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高円寺にメタルめしを食いに行く

また訳のわからん話を始めた・・・わけではなく、人間椅子つながりである。

今週の初め頃、嫁さんから通告があった。「今週土曜日、あたしお友達と夕ご飯行くから。あんたら(私と長女)勝手に食うといて」「お、おう・・・」

前々回はピザ取ったなぁ。前回は町田商店にラーメン食いに行った。今回はどうするよ?

あっせや。高円寺のメタルめし、まだ行ったことないねんなぁ。こんなことでもないとわざわざ行かれへんねんけど、どうする?1時間半くらいかかるけど。娘「ええやん、行こ行こ」「ほな、行こか〜」

ちなみに娘はQueenハマり歴10余年の筋金入り、最近はとうとうスポティファイの軍門に下ってその他ハードロック・メタルを聴きまくっており、その知識量の広さ・深さには舌を巻かずにはおれない。

と言うことで、ついに「わざわざ」高円寺に出かけることにした。

高円寺メタルめしとは、その名のとおり東京の高円寺にあるめし屋さん(ヘビーメタル・ダイニングバー)である。

高円寺という街には私は全く縁がなかった。なかったが、人間椅子にハマってからは妙に気になる土地になった。メンバーが以前とか今とか住んでて、彼らの伝記を見ると高円寺無くしてこのバンドはなかったのでは?と思わせられる。

夜のメタルめしは18時からとのことなので、16時半に出ればいいか、ということで二人でのそのそっと出かけた。ところが土曜の夕方ってのが曲者で、最寄りの駅前通りが大渋滞していてバスだけで50分も掛かってしまった。まぁ別に急いで行く必要はないから気にしない。

電車に乗ってたら窓の外は豪雨と雷。ヤフー天気で雨雲を見たら、まさに東京のそのあたりが真っ赤っかになってる。これは酷い(実際、周辺でも一時停電したらしい)。

幸い、高円寺に着く頃にはほとんど雨は上がっていた。中央・総武線に乗ることはあっても、この駅で降りたことは一度もない。駅前の雰囲気はなんとなくこれまで東京近郊で見たどこの駅とも違う気がした。何と言うか、駅前すぐから始まる飲食店街の雑然とした雰囲気が異国感を醸し出している。

しばらく行くとすぐに周りは普通の住宅街になった。えっこんな住宅街の中なの?とやや呆気に取られたが、周辺にはいかにもな感じのバーがあったりして「知る人ぞ知る」謎の空間という印象だった。

着いた。

中にはまだお客さんが誰もいなかった(無理も無い、さっきまでものすごい豪雨だったわけで)が、マスターの「ヤス」さんが満面の笑みで迎えてくれた。「こんな雨だったからまだ誰も来ないだろうと思って油断してましたwww」

娘は先日のデフレパードとモトリークルーツアーの、私は人間椅子の色即是空ツアーのバンTで「キメて」行ったのでヤスさんとしても「直球のお客さん、キターッ」という感じだったろう。

各所の記事やブログで既に見聞きしていた例の壁画がある。

普通はでっかい方(最後のBURRN餐)を載せるんだろうけど私が見に来たのはこっち
直筆サインもあった

娘はもう大盛り上がりで、後からきたメタラーの青年も参戦してマスターと一緒にHR/HMの超ディープな会話を炸裂させていて、私のような「人間椅子しか聴かない」偏食オヤジは全く着いていけない。おまえらはなにを言っているんだ・・・?

マスターのヤスさんは、単にメタル好きというだけでなく「料理勉強家」とのことでとにかく料理がお好きな様子。それはこのメタルめしの看板メニューの数々を見ていてもわかる。

ブラック・サバ酢マスターオブナゲッツ(ちなみにこの日は仕込みができず、作れないとのことだった)、地獄のから揚げイングウェイマルメステーキとかとか、出オチ感がすごいメニューばかりなのだが、どれも名前のためにテキトーに作りました、ではなく、非常に本格的なのだ。

たとえば今回せっかくなので地獄のから揚げを頼んでみたのだが「お時間掛かりますが、いいですか」と断られて(もちろん構わない)その間もメタル話に興じながらチラチラみていると、衣の材料からつくり始め、丁寧に手をかけて揚げてくれた。

しかもメニューでは基本6個になっているが、他のものも既に結構食ってたので「わりと大きめなのでお二人なら4個でいいと思います」と配慮もしてくれる。

そうして出てきた唐揚げは確かにでかい。そしてカリッカリの衣にジューシーなお肉・・・ウマー・・・🤤

と言う具合で、他のメニューもとてもちゃんとしていて、どれも本当においしかった。ちなみにメインで頼んだのはもちろん「異次元からの回鍋肉」である。

あと、下戸的に嬉しかったのが、ソフトドリンクも多数取り揃えられていること。もちろんドリンクメニューの方も上述のメニュー同様捻りが効きまくっていてぬかりがない。お酒の中でもものによってはアルコール抜きでも作れます、というのもあって、ワンオペならではの融通の効いた対応をしてくれるようだ。

最後に締めのデザートには、娘が「これは絶対行っときたい」という「ジューダス・プリントースト」を。

フランスパンにプリンとアイス(!)

これも名前の割に(笑)めっちゃまともで、わりとたくさん頂いたあとだったけどツルリと食べてしまった。

そんなこんなで楽しい時間はあっという間に過ぎて、終バスの時間が気になる我々はそろそろおいとま。いやー面白かった。

つくづく思ったんだけど、この店は本当にマスターのヤスさんの人柄が全てなような気がした。あのコロナ禍にもめげずしっかり続いてるのも偶然ではないと思う。

メタル好きでなくても、普通に楽しめるお店なので、気になった方は機会があればぜひ行ってみて欲しい。

あ、ちなみに店内には常にメタルが掛かってるけど、音量はごくごく控えめなので心配無用です(逆にこういう店で爆音を期待してる人には向かない)。

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