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『すべての、白いものたちの』(ハン・ガン)読了

私には1度でもこの世に生を生み落としたきょうだい達は居ないと記憶しているけど、もしかしたら居たのかもしれない彼女あるいは彼らの記憶は淡々と私の血や肉となり、また白いものたちへの祈りとなり、巡っていくのかもしれないと思った。

彼女の言葉を母国語のまま受け止めることはできないけど、彼女の残した景色はこちら側にそっと寄り添うようで心地よい痛みを覚える。他の作品も読みたくなった。

web.kawade.co.jp/bungei/2484/

「『すべての、白いものたちの』は、装置であり回廊であり、読むというよりその中を歩く本であり、通過する本なのだと思う。(中略)読む人自身が完成させる小説なのである。」
他にもタイトル名に関する話が載っていて、そういう意味だったのかと知った。
読了した人はぜひ。