『アトリエゆかりん大盛況!!』レビュー記事
『アトリエゆかりん大盛況!!』というゲームが割と最近公開されまして。それを遊んだよというお話。
上のはニコニコアカウント持ってない人用にUnityroomの方も張っただけなのでどっちで遊んでもいいと思います。
こちら『ぺるこ』さんという方によるブラウザゲームでございまして、結月ゆかりと弦巻マキの二人のボイスロイドが、ファンタジー世界で活動していたら、という題材の中の1シーンをゲーム化したものとなっています。
元々この方は以前からこの二人のキャラクターによるドットアニメーション、ゆかマキファンタジーを描かれていまして、当時から大変評判がありました。
ファンタジーなローブや鎧を着た二人が、ただ資材を運んだり、ポーション合成を行ったり、敵と戦ったりといった形で日々を過ごしている様子を描いているだけなのですが、それが実に楽しそうに動くものですから、ワクワクするようなものとなっています。
作者本人すらこの二人の本格的なファンタジーゲームがやりたいねといって架空ゲームのPVを作るくらいといえばその気合の入れっぷりが分かることでしょう。
そして実際にミニゲームとして作りあげたのが今作と、そして前作ということですね。
アトリエゆかりん開店中
そんな今作はスコアアタック型パズルゲーム。
アトリエを開いてお客さんを呼び、ご所望のアイテムを錬金術で作り出す、というお話で、錬金窯の中を弄ってアイテムを作り出すゲームとなっています。
錬金窯の中には、5色のフラスコとアイテムを作るための素材が入っておりまして、素材の色に合わせたフラスコを起動させて囲むことで素材を消すことが出来ます。
フラスコの起動は簡単。
好きなフラスコをクリックするだけ。するとクリックしたフラスコを起動させた状態で手に持つことが出来て、その状態で同じ色のフラスコにぶつけるとそれも起動。
ぶつければぶつけるほどフラスコがどんどん起動するので、好きなだけ起動させた後、もう一度クリックすることで消滅。
消滅のタイミングで、同色の素材がフラスコに囲まれていると素材が溶ける。
というのが基本ルール。
このフラスコを掴んで他のフラスコにぶつける、という動作が、錬金窯をかき混ぜるという動作とシンクロしているのが面白い点ですね。
我々のイメージの中にある、魔女が大きな窯をかき混ぜると言ったファンタジー描写。そんな想像とつながって実際に自分が錬金を行っているかのような雰囲気を感じられるのが、良く工夫されているなと思えてよかったですね。
アルケミストの心得:無暗にフラスコを消さない
一方で、パズルゲームらしく一筋縄ではいかなかったりすることも。
錬金窯の中身は、重力に従うかのように下へと落ちて積み重なるようになっています。
前述の通り素材を消すには複数のフラスコで囲む必要があるわけですが、積み重なった他の色のフラスコが邪魔で上手く囲めないことも。
狙いのフラスコを起動しようと思って持ってるフラスコを動かすと、全然関係ないフラスコが動いて結局囲めないなんてことや、空いた隙間に素材が沈澱しちゃって囲める位置にいないなんてこともあったりして、一筋縄ではいきません。
じゃあ四隅に各色を置いておけばなんとでもなるじゃんとやってみても、混ぜたらぐちゃぐちゃになってしまうのがもどかしいところ。
また、余りまくってる色のフラスコがあると、どかーんと纏めて消費したくなってしまうのですが、それが素材の色と重なってるかはまた別の話。
ただただ消してスコアがある程度伸びて気持ちよくなっても、素材を消費出来てないから時間の消費の方が辛かったり。
凄いいっぱい消してさらに素材もいっぱい巻き込んでこれ以上ないくらい最高な気分になっても、次の素材が今使ったばっかりの色で「フラスコ無いから消せないんですけどォ!?」と嘆いたり。
ちまちまコツコツやるのもアルケミストとして重要なことのようです。料理だってそういったことが大事ですもんね。分かりますね。
まあ料理と違って必殺技があるんですけどねこっちには。最後に消した色と同色の素材を消すという必殺技がね。(画面左の目みたいなやつ)
他にもアクセントとして素材の方に特徴があることも。
複層になってて、2色で順番に消さなきゃいけない奴。冷たすぎて触れたフラスコが凍って使い物にならなくなる奴。熱すぎて触れたフラスコが沸騰で浮き上がる奴。色がなくて一回染めないといけない奴。やたらでかい奴。
そういったちょっとしたアクセントがあることによって、作業のように流すことなく頭を動かし続けることが出来るようになっています。
その特徴も、辛い唐辛子だから熱くて、さらに赤色である、といった形で、その素材だからこそそういった特徴があるんだと納得できるようになっているのも楽しいところです。
ゲーム外の雰囲気の良さ
ゲーム中にはあまり見る余裕はないのですが、右下で動くゆかりさんとマキマキ、あるいはその他の背景のドットデザインも相変わらず可愛らしく、スコアを捨てて眺めるとちょっとウキウキします。
ゆかりさんはひたすら窯を混ぜていますが、出来上がったときに完成品を掲げる動作が可愛らしく。
マキさんはその周りでフラスコの補充をしたり資材を運んだりと雑務をやって。
二人で仲良く仕事に勤しんでいるのが伝わってきますね。
『ぺるこさん』のTwitterの方では今回のアニメーション、そしてこれまでのアニメーションを個別で公開されているので、休憩時にでも見てみるとさらに楽しくなることでしょう。
依頼のアイテムと素材も、ファンタジーの要素がありつつも日用雑貨から冒険の装備まで様々。
ファンタジー世界でアトリエやってたらこういうもの作ったりしそう、としっかり雰囲気を作り上げることに成功しています。
『竜の卵で料理』なんか、卵一個しか素材がない一方でやたらでかいサイズとなっていて、(あ、竜の卵って確かにでかそう)なんて共感が出来て好きですね。ちなみに完成品はバロットです。竜で。マジ???
(※バロット:現実では孵化直前のアヒルの卵を茹でた料理。当然孵化直前なのでほとんど体が出来ているため、普通にぐろい。検索注意)
そして当然ボイスロイドなので二人の声も時折聞くことが出来ます。
適当にフラスコをかき混ぜるだけでも「ほいっ」「やあっ」とゆかりさんがかけ声を呟いたり。
列が混んできたら「混み具合がピンチだよ」「なんとかなります」といった会話を二人でしたり。
絵だけだとやっぱりゲームに集中してると見れないことも多い中で、こうして声が聞こえるとそれだけでゆかりさんとマキさんのゲームであると再認識できて、コンセプトがギュッと締まっているように感じました。
終わりに
『ゆかマキファンタジー』という題材を見たことで、二人はどんな感じで冒険しているんだろう、日々を過ごしているんだろう、というものを筆者は想像したことがありました。
ドラゴンや悪魔を倒すような偉大な冒険者というよりも、きっと一般的な中層ぐらいの冒険者で、無茶な使命とか持たずに楽しく生きているんだろうなとか。
マキさんの剣やマントにはゆかりさんがエンチャントして強化してるんだろうなとか。
それが公式でお出しされてしかもゲームでクオリティが高いってんだから嬉しくないわけないじゃないという話で。
今後の『ゆかまきファンタジー』も期待していきたいですね。
ちなみにこちらは二作目で、一作目はもっとミニゲームとして作られていますので、そちらを遊んでみるのも良いでしょう。
そちらは落下するポーションを画面端に運ぶだけの本当に簡単なものですが、まず絵が良いのでそれだけで世界観が補強されて気分が上がります。
ポーションを床に落として割れた後、ポーションに応じてマキさんに影響があるのもそれっぽくて楽しいですね。
『ゆかまきファンタジー』というコンセプトを大きく表現したパズルゲーム。
『アトリエゆかりん大盛況!!』の紹介でございました。
今後の活動も是非応援していきたいところですね。
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