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笑いなよ



石の上にもにっかり。以下感想ネタバレ。


思ってた以上に人がいた。多分満席だったんじゃないだろうか。どんな雰囲気なのか不安だったけど、とにかく静かでシーンとしていた。こちらが畏まってしまうぐらい静かだった。

1番後ろの席で知らない人達に挟まれて薄暗いステージを眺める。ステージには一筋の光に照らされたにっかり青江本刀が突き刺さっていた。うっすらとスモークがたかれていて、ステージ全体が淡い青い光に照らされている。向かって右側にはボロボロの大きな垂れ幕が下がっていて、その中には白装束を着た幽霊(青江)が映し出されていた。昔話に出てくるような柳と白装束の女幽霊みたいな感じ。ポロンポロンと物悲しいピアノの音が流れていて、めちゃくちゃ雰囲気があった。会場がシンとしているからか元々そういう仕様なのかわからないけど、たかれてるスモークが全然揺らがなくて不思議だった。あの雰囲気あれに似てる、誰もいない夜のおばあちゃん家。室内の小さなホコリが静かに漂い月夜に照らされてキラキラしてる感じ。怖いんだけどどこか神秘的というか。

正確に覚えてるのはここまでで、後はもう興奮と衝撃で断片的にしか覚えてない。ステージににっかり青江が登場した時、スタイルが良すぎるのと纏ってる雰囲気が完全ににっかり青江で、全っ然人間じゃなかった。ああそうかこの人刀なんだってめちゃくちゃ納得した。綺麗で恐れ多くて怖かった。

ざっくりまとめると今までの戦いの中で自分の中に疑問が生まれたにっかり青江が旅にでて強くなって帰ってくるという話。メタい話をすると極修行に行って帰ってきたにっかり青江の話。ゲームの仕様とミュージカルを本当に上手いこと織り交ぜて再構築してる。まじで天才のオタクが作ってるぜ。

にっかり青江以外にも誰か出てくるのかなって思ってたら完全な1人芝居だった。90分間1人で演技して歌って踊ってた。め〜〜〜〜〜っちゃすごい。めっちゃ練習したんだろうな。

三百年の子守唄とか歌合とかの話が出てきて、この話のこの時はこう思ってたんだとかこの時のこの反応はこういうことだったんだみたいな答え合わせができて面白かった。面白かったというか『あ〜〜〜〜〜そういうことだったのね!!!!あ〜〜〜〜〜しんどい』って感じだった。

三百年の子守唄はほぼ泣きながら観て、観たのもほんの何日か前だったので劇中の思い出話とか劇中歌を歌われて思い出し泣きした。単騎出陣中ほぼ泣いてた。私だけだったら恥ずかしいなって思ったけど周りの人結構泣いてて安心した。

にっかり青江って私の中のイメージでは飄々としていていつもニコニコしていて感情を表に出すだとか激情に駆られるようなイメージは全然なかったんだけど、それは刀の側面を見ているだけであって本人達も言っていたように人の身体を持っていて心もある。その心の部分にフォーカスされていた単騎出陣だった。無機物から有機物になった、私の中では。マジで生きていると思わせてきた。あ〜〜〜〜〜すげ!!!!もう気軽にゲームできないから!!!

でも怖いのよ、刀一本一本に心があるの。飛行機で上空から見下ろした時に他の発展した地域を見てここにも無数の人がいて関係があって悲しいとか嬉しいがひしめき合ってんだろうなっていう感覚と似てる。把握しきれないものは怖い。

髪を振り乱しながら敵と己に取り憑いた幽霊と戦って最後に刀で自分の首をかっ切ろうとした後『折れたら(死んだら)楽だけど、そうなりたいんじゃない』と苦しそうに言ったにっかり青江を見て涙がブワワワワと出てきた。いやまじそれな。辛いことは多かれど、死にたいんじゃないんだよな。自分が弱いことを悔やみそのせいで仲間が鍛刀され増えて大切な人が増えるたびに失うことへの恐怖や肩にのしかかってくる重圧に耐えきれなくなって無力な自分を憎んでどんどん笑えなくなったにっかり青江、しんどすぎるでしょ。いやてかその重さを1人で抱え込むなやいという話なんだが。そんでいつも笑顔の刀剣仲間が作戦中に血まみれの死体に囲まれて無表情で佇んでるのを見つけて堪らず話しかけたにっかり青江がいつも通りに笑おうとする仲間の顔とどんどん笑えなくなっている自分の笑顔を重ねてんだよ。地獄か?ここは。

ずっと悔やんでたらしい、女の霊を斬ったことと霊とはいえ幼子を斬ったこと。子供が好きという設定だから後悔もするよなぁと思った。でも切ったのは刀本体だけど、そうしたのは持ってた人間だしそこまで気にすることはないんじゃないかって私は思う。そこは設定上仕方ないのかもしれないけど。でもその逸話というか元ネタがモロに名前に反映されてるからやっぱどっちにしろ気にするかもしんない。私の名前が『ざっくり子殺し丸』とかだったら一生気にするもんな。そんでみんなに『ざっくり』って呼ばれるんだから。イヤすぎる。

『みんなを笑顔にしたいし自分も心から笑いたい』と自分の気持ちを吐露したにっかり青江、本当に儚くて消えてしまいそうなぐらい弱々しく見えて涙が止まらなかった。いつも飄々としてるにっかり青江とは似ても似つかないぐらいだったし、そう思わせる演技が本当すごかった。この役者さんにしかできないだろうなって素直に思った。いつもは内側に閉まってる柔らかい部分を剥き出しで泣きじゃくってたからもう心が苦しくて仕方なかった。それに1人だというところが本当に良かったと思う。誰にも助けを求めず1人だけで解決まで持っていったというか。心の支えは確かにあったと思うし、ここまで来れたのも仲間のおかげもあるんだけど、ここからは自分1人の問題って所からはしっかり1人で歩いていったんだから本当そこが素晴らしいと思う。

最終的には幽霊とも和解したから良かった。てか幽霊さん別に怒ってなかったんだよね。切られたとはいえ元は幽霊だし『一度死んだ身、二度と死んでもさほど変わらぬ』という心持ちだったのかもしれない。かっこいい。

修行中の手紙が読まれる演出が入って極装備になって舞台にバーン!!!と姿を現し『刀剣乱舞〜にっかり青江バージョン〜』を歌い始めた時めちゃくちゃ感動した。うわ〜〜〜〜〜かっけ〜〜〜〜〜一皮も二皮もむけて帰って来やがったこいつ〜〜〜〜〜クゥ〜〜〜〜〜!!!!と思ったらもう涙が止まらなかった。子供の成長を間近で見てる時ってきっとこんな感じで感情が溢れ出すんだろうな。もう本当ずっと泣いてたから。たった何日か前に出会ったというのに気持ちは完全に親だったから。

最後に歌合で歌ってた刀剣男士が生まれたときに歌うお祝いの歌を白装束を着て笑顔で舞って歌っていた。にっかり青江の幸せそうな柔らかい笑顔を見て、これがきっと本当のにっかり青江なんだろうなと思った。柔らかくて優しくて少しの衝撃でもキズがついてしまうような繊細さを持ってるんだと思う。御神刀になれないって嘆いていたけど、本質は誰よりも優しい御神刀なんだよな。

お祝いの歌を見て、あぁもうこれで刀剣男士達が鍛刀されても心から祝ってあげられるんだなって思った。もちろん全然平気になったわけじゃないだろうし、また壁にぶつかったり悩むこともあると思うんだけど、それでも前を向いていける方法を知ったというか自分の中で納得と肯定が生まれたことで揺らいでた地盤がしっかり固まったというかそんな感じだと思う。ぬかるんだ地面に足を取られて前に進めないにっかり青江はもういない。笑ってない子に笑顔を分けながら自らも笑い優しく背中を押してあげられる強いにっかり青江が、きっとあの本丸には居るんだと思う。



友達が取ってくれたリオンマグナス。かわい!!!!


諫早にはガラスの砂浜っていう最高に綺麗な砂浜がありました。全裸で寝っ転がったらズタボロになりそう。手入れ部屋に私も入れてください。



コメダも食べました。うめ!!!!!シロノワールずっと食べたかったから嬉しかった。アホみたいにデカかったが。バカが作ってるバカな喫茶店か?(褒めてる)というぐらい全部がデカい。もうちょっと若かったら毎日通いたいぐらいにボリュームがあって良い。美味いし。



おわり


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