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書き出しはこんな感じ?

特定の窓口を通してしか仕事を受けない探偵稼業の私の元に週末届いた一通の手紙。そこには助けを求める悲痛な訴えと、差出人の周りで置いている不可解な出来事を私が解決するであろう事への謝意が丁寧に述べられていた。

なんの悪戯か、しかし、住所も稼業も表立っては知らせていない、かろうじて23区の境界線上にあるこの住処と探偵の私をどう知ったのか?普段は一方通行の窓口に確認するも、電話は繋がらず、メールをしてもなんの返信も無いところをみると、また悪い放浪癖が始まったのだろう。それならば尚更どうしたことか、少しザラついた気持ちと、探偵としての興味から、私は翌朝その住所を尋ねるとにした。
 目的の場所に着いた私は益々混乱することになる。そこには住む人を失った一軒の洋館が周りの喧騒から身を隠す様にひっそりと建っていた。
 その門はロープで括られており、長い間手入れをされた様子もない。崩壊が始まりつつある門柱越しには、ありし日の瀟洒な様子を物語るステンドグラスが陽の光に美しく照らされ、そのチグハグさが一層建物の廃れ具合を引き立てていた。

帆掛け船だろうか?、綺麗な色使いのステンドグラスのデザインを詳しく見ようと一歩踏み出したところ、不意に後ろから声がした。振り向くと、ステンドグラスに使われた水面の淡いブルーと同じ瞳の、まだ若い女性が立っていた。

 手紙の文字からは想像が出来ない人物の登場に少し困惑した私は、彼女の肩越しに車椅子に乗った人物がじっとこっちを見ている事を知り、なるほどこっちの人物が手紙の主であろうと確信した。遠目だがかなり高齢であろう。しかし、ステンドグラスに気を取られていたとはいえ、なぜ気がつかなかったのかと思うほどの熱量を瞳に湛えている。

そしてその瞬間から、私はとても奇妙なこの事件へと巻き込まることとなる。運命の悪戯としか思えない、しかし、結果としては全て必然の、嘘と計略と嫉妬が創り出した歪で目を背けたくなる様な人間の生々しさと、信じられないほど純粋な想いが点と点をつなぎ、作られた線が幾つものピースを紡ぐ、バラバラのピースは過去からの因縁によって像を結び、その中にまた新たな謎が現れれる。

今日撮った写真からアホな文章を作っていたら眠くなったので寝ます、おやすみなさい〜

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