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毒親との関係(賞味期限切れの食品)

 スーパーのチラシを見て、とにかく安い物をチェックする。どうせ買うならポイント5倍デーなどにまとめて買う。在庫がほどほどにある物も、安かったからと大量に買う。在庫管理が上手く出来ずに大量の賞味期限切れを出してしまう。親はこれをずっと繰り返してきた。
 子供が小さい時は(大人と子供の食べ物をまだ分けていた頃は)子供の口に入らないからこれで良かったが、徐々に同じ物を食べるようになるとそうもいかなくなった。以前の私は親と真っ向勝負が出来ずに、せいぜい親の不在時にバレない程度の数量をこっそり捨てるのが限度だった。

 加齢とともに親の在庫管理能力は低下し、冷蔵庫・冷凍庫の中も徐々に怪しくなる。冷蔵庫・冷凍庫は魔法の箱と思い込んでいる親は、そこに入れてさえおけばいつまででも食べられると思っていたと思う。バレずに処分するのが難しくなってきたというか、それが面倒くさくなってきたというかそんなある日、バレてもいいやと意を決して冷蔵庫・冷凍庫の整理をするようになったのは今から3年程前だったか…
 買い物から帰宅した親は当然激怒。新聞紙に包んでゴミ箱に捨てた物を開けて確認まではされなかったが、何を捨てたのかをちゃんと教えてもらわないと、買い足さなくてはいけないからと、強い口調で言われた。私は蛇に睨まれた蛙のようになり何も言えなかった。
 その後は時々嫌味を言われながら、それを聞こえないふりをすることで直接の衝突を避け、時間と精神的な余力のある時に食品の在庫整理を続けた。

 たまに冷静になって、買い過ぎても期限内に食べきれないよね、とか、○○があるからこれは買わなくていいよね、などと言うこともある。しかしそうでない時の方が圧倒的に多く、購買欲の強さは今更どうにもできないと思った。
 それでも何か手段はないだろうか思いやってみたことがある。食料品の種類ごとに在庫整理…同じ物を同じ場所に、だ。それまでのやり方は多い物は一部だけを棚に出し後は別の場所にストックというやり方で、しかしこれでは総数が分からず買い過ぎにつながると思った。
 ちょうど体力的な衰えを親が強く自覚し始めた頃と重なり、(私が)やってくれて助かる、と時々言われるようになった。しかし経済対策による多種品目の度重なる値上げなどで不安を煽られた親は、値上がりする前に!と在庫無視の大量購入をするようになり、購入した物をそのまま分けずに箱に入れたまま廊下の隅に置くようになった。私にも分けるのは大変だからそのままでいいよと言っていた。その状態に不安を覚え先日整理したら…久しぶりに毒を吐きまくっていた。結局在庫を沢山抱えておきたいのはもはや本能だろうと思われる。

 在庫整理はするし、賞味期限切れの物は処分するけれど、買い過ぎに関しては一切口を出すのをやめようと思ったら、気が楽になった。
 自分だけなら、衝突時の労力の消費を考えたら我慢した方が楽かなと、後ろ向きになってしまうが、子供に悪影響を及ぼす…期限切れの食品が子供の口に入ることを考えたら行動を起こせてしまう。私にとってはこの子は守るべき勇者さまだなと思っている。
 

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