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【備忘録】トークンのステーキングのやり方

2023年の途中からセルフカストディウォレット(ノンカストディアルウォレット)* というものを触り始め、ステーキングをちょこちょこ試しています。
まだまだ複雑なユーザビリティばかりの界隈。自分用の備忘録として残しながら誰かのヒントにもなればと、気まぐれに追記編集していきます(放置する可能性もあり)。

* トークン等の資産を管理することをカストディ、管理する企業(取引所など)をカストディアンと呼びます。
セルフカストディ、自己主権型、ノンカストディアルなど様々な呼ばれ方をしていますが、要はMetaMaskのように秘密鍵(トークンの所有権と直結する超重要情報)を自分自身で管理するウォレットを指します。中央集権型取引所(CEX)では秘密鍵管理を取引所に任せているので、これに対比する存在として語られます。
Web3におけるDecentralizationの概念を元に本質的・原理主義的に考えれば、セルフカストディウォレットが ‘本物’ だと捉えることもできます。


読み進める前の注釈

Cryptoクリプト素人が個人的に試行錯誤しただけのメモ情報のため、情報の新旧・正確性・網羅性・効率性等の保証は一切ありません。すべてご自身の責任において参考にしてください。

また、Web3の現状において日本語だけで十分な情報を集めることは不可能です。そしてこれはWeb3に限らずですが、日本語で書かれた親切な情報が出るまで待っていては数年〜下手したら10年以上掛かります。どのブロックチェーンのプロジェクトも基本的には英語でサイトが作られているので、果敢に英語ベースの情報に食らいついていく姿勢が必須であることは先に述べておきます(方法はブラウザの翻訳機能に頼るでも詳しい人に聞くでも、何でも良いです)。



ステーキングの基本的な仕組み

暗号資産のコンセンサスアルゴリズムには大きくPoW(Proof of Work)とPoS(Proof of Stake)があります。後者のPoSでは、トークンをネットワークに預ける(ロックする)ことにより、報酬が受け取れます。これがステーキングです。
なぜ報酬が受け取れるかというと、PoSではトランザクション検証をするバリデータをトークン保有割合で決めるので、保有量が多いほどたくさん検証できて報酬も増えるというイメージです、たぶん。
※一方、PoWのビットコインなどでは計算パワーが大事。つまり、設備投資ができる大規模マイナーが有利になります。

ブロックチェーン
↑↑
A:バリデータ
↑↑
B:デリゲータ?
(呼び方合ってるか自信なし)

厳密には、実際のノードを立てて(コンピュータ演算を行なって)いる人(バリデータ)と直接ノードは立てない代わりにバリデータに保有トークンを預けている(委任している)人がおり、上記A・Bのような階層的な構造だったと思います。
ステーキング、デリゲート、ボンディングなど、チェーンによっても少しずつ用語が異なっていたりするので分かりづらいときがありますが、『トークンを預けて報酬をもらう』という大枠の意味合いは一緒です。


様々なステーキング

バリデータをやるには専門知識やノード(コンピューター)を整備する必要があり、それなりのハードルがあります。そのコストを掛けずにバリデータに委任している以上、一定の手数料は差し引かれるわけですが、残りの報酬は自分が受け取れます。
また、GMOコインやSBI VCトレードのような中央集権取引所(CEX)で展開されているステーキングサービスでは、間に(仲卸業者的に)取引所が入るので、さらに受け取れる報酬が目減りします。
※もしかしたらCEXが直接バリデータ業務をしているケースもあるかも。

他に、本来ロックされて動かせないものを、専用の別トークンを代替的に発行することでステーキングしながらさらに運用するという「リキッドステーキング」という手法もメジャーにはなってきているのですが、私は今のところ足を踏み入れていません。あくまでも、基本的なステーキングの情報となります。


ステーキング報酬と税金

ステーキング報酬(reward)は、課税対象です(所得税法上の雑所得)。
※もちろん事業としてステーキング報酬を得ている場合など例外はあるので、ちゃんと調べるなり税理士を頼るなりしてください。
権利が発生した時点、もしくは実際にウォレットで受け取った(Claimした)時点で収入となる認識のようです。たぶん厳密には発生主義である前者、でもrewardなんて日々発生しているので実務上は後者でやらざるを得ないかなと個人的には思っています。

■ 暗号資産等に関する税務上の取扱いについて(情報)(国税庁の公式資料)


トークンごとの情報

見出しは「ティッカー/プロジェクト名」のつもりですが、正直たくさん呼称がありすぎて自分も混同している箇所はあると思います。


ASTR/Astar【2/9~ dApp Staking v3スタート】

重要!
2024年2月9日にdApp Staking v2からv3への移行が行われました。
ステーキングのやり方が変わり、やるべきアクションもv2より増えているので、以下の2つの公式ブログは要チェックです(特にExplainedの方)。
以前『ざっとブログやTwitter等を読んだところ、v2 → v3移行にあたって急いでやる必要のあるタスクはなさそうです』と書きましたが、Claimだけはやる必要があったっぽいです。年末に1回Claimしてたから油断してましたが。


dApp Staking v3のStaker向け主要トピック

「Locking」という概念が出現。LockingからのStakingという段階を踏むことで初めてRewardがもらえる。v2でStakeしていた人はv3移行に伴って強制Unstakeされている(Locking状態に移行している)ので、自分で再度Stakingしないといけない。StakeせずにUnlockingすることも可能だが、10日掛かる模様。
Stakeに必要な最低量は500ASTRなので、たしかv2と同じ。

  • Era:1Eraは7200 blocks、約1日に相当。

  • Period:1Periodは122Era(11Era+111Era)。4か月間くらい? Periodは2つのSubperiodから構成される。

    • Voting Subperiod:長さは11Era。新しいPeriodが始まると前PeriodのStake分はリセット(Locking状態に移行)されるため、毎回re-stake操作が必要。Voting Subperiodはrewardsが発生しない。

    • Build&Earn Subperiod:長さは111Era。rewardsが発生、Era単位でClaimできる模様。⇒ つまりおそらく、毎日Claimとre-stakeを繰り返せば複利効果を最大化できる(ただbonus rewardsの条件を事前チェックした方がよさげ?)。
      ※この期間の開始〜終了まで一貫して同一のdAppsにStakeし続けると、「bonus rewards」が追加でもらえる。Voting Periodの間にVote(Stake)しなかったり、Build&Earn Periodの途中でStake量を減らす(増やすのは問題ない)と対象外となる。
      また、Build&Earn Subperiodに新規Stakeすることも可能だが、この場合basic rewardsのみ発生する。

v3に移行して最初のVoting Subperiod


↓↓ 以下はすべて旧バージョンである「dApp Staking v2」の内容です ↓↓


  • Polkadotのパラチェーン。2024年Astar zkEVMメインネットローンチ予定のため、Etheriumチェーンにも進出。

  • APR 10.4% APY 11%

  • ウォレットは「Polkadot js」を使用
    (最近MetaMask Snap?からもStakeできるようになった)

  • Stake:/Unbond:10era/Claim:即時

  • Astar Networkサイト⇒ DApp Stakingメニュー⇒ ポータルサイト


注意点:エクステンション側で選択しているネットワークが別のものだとウォレット接続の際にうまく検出されないので慣れてないと戸惑う。


▼ Stake先を変える方法は2種類ある

  • My dAppsタブから直接Unbondする(10eraのラグが発生する)→ 改めてStakeする

  • dApps一覧から新たにStake Nowを押し、どこからbringしますかの選択肢で現在Stake中のdAppsを選ぶ。見てる限りたぶんfeeはUnbondのときと同じ。ラグもなし、即時移管完了。


RewardをClaimする際はNative wallets(Polkadot jsなど)でも56era分ずつしか出せない。つまり、100era分貯まっている場合はClaim操作を2回繰り返す必要がある。feeは0円未満なのでいいとしても、多少手間は掛かる。



DOT/Polkadot

  • Interoperabilityをテーマに据える有名なL1チェーン。

  • APR 〜00% APY 〜%

  • ウォレットは「Polkadot js」を使用

  • Stake:/Unstake:/Withdraw:即時

  • Withdrawのfeeは20円くらい

  • Polkadotトップ⇒ Stakingメニュー⇒ Start stakingボタン⇒ Stakingポータル


nominateとpoolがあるけど、nominateはたしかそれなりのまとまった数量を持ってないとできない。普通はpoolかな?たぶん。

残高を見るとき、エクステンション側を見たいチェーンに合わせておかないと、ちゃんと残高表示してくれない。わかりづらい。。


https://wiki.polkadot.network/docs/learn-nomination-pools

2つ目のプールで何度Joinを押してもウォレットがうまく認識されず、読み込みし直したり色々試した挙げ句、これでした・・↑



OAS/Oasys

  • ブロックチェーンゲーム(BCG)に特化したチェーンを目指す日本発のプロジェクト。

  • APR 〜9.53% APY 〜10%

  • ウォレットは「MetaMask」を使用

  • Stake:次のepochまで/Unstake:10日/Claim:即時

  • Claimのfeeは1円未満

  • Oasysトップページ⇒ 右上のLaunch App⇒ Staking画面


比較的WebサイトやMetaMask操作等がシンプルなので、Staking初心者向けな印象を持っています。

ちなみに Oasys の英語発音は「オエィシィス」らしいです。2023年夏の二条城イベント配信を見ていて気付きました。英語圏って二重母音が不得意だからこうなるんですかね。



THETA/Theta Network

  • 分散型の動画配信プラットフォーム?たしかYouTubeやその他大手関係者がバックに関わっているはず。

  • APR 〜00% APY 〜%

  • ウォレットは公式の「THETA WALLET」のWeb版を使用

  • Stake:/Unbond:/Claim:


simple swapでトークンGET?

THETAを試しにMetaMaskに送ってみたら、反映されず。ETHチェーンにトークン追加しても、THETAチェーンを追加しても表示されず。
公式DOCをよく読んでみたら、THETAトークンはMetaMaskでサポートされてないと。。こういうのほんと多い。分かりづらいからある程度調べたらとりあえずやってみるしかない、という世界。少額でテストして良かったよ・・

THETA公式ドキュメント


あと、ERCから送るとロストするよ警告。simpleswapでテスト送信したらちゃんと入ってきたので、今回は使えたけど。。むずいよ。

Preventing lost ETH / ERC20 tokens (thetatoken.org)



ATOM/Cosmos Hub?

  • Cosmos Hubのガバナンストークン

  • APR 〜00% APY 〜%

  • ウォレットは「Keplr」を使用

  • Stake:/Unbond:/Claim:


CEXに送るわけではないので、送金時のメモは不要だそうです。他のブログ記事や公式ヘルプ等も参考にしながら送金し、ちゃんと受け取れました。

私も最初はちゃんと区別できていませんでしたが、ATOM=COSMOSではありあません。「Cosmos」はIBC(Inter-Blockchain Communication Protocol)等の統一規格? の元に作られた各種App Chainから成るエコシステムの総称であり、Cosmosという名前のブロックチェーンは存在しません。
Cosmosエコスシテムで昔から中心的な役割を果たしてきたCosmos HubというブロックチェーンのガバナンストークンがATOMです。
ATOMは「Cosmos Hub」のアドレスに送る必要がある点に注意しましょう。



NYM/Nym Network?

  • スイス発のプライバシーに特化したプロジェクト。Zcashのようにトランザクションやアドレスそのものを秘匿化するわけではなく、Mixnetと呼ばれる通信メタデータの保護レイヤー? を提供するものです。

  • APR % APY 多分15%超

  • ウォレットは公式の「Nym Wallet」を使用

  • Delegate:next epochまで/Undelegate:next epochまで/Claim:即時
    ※ epochは毎時26分に更新される模様、つまり1epochは1時間。

  • Nym Walletの「Delegation」メニューで各種操作をする


Nym Swaperのリリースが予定されている。Native NYMとERC NYMの簡単なスワップを提供する。
現状私の認識している限りでは、Nym公式ブログで紹介されているGravity Bridge以外で、Native NYMとERC NYMのスワップはできない模様。

ステーキングはNative NYMじゃないとできないけど、主要CEX/DEXにリスティングされているのはおそらくほとんどがERCのNYMです。つまり、Nativeチェーンにブリッジが必要。つまり、ETHガス代がだるい。
直近でBinanceでのNative NYMの取り扱いが発表された模様。

NymはCosmos SDKを使って立ち上げられたので、いやATOM経由でもいけんだろと思ってやってたら、TFMでno routs foundと言われました。つらい・・
やっぱり各種DEXで取り扱っていないペアはスワップできないのか。。(NymはなぜかOsmosisとかでもちゃんと出てこないので)
※ちなみにTFMではこの記事のようなチェーン横断スワップができます。

TFMのスワップ画面


その他注意が必要なこと

ETHチェーンのガス代

ガス代たけぇ…ですね。CEXばかり使っていると基本的にガス代という概念が出てこない( ‘出金手数料’ ならあるけど変動しないので似て非なるもの)ので、なぜL2が盛んに開発されているかが経験的に理解できないわけですが、MetaMaskでスワップや送金をしようものなら、もう否応なく付き合わなければいけないわけです。
5,000円分スワップするのにガス代が1,500円掛かりますとか意味がわからんわけです笑


バリデータのチェック

ステーキングしている際は、トークンを預けているバリデータが順調に稼働しているかを定期的にチェックしておく必要があります。パフォーマンスが下がっていることもあるので適宜別のところに預け直したりしないと、ちゃんとリワードが回収できません(特にNYM)。

また、ASTRのdApp Staking v3で導入されたように、定期的なre-stakingが必要なトークンもあるので注意。


初めてのトークンではテストが大事

セルフGOXなんて言葉も有名ですが、各種送金を初めとしたCyrpto界隈の手続きにはミスや勘違いが付き物です。
小分けにするとそれだけ手数料が掛かってもったいないという気持ちは拭いきれませんが、特に初めて触るトークンに関しては、初めに少額でテストをして、うまくいったらまとまった数量で再度同じ操作をするようにしないと、絶望の淵に突き落とされます。


'24/02/24 最終更新

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