめなおすこと」によって、42が求める生徒に近づけるのだとおもいます。
ちなみに、Piscineにおいて「合格基準はない」とされています。
この記事を読むとそれがふんわりと伝わってくるでしょう。
「Piscineとは何かを知り、自分自身を知ること」ができたら、改善すべき点が見えてくるので、イメージした「自分が何を実践すべきか」を淡々と進めていくだけです。
ポイント2 : 42はスクールではない
42では、PBLにおけるピアラーニング型学習を推奨しています。
PBLとは、プロブレム・ベースド・ラーニングの略で、日本語では課題解決型学習とよばれています。どんどん与えられた課題をクリアしていくというイメージです。
そして、ピアラーニングとは、学習者同士が協力して教え合う学習方法です。
他の記事では、「プログラミングスクール」と混同されていますが、それはかならずしも適切な表現とは言えません。
なぜなら、「先生がいないから」です。
適切な表現をすると、「あなた自身で先生を見つける」という行動が正しいです。
Piscineでは、みんな必死に合格に向けて自身の課題に取り組んでいます。
そのなかで、自分ひとり孤独に「わからない」「どうしようもない」と立ち止まり、塞ぎ込んでいてはどうしようもありません。
ここで恥ずかしがる必要はまったくありません。
なぜなら、経験者ですらわからないような問題に直面するからです。
そして、お行儀よく待っていてもヒントは降ってきません。
検索してもダメなら、どんどん自分からSOSを発信していきましょう。
ポイント3 : 42はコミュニティである
あらためて、42はスクールではなくコミュニティです。
そして、次の3つのことをよく頭に入れておいてください。
あなたは42というコミュニティの構成員に含まれること
コミュニティの学習体験をつくるのは構成員自身であること
構成員であるあなたがコミュニティの学習体験をつくること
ここでいう学習体験とは、課題に取り組む中での体験のことを指しています。
つまり、あなたが他の参加者の体験をつくっていくということです。
他の参加者があなたを通じて、Piscineが楽しく泳ぎ切れるように努めてください。
他の参加者の疑問や問題を解決することは、率先して取り組んでください。
ちゃんと巡り巡って自分に返ってきます。
募集要項もちゃんと読んでください。
ポイント4 : ポジションを獲得する
コミュニティに貢献する中で、「done_sanは○○な人」という周知を手に入れるようにしました。
たとえば、ぼくの得意なことのひとつに、「ドキュメンテーション」があります。
ドキュメンテーションとは「資料化すること」ですが、特に重要なのは「ドキュメントがかならず誰か役に立つ資料であること」です。
「コミュニティにいる多くの人の共通の課題を克服するため」にドキュメントを作ることを意識し、行動してました。
特に、早い段階から「コミュニティに貢献してポジションをつかみとる」という活動をしたおかげもあって、周りのPiscine生とは良好な関係を築いて、気軽に相手に質問できる環境を整えていったといえます。
実際、ポジションの取り方は正直何でもいいですが、コミュニティがより活発化し、よりよい学習体験を生みだすということを意識してください。
ポイント5 : どんな人物を合格させるべきなのか
ここからはちょっとだけ合理的に考えましょう。
あくまで、合理的に考えたら「こういう結論にならざるを得ない」というもので、Piscineにおいて採用されるかどうかはまた別と考えてください。
42 にはブラックホールという除籍制度があります。
ある課題を期日までに出さなければ退学するというものです。
そして、42 は現在時点では資本をDMM.comから受けている状況です。
42Tokyoに出資された亀山会長曰く、
少なくとも考えられるのは、以下のことです。
将来的には卒業生が寄付することで、次の学生を支え、その学生が卒業し、次の学生を寄付で支える循環を生み出したい
資本がなくなれば必然的に42Tokyoは(社団法人による事業なので)消滅してしまいますが、このようなビジョンのなかで、「どのような人物を合格させてはいけないか」を容易に想像できるのではないでしょうか。
それは合格してもブラックホールに飲み込まれてしまうことが想像できる人です。
逆を言えば、合格して42に入学した後も、継続的に学習を続けて、ちゃんと成長、卒業できるようなイメージが持てる人物を合格させるべきだと考えられます。
彼らが卒業後に社会で活躍できるという実績と確信があるのでしょう。
いずれ有名IT企業に就職し、経済的余裕を手にすることもイメージできます。
そこでわざわざ、ブラックホールに飲み込まれ、途中退学するような人物を合格させるとは到底考えることができません。
まとめ
ここまで5つのポイントを確認してきました。
これからPiscineを受けようとするあなたにとって有益であれば幸いです。
そして、Piscineという1ヶ月間泳ぎ続けることは、少なくとも簡単なことではないです。おそらく参加者全体の25%くらいしか最後までやり切れてなかったような気さえします。
しかし、1カ月もの間ずっと同じことに集中して取り組む経験は、何にも代えがたいとおもいます。
42TokyoでPiscineを受けたいと思う全ての方々を応援しています。
もし本記事に関連して、ご質問等がございましたら Twitter にお問い合わせください。
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