【note】「夢の白球を追いかけて」を作るきっかけ

未公開作品である「夢の白球を追いかけて」は、この年末年始に再放送されていた「メジャーセカンド」がきっかけのひとつだった。

メジャーセカンドをたまたま観てたら、女子がエースの中学軟式の物語で、まるで少女漫画のようだったが、私は「野球狂の詩」を観ていたので、そういうのも面白いなぁと思ってみてた。セカンドがあるからファーストというのがあって、ファーストの主役の子供がセカンドの主役だった。

その前に桐谷美玲さんがCMをしていた漫画「花梨のマウンド」に”女の子だって甲子園”という台詞があって、いやあの頭の固い組織が女子高生を甲子園に選手として出場させないだろうなぁ…なんて思ってたりしたが、その影響も実は少なからずあった。

メジャーセカンドでは、小学生では体力的な性差はなかったが、中学では男子が男になって圧倒的な性差で、野球を諦めそうになっている。ただ、サッカーやラグビーはともかく、対人プレーが少ない野球ならば、女性でも活躍できる場面はあるのではないかなとは、漠然と思っていた。

多分、「野球狂の詩」や実際のナックル姫(実は現在の住所の近くの高校出身)や片岡安祐美選手という実在する選手の影響もあるかもしれない。サッカーでも永里優里選手が社会人リーグとはいえ男子クラブに選手として参加した。

野球狂の詩の作者である、水島新司先生は、水原勇気を登場させるにあたって、日本プロ野球関係者にヒヤリングしたらしい。でも「女子のプロ野球選手なんて無理」と誰も相手にされなかったが、唯一真剣に考えてくれたのが、野村克也さんだった。

選手や監督として”戦術家”という表現がふさわしかったノムさんは、「女性でも魔球をもってたらワンポイントだったら活躍できるかもしれない」と助言したらしい。現実に存在するかは兎も角、あのスクリューに揺れながらおちるドリームボールは、ノムさんの助言した魔球だったのかもしれない。

メジャーセカンドでは、投手だけでなく、内野手の華麗なプレーをするシーンがあったけれど、それも現実的には可能なのかもしれない。さらに数年前からコリジョンルールなども誕生したので、女性が活躍する可能性はさらに増えたようにも思える。

実は昭和の野球漫画である「アストロ球団」では、私は勘違いしていたが、ある選手の性別が女性だと思っていた。実際はパタリロに出てくるマライヒのような、男性だった。現在でこそLGBTは認知されているけれど、昭和はまだあからさまに差別の対象だった。

でも、女性が男性に交じって野球やっても面白いかもってのは、その頃から思っていた。それが平成になって漫画の世界から飛び出し、現実に現れたのは、ジェンダーレスな世の中になったからなのか、または実際の選手がジェンダーレスの世界を作ったのか。

「夢の白球を追いかけて」では、野球シーンはまったくでないけれど、メジャーセカンドの主役とエースのやりとりをヒントに、高校球児である投手(女子)と捕手(男子)の練習後に、明日の試合の打合せをしつつ、たわいのない話をするワンシーンを物語にした。

そのたわいの話の中に水島新司さんのエピソードや”女の子だって甲子園”の台詞を入れた。投手の憧れは大リーガのダルビッシュ選手。日本シリーズでのエピソードも入れている…そして、メジャーセカンドとは色合いが違うが両方の親の話も入れている。

あと、下ネタになるのかな?そんな話も入れている。小学生低学年時代に一緒に銭湯に行って、コーヒー牛乳を飲んでた話とか、海上自衛隊の潜水艦のネタとか…これは公演した時にチェックしてみて。多分、雑学として役に立つと思う。私の経験した話だから。

いつ、公開できるか判らないけれど、7月のミルキーウエイの公演スタイルである「朗読劇」を逆に利用できないかな…と思ってた所に、メジャーセカンドを観て「野球だぁ!」という結論に達して、一気に作成した。まだ微調整は必要だけど、明日にも稽古は可能…。

でも、問題点が…衣装と小道具……それは、その時考えるとしよう。

公演が決まったら、ぜひ観て下さい。


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